済美の怪力男・亀岡京平(済美)。ラストサマーで大爆発!
ついに開花の時を迎えた。済美の亀岡京平が甲子園2試合で、3本塁打の大活躍。済美のベスト16入りに貢献した。握力右70キロ、左65キロと怪力を誇る亀岡の成長の歩みを追った。
甲子園2試合の長打率は2.166!
亀岡京平(済美)※写真=共同通信社
甲子園で華々しい活躍を見せている亀岡だが、高校2年夏まで目立った実績はなかった。港南中(愛媛)では、軟式野球でプレー。済美入学後も、ベンチ入りは2年秋の新人戦から。レギュラーを掴んだのも県大会ぐらいだった。秋は四国大会準決勝まで勝ち進んだが、明徳義塾にコールド負け。5番ショートで出場した亀岡は2打数0安打に終わっている。この悔しさをばねに済美ナインは一層、練習に取り組み。亀岡は黙々とトレーニング、木製バットでの打撃練習に励んだ。亀岡の長打力が開花したのは、この夏からだ。
愛媛大会では、20打数11安打、1本塁打、8打点、打率.550と大当たり。11安打のうち、長打が5本。長打率.900と高水準の打撃成績で、4年ぶり出場に貢献。本塁打をを打った決勝戦後のインタビューでは、自主練習に付き合った高須賀 空大に涙を流しながら感謝の想いを伝えた。心優しい力持ち。それが亀岡京平である。
その勢いは甲子園でも止まらなかった。東筑戦の6回裏、一死一塁、カウント1ストライク1ボールから外角高めのストレートを右中間へ打ち込む本塁打を放ち、甲子園初アーチを放つと、津田学園戦の4回裏、2ストライク1ボールから外角ストレートを左手1本で打ち込むホームラン。7回裏、5対0で迎えた二死二塁。高めのストレートを詰まりながらもセンター横へ飛び込むホームランを打ち、2試合で3本塁打と高校野球ファンだけではなく、済美ナイン、スタッフを驚かせた。
亀岡の打撃をじっくりと見てみる。中日の平田良介のように歩幅を狭め、背筋を伸ばして構えるスタイル。そこから左足をぐっと上げてから、少し重心を下げて、ボールを手元まで呼び込んで打ち込むスイング。片手で打ち返す打撃が多く、甲子園でのホームランも、最後の瞬間に左手で打ち返す打撃はまるで外国人のような打ち方である。一見、詰まりながら右中間、センター横の深い当たりに打ち込むパワーは高校生としては脅威的。172センチ87キロとずんぐりむっくりの体型だが、三塁守備は機敏で、打球反応も良く、攻守で優れたパフォーマンスを見せている。
愛媛大会・甲子園大会を通じての打撃成績は、26打数15安打、4本塁打、12打点、打率.576。甲子園の長打率に限っては2.166と打高投低の傾向が目立つ今年の甲子園の中でもトップクラスの成績である。
3回戦の相手は盛岡大附vs松商学園の勝者。どちらが勝ち上がっても強敵だ。しかしこれまでの苦しい試合も、自身の一打で勝利に導いてきた。これまでと同じく3回戦でもチームの勝利のために打ち続ける。
(文=河嶋宗一)
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