Column

福良GMの母校・延岡工(宮崎)浜で鍛えた足腰で、夢舞台へ一歩ずつ近づいていく!

2020.03.08

春の県大会4強以上、そして夏は甲子園へ!


甲斐駿之介主将と眞田湧市

■4度の甲子園へ出場経験を持つ

 昭和19年より始まった延岡工は各学年6クラスが設けられ、710人の生徒が在籍している「生徒一人一人が育ち、輝き、誇りを持つ延工」のスローガンを掲げる。また機械科、土木科、電気電子課、情報技術科、環境化学システム科、そして生活文化科の計6つの科を設置する。

 そんな延岡工の野球部は春夏合わせて4度の甲子園出場。OBには、現在オリックス・バファローズのGMを務める福良淳一氏。さらには東京ヤクルトスワローズの七條祐樹がいるという実績を持っている。

■砂浜を使ったトレーニングが名物

 現在は2年生が22人、1年生16人。そしてマネージャー2人と合計で40人が一致団結して夏の甲子園を目指して練習を重ねる延岡工。学校の敷地内にある、レフト100メートル、ライト80メートルほどの縦長のグランドで練習を重ねる。

 ただ海の近くに学校がある延岡工ではオフシーズンに浜辺へ足を運んで、そこでダッシュをすることで足腰を鍛えた。さらにグラウンドでは上半身と下半身それぞれで6種類のメニューを組んだサーキットのトレーニングが名物練習。

 タイヤやメディシンボール、さらにはロープなどを使って体を鍛えるが、「それぞれが声を出して高め合いつつ、盛り上げて良い雰囲気の中で練習が出来た」と充実の冬場を過ごしてきた。

■敗れた試合から見えた仲間たちの姿

 そんな延岡工は新チームスタート時、守備と走塁に課題を抱えて秋に向けて調整を続けた。特に守備では声掛けやポジショニングなどの野手間の連携を課題に掲げて練習に打ち込んだ。また走塁でも甲子園に出場するチームのベースランニングを計測して、叩き出した数字を意識して実践練習を中心にしながらチームのレベルアップをはかってきた。

 そして秋は県大会に入ったが、2回戦で都城に0対9で敗れてしまった。だが、主将の甲斐駿之介の中では一番印象深い試合になっている。

 「打席の中での追い込まれてからの粘りや、球際に仲間の諦めない姿勢が見えました。それを見られて良かったと感じています」

■自分たちの野球をぶつけるだけ!

 春以降に躍進するべく、速球であってもジャストミートできるように、オフシーズンでもフリーバッティングを敢行。マシンを140キロ前後に設定して、速いボールへの対応力を磨いてきた。

 加えて1.2キロのバットを使うなどスイングスピードの向上も取り組んできた延岡工を牽引してきたのが眞田湧市だ。
 「声でチームを引っ張ってくれた。ムードメーカー的な存在です」と勢い乗って戦うことを最大の武器としている延岡工の大事な役割を果たしてくれたことを甲斐主将は話す。

 そして今後の春以降は「守備が上手く、内野陣を引っ張ってくれれば士気が上がると思います」とセカンドを守る中島滉陽の台頭に甲斐主将は期待を寄せる。

 そんな甲斐主将に最後に意気込みを語ってもらった。
 「春は4強以上、そして夏は甲子園が目標に、自分たちがやってきたこと、自分たちの野球を出すだけだと思います。バッティング、走塁、守備で秋から練習してきたことを試合でぶつけられればと思います」

[page_break:県内上位の攻撃力を武器に!]

県内上位の攻撃力を武器に!


中島滉陽と黒木霞月

 ここからは中島滉陽選手、眞田湧市選手、そして黒木霞月選手にお話伺います!

Q.秋季大会など、ここまで試合を通じて見つかった課題を教えてください

中島:140キロ近い速球に対して詰まってしまいヒットを打つことができなかったので、春以降は打ち返せるようにしてきました。
眞田:延岡工の野球ができなかったのが課題です。岩崎監督が来てから打ち勝つことをテーマにやってきたので、春以降はできるようにしたいです。
黒木:下半身の力が弱く、コントロールが不安定だったのが課題です

Q.オフシーズンはどこを強化してきましたか。

中島:バッティングです。マシンを140キロにセットして、そのボールに対して強くスイングできるように心がけていました。最初はタイミングが遅くなることが多かったのですが、リリースのタイミングに合わせるようにしてからは打球が飛ぶようになりました。
眞田:自分もバッティングで、リリースに合わせてタイミングを合わせてスイングするようにしました。ただ、打球を飛ばせるようにフォローを大きくしたり、スイングの軌道だったりを大事にして打っていました。
黒木:下半身の強化です。そのために砂浜で100メートルダッシュをする。平日であれば40本、土日だと70本。またグランドでタイヤを使ってトレーニングを重ねたおかげでコントロールは良くなりました。またボールの切れも以前よりも向上することが出来ました。

Q.応援する方々へ自分のここを見て欲しいと言うのを教えてください

中島:春以降も1番に座ると思いますので、1番としてチームを引っ張る姿を見て欲しいです!
眞田:走攻守でチームを引っ張れるようにしたいですし、相手に飲まれずに逆に飲み込めるような声で牽引します!
黒木:コントロールが良くなってきましたので、コースに投げ分けて狙い球を絞らせない投球を見て欲しいです!

Q.このチームの好きなところ、または他のチームに負けていないところはどこですか

中島:ここぞ、の場面でのベンチの盛り上がりや試合への集中力。雰囲気なら負けていないです!
眞田:勢いに乗れば県内でもトップクラスの攻撃力だと思います。
黒木:今年はどんどん長打が出て得点が入るチームですが、そのバッティングは県内でも上位だと思います

Q.これからの意気込みを最後にお願いします

中島:打者としては1番として打線を引っ張り、守備ではセカンドで声を出して後押ししていきたいです!
眞田:チームとしては県大会4強以上。個人としては走攻守、そして声でチームを引っ張ります!
黒木:相手に簡単に捉えられないよう、バックを信じて打たせて取る投球ができればと思います。

 中島選手、眞田選手、黒木選手、ありがとうございました!

[page_break:自信を付けて夏へ!]

自信を付けて夏へ!

 ここからは岩崎監督に話を聞きました!

Q.今年のチームの特色を教えてください

 基本的には前向きで素直な選手が多く、走攻守のバランスは良いです。ですので、バッティングには力を入れていますが、バランスよいチームになるように実践を通じて経験を積ませて成長させてきました。

Q.秋の振り返りとオフシーズンのテーマは何でしょうか

 昨秋は投手陣も崩れましたが、130キロ後半を打てなかったです。ですが、それよりも速いボールを投げる選手はいたので「強くしていこう」と全体で意識して取り組んでいきました。

 実際に1.2キロのバットを使って体幹やスイングする力を付けたりしました。マシンも140、145キロくらいにして、それを通じてボールの見方や判断といった部分など「バッティングではタイミングが大事だ」ということを気づいてもらうようにしました。

Q.選手に話を聞いていると、岩崎監督が来られてからバッティングを強化してきたと聞いております

 2年生が入学してきたときに延岡工に来ましたので、意識付けやスイングの軌道などをすぐに強化していきました。

Q.最後に春以降の意気込みを教えてください

 残りの期間でいろんなチームと対戦して、その中で自分たちの表現の仕方。どのチームが相手でも走攻守で表現できるかが楽しみです。また、試合を通じて選手たちが「やれるんだ」と自信を付けさせて、夏は戦っていきたいと思います。

 岩崎監督、そして延岡工の皆さんありがとうございました!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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