プロ志望届けを提出した有望な逸材を徹底紹介!石川、平良など速球派右腕の提出が集中
10月26日に開催される「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」の指名対象選手資格として提出を義務付けているプロ志望届(締め切りは10月12日)。9月15日までプロ志望届けを提出したのは、31名。ここまで甲子園出場者の提出は1名と少ないが、来週以降から、甲子園出場経験者の提出もありそうだ。今回はポジション別で、有望選手を紹介していきたい。そうすると、ある傾向が見えてきた。
本格派右腕が多数提出!
平良海馬(八重山商工)
今年は野手が豊作で、投手はドラフト観点から見ると厳しい世代といわれている。だが実際顔ぶれを見ると、優秀な投手が多く提出。その中でも最速151キロ右腕・石川 翔 (青藍泰斗)、最速150キロ右腕・牧 丈一郎 (啓新)、平良 海馬 (八重山商工)の3人は評価が高く、今年の高校生右腕はかなり高く評価されてプロ入りしそうだ。石川は細身の体型ながら、コンスタントに145キロ前後を投げ込む。最後の夏になって、ストレートもだいぶ力強くなり、縦横の2種類のスライダーの切れ味も増し、実戦的な投手へ成長した。牧は、右スリークォーターから威力ある速球を投げ込む大型右腕。ただ速いだけではなく、スライダー系統の変化球を中心にしっかりとまとめる能力がある。平良は平均球速140キロ後半をたたき出す投手で、さらに、切れのある変化球でしっかりと投球を組み立てられる投手で、完成度は高い。初戦敗退だが、スカウト陣の評価は高い。
牧、石川、平良以外では、威力ある速球を投げ込む投手が多い。佐渡島初のプロ野球選手を目指す菊地 大稀 (佐渡)も躍動感あるフォームから繰り出す大型右腕。難波 侑平 (創志学園)は、昨年まで野手兼任で、秋までも、どちらかというと野手としてのセンスの高さが光っていたが、球速も140キロ後半まで速くなり、複数の変化球を投げ分け、器用なピッチングができる投手だ。
184センチの長身から最速149キロの速球を投げ込む田中 瑛斗(柳ヶ浦)も、フォームの土台が良く、切れ味鋭い変化球の精度も高い。田中 優大(羽黒)は、潜在能力が高い右腕で、長身から投げ込む速球は常時140キロ前後だが、投手歴が浅く、実戦力を突き詰めていくと、大きく伸びる可能性を持った逸材。甲子園出場の小松 章浩(おかやま山陽)は、勢いあるフォームから140キロ前半の速球で勝負する本格派右腕。翁田 大勢(西脇工)も、恵まれた体格から投げ込む147キロ右腕。馬力の大きさは、全国トップクラスの逸材だ。他では145キロ右腕の東 晃平 (神戸弘陵)、最速146キロ右腕・中川虎大(箕島)、速球の威力は140キロ近くだが、身体能力が高く、大化けが期待できる小笠佐々木 健 (小笠)と逸材が多く提出。
[page_break:ここまで提出した野手では高校通算48本塁打の園部圭太(いわき光洋)が筆頭株]ここまで提出した野手では高校通算48本塁打の園部圭太(いわき光洋)が筆頭株
園部圭太(いわき光洋)
ドラフト候補になる右腕は、身長180センチ越えで、速球も140キロ越えという逸材が多いが、その中で異色な存在が山本 拓実 (市立西宮)だ。167センチと小柄だが、最速148キロ。どの試合でも直球はコンスタントに145キロ前後を計測するように、実力は本物。130キロ近い高速スライダーの切れも素晴らしく、ピッチングも押し引きが上手く、小柄な投手は不利といわれるが、実力、メンタルの強さで補った投手である。そのパワフルなピッチングは多くのスカウトを惹きつけ、評価が高い。当日はどんな評価を受けるだろうか。
一方、野手はどうだろうか。高校通算48本塁打の園部 佳太 (いわき光洋)は一番の注目株だ。最後の夏の大会では20打数11安打、6打点と大当たり。捻りを入れたフォームから豪快なフルスイングで鋭い打球を連発するスラッガー。打撃の潜在能力は高く、二軍で多くの出場機会を積ませてほしいと思わせる選手だ。そしてスカウトの評価が高いのは、髙松 渡(滝川二)。塁間タイム平均3.8秒台を計測する超俊足の巧打の遊撃手で、やはり誰よりも速い足を持っているのは大きな武器となるだろう。高校通算30本塁打超の新山 進也(松本第一)、徳島の二刀流・折下 光輝 (新野)、静岡県屈指の強肩捕手・木須 デソウザ フェリペ(御殿場西)、俊足巧打の大型遊撃手・綱島 龍生 (糸魚川白嶺)、腕っぷしの強さを生かしたスイングで力強い打球を飛ばす荒井 颯太 (関根学園)、強打の捕手・山本 雅樹(武相)など潜在能力が高い選手が多い。
ここまで右投手の有望投手の提出が多く、野手は前評判が高い野手の提出はまだない。それでも潜在能力が高い野手が多く、NPBがどう評価するのか、楽しみだ。これから多くの目玉選手の提出で、もっと高校生ドラフトは注目度が増すはずだ。
(文=河嶋宗一)
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