フィットネステスト(測定&トレーニング)【前編】
こんにちは皆さん。トレーニングをする前に測定を行っていますか?トレーニングと測定は、2つで1つのセットと覚えておきましょう!
まずは見るべきポイントを押さえよう!
自分の弱点ポイント見つける為のテスト
我々ストレングス&コンディショニングトレーナーがフィットネステストを行う場合は
(1)機能的(ファンクション)な動きの質的要素(モビリティ、ボディコントロール、バランス、スタビリティ)
(2)機能的なパフォーマンスの量的要素(パワー、スピード、持久力、敏捷性)
(3)スポーツ特有のスキル(野球ならば球速やバットスピード)
を見ることが大切になってきます。
なぜ3つをみるのか?
例えば、50mスプリント。この種目が遅い時、スピードトレーニングを処方しますが、2人選手がいたとして、1人は(1)が悪くて、もう1人は良かったとなれば、(1)のスプリントタイムが遅い原因は身体の質のモビリティ、スタビリティ、バランスが悪くパフォーマンスが出ない、となり、それらのトレーニング(エクササイズ)が必要となる。
◆機能的な動き
(1)モビリティ 足関節、股関節、胸椎、肩関節、手関節など動きがある関節を言う
(2)スタビリティ 骨盤、腰椎、頸椎、肩甲骨、胸郭関節など安定性が必要な関節を言う
(3)連動性 効率的な動きを生み出すためには、これらの関節のモビリティ、スタビリティの要素がきちんと機能していないとダメである。
例えばスプリントで股関節が固くてFMSのハードルステップで上手く跨げず、外旋の代償行為であればストライドは伸びないだろうし、片脚支持脚でバランスが左右にぶれるのならば、スプリントの際身体が左右にブレてパワーロスにつながるだろう。
また、脚が上がらなければ腰椎を屈曲代償するので腰に負担もくるし、強いトリプルエクステンション、特にヒップエクステンションが望めないだろう。
自分の「カラダ」を確認し、トレーニングに活かそう!
ではここで、FMS(ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン)の7種目の見るべきポイントをチェックしよう。
テストの方法は以前コラムで紹介したので、今回はスクリーニングをしていこう。
※今回はディープスクワットのポイントを、あとの6つは次回のコラムで紹介するのでお楽しみに。
1.ディープスクワット
【目的】
このテストは、股関節、足関節のモビリティと対称性を見ながら、上半身の肩、胸椎のモビリティ、対称性を見ていくために行う。
【評価】
クローズドキネティックチェーンでの、足首の確認、股関節、膝の屈曲。つま先の上まで膝が来て、腰の屈曲なく股関節屈曲して、上半身の脛が平衡の位置でバーが足首の上にあり、上半身の稼働が確保できているのか?また、方向性として膝が開かないでつま先、膝、股関節が一直線上にあり、左右対称かまた身体をねじっていないか、をバーの位置で確認していく。
このポジションは、スポーツ動作では大切である。
野球においては守備だろう。特にキャッチャーは、この位置をキープできるかが大切。位置が高いと、そこまで重心を上げてこないと正しい連動でスローイングが出来ないので、クイックスローが出来ない。ピッチャーも同じことが言えるだろう。ポイントは、股関節の屈曲動作で、ここは後ほどASLで評価が必要となる。
コレクティブエクササイズに入るときに知ってほしいこととして、「効率的に体を動かす」とは、身体の様々な部位をバランスよく、タイミングよく連動させ、パワー、スピード、クイックネスを相乗的に生み出していくことだ。
ストレングスとは自分の身体ではなく、ただ重量を動かす能力にすぎず、パフォーマンスの意味では、その一部分である。
そして、モビリティやスタビリティは人間の成長の過程で形成される。乳児はモビリティだらけ。ここから、頭からスタビリティされ、つま先まで体幹から四肢へと進む。
なので、近位部位のスタビリティが、遠位部位のモビリティより上位であること。赤ちゃんがハイハイを始める時、コア(軸)がきちんとスタビリティされていないと、ハイハイは出来ないのである。
ピッチングに関しても同じである。
軸足の蹴りで得たエネルギーを右手に伝える時も、コアをブレーシングで固定して骨盤を回転させて胸椎を動かす。そしてパワーを増幅させながら稼働域を広げつつエネルギーを増幅させる。そのまま肩甲骨を固定させ、パワーを連動させて肩を動かす。ここに距離を足してパワーを増幅させるのだ。
そう考えると、パワーを発揮する部位とモビリティ関節は一致してその部位のモビリティとパワーを各方向に付けていくことが大切だとわかる。
障害予防においても、モビリティ関節が可動がでないと、スタビリティ関節を動かさなければならず、オーバーワークにつながり障害につながる。
今回は我々トレーナーがフィットネステストにおいて、どこを見ているのか、なぜそれが必要なのかをお話しした。
また、具体的な種目ごとのポイントは、ディープスクワットのみだが、次回に他の6種目についてもお話する予定なので引き続き楽しみにしていてほしい。