第101回 野村 佑希(花咲徳栄)が待望の甲子園初アーチ!甲子園でさらに名を上げることができるか?2017年08月17日

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 ついに野村 佑希花咲徳栄)から待望の一発が飛び出した。春の埼玉大会で4本塁打、関東大会で1本塁打を放ち、一気に名前をあげた野村だったが、埼玉大会では本塁打がなかった。本人にとって悔しいバッティングが続いていたが、日本航空石川戦の一発で調子を上げていきそうだ。

花咲徳栄はここ5年で3人の高卒プロ選手を輩出 野村はそのルートに乗るのか?


野村佑希(花咲徳栄)

 近年、花咲徳栄の高卒プロ輩出が目覚ましい。2013年には若月 健矢(オリックス)、2015年には大瀧 愛斗(埼玉西武)、2016年には高橋 昂也(広島)がプロへ進み、今年はエース・清水 達也とスラッガー・西川 愛也がドラフト候補に挙がっている。そして3年連続の夏の甲子園出場。戦績も、プロ輩出の実績も、現在の埼玉ナンバーワンといっていいのが花咲徳栄なのだ。

 なぜ毎年、高卒プロ入りが狙えるほどの選手が育つのか。高橋 昂也がまだ2年生だった頃、岩井隆監督がこう話していたことがある。
「高橋は大物になりますし、大物に育てます。荒削りなところがありますけど、小さくまとめさせたくない。大きく育てたいですね」
そう話した岩井監督は高橋をしっかりと大物に育てた。広島東洋カープ2位に指名を受けるまでの左腕までに成長したのだ。岩井監督は、後に高橋をプロに行かせるのではなく、「プロで10年プレーできる選手にしたい」と話してくれた。高橋を高校野球で勝つ選手ではなく、プロで活躍できる選手を目指して、長期的なスパンで選手を育てていたのだ。そして、これまでの先輩たちと同じく野村を小さくまとめさせず、育てている。

 野村が公式戦デビューしたのは1年秋から。体は大きく、当たれば飛ぶ。しかしコンタクト能力が欠き、凡フライが多く、野村は苦しい思いをしていた。それでも岩井監督は粘り強く起用していたのが印象に残っている。そこには指揮官の「大きく育てたい思い」が見えた。そして1年冬。岩井監督からの指導を受け、素質が開花。春先から本塁打を量産し、県大会・関東大会のブレイクにつなげたのだ。

 しかし好調は長く続くものではない。埼玉大会では、本塁打無しに終わり、決勝戦では無安打と悔しい思いをして、甲子園に入ったのであった。しかし野村は甲子園で復調。まず初戦の開星戦で4打数3安打。続いて2回戦の日本航空石川戦では、甲子園初アーチが飛び出した。

 野村は岡本 和真(智弁学園-巨人)のような構えから、小さなステップで振り抜いていく選手である。腕の動きの硬さが目立ったが、甲子園でだいぶ硬さが取れていた。バットの動きを見ると少し揺らして構えるようになった。これは先輩の西川と同じメカニズムで、こうすることで、両腕を柔軟に使おうとする意図が見える。不調時は腕の操作性が欠けた打撃となっていたが、本塁打を打った打撃を振り返ると、外角へのスライダーに先っぽに当たりながらも、レフトスタンドへもっていった。もし以前のままだったら内野ゴロで終わっていたコースであったが、なかなか突っ込まず、本塁打にすることができたのは野村にとって自信になった一発だろう。

 次は140キロ台の投手を4人揃える前橋育英。今まで対戦した投手の中で最もレベルが高い投手となるだろう。前橋育英との試合も野村にとって成長の場となりそうだ。

 2年ぶりのベスト8。そしていまだない埼玉県の夏優勝を目指して、野村は自慢の長打力を発揮していく。

(文=河嶋 宗一

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
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  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
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  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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