第126回 ピリオダイゼーションと夏の大会に向けての調整法【後編】2016年06月11日

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【目次】
[1]ストレングスピリオダイゼーション
[2]持久力のピリオダイゼーション
[3]総合的なピリオダイゼーション

 みなさんこんにちは。殖栗 正登です。前編では年間計画におけるトレーニング期の特性についてお話をしましたが、後編はより実践的な話をしていこうと思います。

ストレングスピリオダイゼーション

ダッシュする選手たち

 野球において、ストレングストレーニングの意義は大きく、トップリーグのNPB、MLBともにトレーニングコーチ、ストレングス&コンディショニングトレーナーを配置していることからもよくわかる。

 なぜなら野球はパワーの運動能力が大切だからだ。短時間でより大きな力を発揮する能力を表すパワーは、スピード、クイックネス、最大筋力の総体であるといえる。

◆解剖学的適応期(一般的筋力)
これは試合期の後の移行期で、ストレングスは行わないでその後の一般準備期で行われる。その目的は、その後の長く続くトレーニングの為に全ての筋群をバランスよく鍛えることで筋、靭帯、腱、関節を鍛える為である。ここでは10~12種を上下バランスよくメニューを組み、60パーセントの負荷で8~12日を2、3日セット、インターバル60秒で約1ヶ月から1ヶ月2週行う。

 高校1年生の新入生は入学したら負担を40パーセントから始めて60パーセントまで上げながら、8~12週(3ヶ月)行うことで、身体の土台を作り上げていくことが大切である。なので4~7月は1年生はしっかりとしてストレングストレーニングで土台を作り、ケガの予防にも努めていって欲しい。

◆最大筋力期
最大筋力のレベルや、パワーと筋持久力の両方に影響を及ぼすので、最大筋力が高くなれば平均的なパワーでさえも出せないであろう。この時期の目的は最大筋力の向上であり、1~3ヶ月必要になってくる。10~11月を解剖学的適応期にあてたら12~1月は最大筋力期となる。

◆転換期(専門的)
転換期で、鍛えた最大筋力をより野球に必要なパワーに転換していく時期である。ここは1~2か月は必要であるが最大筋力は、維持していかなくてはならない。この転換期は準備期後半から試合期前半まで行う。徳島インディゴソックスから楽天に入団した入野 貴大との対談インタビュー(Vol.1Vol.2)でも話をしたが、徳島インディゴソックスでもこの専門的トレーニングを開幕の4月から6月まで行った。

◆メンテナンス期(維持)
この時期は獲得した筋力を維持することだが、野球は最大筋力とパワーと筋持久力を維持する必要があり、最大筋力を週1回、パワーを週2回、筋持久力を1回は入れていきたい。これらの能力を維持するエクササイズを4種目行えたら理想だ。高校野球も夏に向けて5~7月は実戦がメインだと思うが、ストレングストレーニング、この維持期のプログラムは必ず導入して欲しい。

◆休止期(テーパリング)
本番2週間前からストレングストレーニングの量を落として、体力と疲労を考慮していく。そして大会の5~7日前にはストレングスプログラムを落としていかなくてはならない。

◆補強期
もし大会が終了したら、移行期として疲労の除去、メンタルの回復、エネルギーの補給、ケガの回復の為レクリエーション的な補強期を導入する。

 選手は人間であって、機械ではない。心身の回復が大切である。

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プロフィール

殖栗正登先生
殖栗正登先生
  • (有)ベースボールトレーナーズ
    -高知ファイティングドッグス
    -伊予銀行女子ソフトボールボール部
    -愛媛県国体トレーナー
    -徳島インディゴソックス
     インディゴコンディショニングハウス
  • 柔道整復師
  • アメリカストレングス&コンディショニング協会公認
    ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
  • 日本体育協会公認スポーツプログラマー
  • 日本トレーニング指導者協会トレーニング指導者
  • FMS
  • SFMA
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