二打席連続本塁打の神野太樹(天理)は今大会屈指のコンタクトヒッターだ!
天理のバレンティンと呼ばれる神野太樹。奈良大会で全試合で打点を挙げているスラッガーがいきなり甲子園で二打席連続本塁打。天理の勝利に大きく貢献した。スラッガーとして注目される神野だが、中身を詳しく見るとかなり高いコンタクト技術を持ったバッターであった。
高いコンタクト技術を3回戦でも発揮できるか?
神野太樹(天理)※写真=共同通信社
圧巻の本塁打だった。2ボールからの3球目の高めのストレートをバックスクリーンに叩き込む本塁打。打った打球はもちろんだが、神野の高い打撃技術が光った。バレンティンといわれるが、この2本塁打を入れても、高校通算14本塁打。長距離打者のスタイルではないだろう。それはタイミングの取り方を見ても明らかだ。
長距離打者の場合、始動が遅く、捕手寄りのポイントで捉える選手が多い。神野は比較的、始動の仕掛けが早い。アベレージでボールに対応していくスタイルで勝負する選手なのだ。構え方を見ると、スクエアスタンスで構える姿はしっかりとボールが見える形となっており、早いカウントから打ち損じすることなく打てているのは、ボールが見える形で打席に立てているから。
神野はトップを取ってから、余計な動作に入ることなく、インパクトに入ることができている。高いコンタクト技術があるが、しっかりと腰が回転して、振り切った打撃ができる。小さくまとまらず、フォロースルーまで自分のスイングで打てていることが、高いコンタクト技術を支えているのだろう。
甲子園以外の打撃を振り返ると、神野はセンター~ライト方向を中心に打ち返す打撃が多い。この2本塁打は、神野にとって会心な当たり。この2本塁打でスカウトの評価は高まったと思うが、逆にこの2本塁打で自分の打撃スタイルを崩さなければいいだろう。
神野の真価が問われるのは、次の神戸国際大附戦。好投手・岡野佑大など多数の好投手を揃える神戸国際大附投手陣相手に、コンタクト技術の高さを発揮することができるか?
5年ぶりの夏甲子園ベスト8のキーマンとして、これからも自分のスタイルを崩すことなく、打ちまくる。
(文=河嶋宗一)
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