Column

園部、宮路、菊地…指名漏れとなった逸材たち

2017.10.27

園部、宮路、菊地...指名漏れとなった逸材たち | 高校野球ドットコム
悔しさは次のステージで晴らす!

 48名の高校生がドラフト指名された一方で、惜しくも指名漏れを味わった選手がいる。

 大阪桐蔭に1失点完投勝利を挙げた長谷川 拓帆仙台育英)は指名漏れ。140キロ前後の速球を内外角に投げ分ける切れのあるスライダー、120キロ後半のスプリットを投げ分ける投球は高校生としてハイレベルな投手だったが、夏にかけてあまり球速が伸びなかったのが痛かった。指名されなかった場合は社会人に進むことが決まっており、ぜひ3年間で即戦力を期待できる投手になってほしい。

 高校通算48本塁打の園部 佳太いわき光洋)も指名漏れ。夏の福島大会では打率5割を記録したように対応力、長打力もある遊撃手。スイングスピードも実に速い選手だ。指名漏れしたのは残念だったが、大学・社会人・独立に進んで、プロレベルの選手になってほしい。

 140キロ左腕・大竹 凌大総和工)も指名漏れ。強気なピッチング、自慢の速球という長所があるだけに、次のステージでしっかりと伸ばしてほしい

甲子園優勝投手となった綱脇 慧花咲徳栄)。130キロ後半の速球、スライダー、チェンジアップをコントロールよく投げ分けるピッチングは超高校級の右の技巧派として評するものがあった。岩井隆監督の勧めでプロ志望届を提出。指名があっても、もともと大学にいくつもりだった。いわゆる自分の評価を知るために提出したものだった。どういう進路をたどるか、分からないが、綱脇は引退後も精力的なトレーニングを続けており、ウエイトトレーニングの回数を増やし、レベルアップに励んでいる。次のステージで投げる綱脇の姿が楽しみだ。

 最速145キロ右腕・赤星 優志日大鶴ヶ丘)、宮路 悠良東海大高輪台)も指名漏れとなった。特に宮路は夏にかけてよくなった右腕。好調時は145キロ前後、切れのあるスライダーで翻弄するピッチングはさすがだったが、ただ高卒プロとなるとワンランク上の投球を求めたかった。ただ、宮路はこの夏で自分のピッチングに自信をつけ、「プロの指導を受けてみたい」と志望届け提出のきっかけに変えた。どういう進路をたどるか注目だ。
佐渡島初のプロ野球選手を狙った菊地 大稀佐渡)も指名漏れ。躍動感あるフォームから繰り出すストレートは絶品だったが、まだ一歩足らないとみなされたのだろう。まだまだレベルアップは可能な素材だけにぜひ悔しさを晴らしてほしい。

 高校通算39本塁打を記録している高畑 光生高朋)も指名漏れ。NPB入りをかなえるためにどのステージで続けるのか。

 140キロ前後の速球、縦に鋭く落ちるカーブで翻弄し、甲子園出場に貢献した北山 亘基京都成章)も指名漏れとなった。素材として素晴らしい投手なだけに、ぜひ次のステージでは大きく活躍を見せてほしい。

 翁田 大勢西脇工)は馬力だけ全国クラスの投手で、140キロ中盤を計測。ただピッチング術に課題を抱えた投手だった。今年は多くの速球派右腕が育成枠になっているケースがみられるが、そういう投手と天秤を翔けられて指名漏れになったと考えられる。

 小松 章浩おかやま山陽)も躍動感あるフォームから繰り出す速球が武器の投手。高卒プロとなると、一歩足らなかった。

 指名漏れとなった選手は大学・社会人に進むケースが多いが、去年は9891横芝敬愛)が、徳島インディゴソックスに進み、チームの年間優勝、日本一に貢献。今年のドラフトでは全体27番目となる埼玉西武ライオンズ3位指名を受けた。これはかなりの高評価で、9891の選択は大成功となったが、独立リーグの選択肢も入れて、NPBを狙う方法もある。ぜひ3~4年後。あるいは1年後に、今よりも高い評価を受けて、NPB入りの夢をかなえることを期待したい。

(文・河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.27

【福岡】飯塚、鞍手、北筑などがベスト16入り<春季大会の結果>

2024.03.27

【神奈川】慶應義塾、横浜、星槎国際湘南、東海大相模などが勝利<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.27

青森山田がミラクルサヨナラ劇で初8強、広陵・髙尾が力尽きる

2024.03.27

中央学院が2戦連続2ケタ安打でセンバツ初8強、宇治山田商の反撃届かず

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】