ミレニアム世代のトッププロスペクトたち Vol.3 「村松開人、内野裕太、水野達稀」
23日から始まる沖縄大会を皮切りに第100回大会がスタートする。この大会で最後の夏を迎え多大な注目を浴びるミレニアム世代をトッププロスペクト方式で特集。今回は進化を目指す野手3人を特集する。
村松 開人(静岡)遊撃手 好打者脱却へ モデルチェンジを図るショートストップ
村松 開人(静岡)
近年、東海地区の雄になりつつある静岡。今年の静岡のリードオフマン・村松開人の存在感は強烈である。170センチ70キロと小柄だが、170センチとは思えないような強烈な打球を飛ばし、軽快なフットワークを生かした遊撃守備、次々と決める盗塁センスの高さと走攻守三拍子そろったプレイヤーだ。
村松は1年秋からスタメンの座を獲得し、2番ショートで打率.380を記録し、2年春に選抜出場。そして2年秋は打撃に磨きがかかり、1番ショートとして公式戦13試合で56打数27安打、打率.482と大活躍を見せ、2年連続の選抜出場へ大きく貢献した。
上位進出を狙った選抜では駒大苫小牧戦で2安打を打つ活躍。長打こそなかったが、好打者を脱却し長打を打てる中距離打者になろうと脱皮を図っていた。神宮大会まではレベルスイングだったが、選抜大会のスイングを見ると、ボールの下を捉え、アッパー気味のスイングとなっていた。選抜では本塁打こそなかったが、夏までに今の打法が完成すれば、長打を量産する可能性がある。
東海大会では欠場したが、復活を遂げ二季連続の甲子園出場へ向けて、夏までに大進化を遂げる。
内野裕太(波佐見)遊撃手 昨年は甲子園第1号 2年連続を狙う長崎No.1スラッガー
今年の長崎県を代表する大型スラッガー。昨夏の甲子園では2017年夏の甲子園第1号本塁打を放ち、鮮烈デビューを果たした。これが高校通算18本目。その後内野手へ転向した内野は、今年の春季県大会準決勝で二打席連続本塁打を放つなど、順調に本塁打を積み重ねている。
175センチ80キロと恵まれた体格と分厚い太もも。体に秘められたパワーを最大限に生かす鋭いバットスイングはますますすごみが増している。
2年連続の甲子園出場へ。しかしライバルは多い。全国クラスの投手力を誇る創成館、春の決勝で対戦した長崎総科大附、NHK杯優勝の長崎商と強力なチームばかりだ。内野はライバルを打ち崩し、2年連続の甲子園出場をつかむことができるか。
水野達稀(丸亀城西)脱皮に成功した四国No.1ショート
水野 達稀(丸亀城西)
今年の四国ナンバーワンショートストップと呼び声が高い逸材。171センチ70キロながらも、グラウンド上で大きく見える姿は田中広輔(広島東洋カープ)を彷彿とさせる。持ち味は広角に打ち分けるバットコントロール。インパクトまで無駄のないバットスイングでボールを捉えるコンタクト能力の高さは素晴らしく、安打を連発する。そして長打力もあり、春の県大会を終えて高校通算20本塁打を超える。そして軽快なフットワークを生かした遊撃守備、颯爽と駆け抜けるベースランニングと、走攻守三拍子揃ったプレイヤーである。
水野の名が大きく広まったのは、昨年の早稲田実業との招待試合だった。本塁打を含む5打席5打数4安打1HR、1三塁打6打点1盗塁の大活躍で勝利に貢献。当時、注目を浴びていた清宮幸太郎に負けない活躍を見せた。
1年経ち、水野は冬場にスクワッドなどで鍛え、太もも回りを60㎝にした大きな下半身を生かし攻守で力強いプレーができるようになった。
今年は四国優勝の大手前高松や選抜出場の英明、藤井学園寒川など実力校が多く揃い、勝ち抜くのは容易ではない。そんなライバルを攻略し、甲子園出場を決めることができるか。
文=河嶋宗一