今年の高校生野手は少数精鋭!各ポジションの逸材をピックアップ!
投手編に続いては野手である。高校生投手は豊作と言われる一方で、野手はどうなのか?というと上位指名確実!という逸材は少ないが、それぞれ長所を持った野手が多い。逆に数が少ない分、チャンスがあるかもしれない。そんな逸材たちを捕手・内野手・外野手の順番で紹介していきたい。
九鬼、古賀など全国で実績を残した捕手が狙い目か
坂倉将吾(日大三)
まず捕手。今年は捕手の候補が少ないといわれるが、リストアップすると、5人もいる。指名候補が5人もいるというのは結構豊作。理由は捕手というポジションは入れ替わりが少ないポジションであり、少数精鋭ぐらいがちょうどよい。指名有望な5人がこちらだ。
・九鬼 隆平(秀岳館) ※関連記事
走攻守三拍子揃った大型捕手。50メートル6秒0の俊足、高校通算26本塁打を誇り、木製バットでもスタンドインできる長打力、スローイングタイム1.8秒台の強肩。さらには周囲に目配り気配りできる人間力の高さなど捕手として必要な素質が備わった大型捕手。まだ荒削りなところはあるが、いわゆる鍛えがいのある選手で、春夏甲子園ベスト4、U-18優勝を経験した実績面も含め、上位指名が十分に予想される。
・石原 彪(京都翔英)
京都のドカベンと評されるようにパワフル且つ巧みな打撃、スローイングタイム1.8秒台の強肩、柔軟なキャッチングと捕手としての素養は非常に高い。豪快さと繊細さを持ち併せた捕手で、経験を積めば積むほど味が出る選手として見ていいだろう。
・郡 拓也(帝京)
スカウト内では、捕ってから投げるまでの速度、肩の強さはピカイチという評判。捕手としての技術はまだ荒削りなところがあるが、高校生だからまだ鍛えようがあるという評価になっている。また走れる大型捕手であり、身体能力の高さも高く評価されており、プロでは外野手にコンバートされる可能性もある。課題はまだコンタクト技術が低い打撃を磨いていきたい。
・坂倉 将吾(日大三)
攻守のまとまりでは今年の高校生捕手ではピカイチという評判の捕手。打撃面は技術的なモノがしっかりと備わっており、スイングも強いので、プロで鍛えれば打てる捕手になれる可能性が高い。例年、大学進学が多い日大三だが、坂倉は大学、社会人の受け皿は用意せず、プロ1本で指名を待つ。
・古賀 優大(明徳義塾) ※関連記事
スローイングタイム1.9秒台の強肩、確実なキャッチング。投手の持ち味を引き出す甲子園ベスト4に導いたインサイドワーク。今年の高校生捕手ではナンバーワンの力量、プレーの安定度を持った捕手。課題の打撃も克服しつつある。
内野手は長打が打てる野手が多い
内野手は強打者が多く、将来的には中距離打者として活躍が期待できる選手が多い。そんな選手たちを紹介していきたい。
・石垣 雅海(酒田南)
下級生時代から大型外野手として評判だったが、今年から遊撃手に転向。身体能力の高さを生かした守備も伸びてきた。高校通算37本塁打を記録した強打はプロの舞台では輝きそうだ。
・岡崎 大輔(花咲徳栄)
バットコントロールの良さ、軽快な遊撃守備、高い走塁技術が光る好遊撃手。プロで活躍するには打撃面の強化が不可欠。
・森山 孔介(藤沢翔陵)
中田 翔を意識した打撃フォームからボールをピンポン球のように飛ばす強打の遊撃手。フライが上がったときの滞空時間の長さからインパクトの強さが分かる。対応力に磨きをかけていきたい。
・高橋 優斗(愛工大名電) ※関連記事
高校通算47本塁打を誇る長打力、強肩を生かした三塁守備、俊足が光る大型内野手。高いステージでも本塁打量産が期待できる数少ない左打ち内野手であり、球団によってはかなり需要のある選手になるかもしれない。
・今井 順之助(中京) ※関連記事
高校通算68本塁打を記録したフルスイングが自慢のスラッガー。厳しいマークを受けながらも対応力に磨きをかけてきた。常に全力疾走を怠らない姿勢も好感が持てる選手。プロでは三塁、外野手として守れるようになると活躍の可能性も広がるだろう。
・三森 大貴(青森山田)
出塁すればあっさりと盗塁を決めてしまう盗塁技術、強肩を生かした遊撃守備、細身ながら長打を連発する長打力が自慢の大型遊撃手。プロでは嫌らしい遊撃手を目指している。今年数少ない高校生外野手なので、需要は高い選手と見ていい。
・松尾 大河(秀岳館) ※関連記事
どんな舞台でもそれなりの結果を残す適応力の高さが魅力。力強い打撃、遊撃だけではなく、球際の強さを見せる三塁守備、盗塁を軽々と決める盗塁技術と、プロ1年目からファームでそれなりの出場機会が見込めそうな選手だ。
・糸野 雄星(明秀学園日立)
高校通算47本塁打を誇る長打力が自慢の遊撃手。ウリは右中間へ本塁打が打てる技術を高校3年間で磨きあげてきた。また堅守を誇る遊撃守備も注目だ。
外野手編 三拍子揃った鈴木将平は上位で消える素材
細川成也(明秀学園日立)
外野手も候補の選手はそれほど多くない。だが将来的には一軍で活躍が見込める外野手をピックアップした。
・根本 薫(霞ヶ浦)
身体能力の高さが備わった大型外野手。狙い球が決まれば鋭い打球を飛ばす。足、肩もハイレベルで、かなり面白い素材だ。
・天本 昂佑(秀岳館)
春夏の甲子園で本塁打を記録した大型外野手。今年数少ない右打ちの強打の外野手として人気になりそうだ。
・静岡 鈴木 将平(静岡) ※関連記事
今年の高校生外野手どころか、野手としても最も一軍デビューが早い逸材として見て言い。青木 宣親選手を彷彿とさせるようなバットコントロール、木製バットでも長打を打てる技術、走塁技術の高さ、強肩と守備範囲の広さを兼ね備えた中堅守備とまさに文句なしの逸材だ。
・細川 成也(明秀学園日立)
高校通算63本塁打を放った長打力が自慢の強打者。対応力に課題を抱えているが、スイングの強さは今年の高校生野手でもトップレベル。和製大砲として頭に入れておきたい選手だ。
・田城 飛翔(八戸学院光星)
スイングスピードの速さが目につく左打ちの外野手で、フィジカル面を鍛えていけば、強打の外野手に育つ可能性がある。俊足、強肩でもあり、大化けが期待できる素材だ。
・中山 竜秀(九州国際大附)
走塁、守備は一級品の技術を誇る外野手。打撃もしぶとい打撃を見せる。この打撃をどこまで伸ばしていけるかが次のステージで活躍できるか、できないかの分かれ目になりそうだ。
それ以外では強肩捕手・森田 健斗(前橋育英)、埼玉県屈指のスラッガー・星野 裕帆(川越東)、体重105キロの強打の遊撃手・渡部 健人(東京日本ウェルネス ※関連記事)、高校通算28本塁打を誇り、投手としても最速143キロを誇る加藤 脩平(磐田東)、巧打の遊撃手・松本 龍憲(崇徳)、投手としても140キロを計測する外野手・清水 陸哉(京都国際)、熊本県では強肩捕手で知られた内村 僚(有明)、元プロの小林昭則監督に「お前はプロに行ける素材だ」といわれて、努力の仕方を学び長打力を開花させた大本 将吾(帝京第五)も面白い選手だ。
どれだけの選手が指名されるのか、注目していきたい。
(文・河嶋 宗一)
注目記事
・【プロ野球ドラフト会議2016特設サイト】