滋賀の高校野球2019を漢字1文字で例えて振り返る!
『連』を連ねた近江
近江
・近江が5季連続の滋賀大会優勝
・近江が県内25連勝を継続中
・秋の近畿大会では県勢が2年連続となる初戦で全滅
こうして見ても近江が県内で頭一つ抜けた存在になっているのがわかる。県内の公式戦で最後に敗れたのは2018年春。決勝戦で比叡山に1対5で敗戦して以来、昨夏から25連勝で5季連続優勝と無類の強さを発揮している。
近江がこれだけ安定した力を発揮した背景には安定した守りが挙げられる。昨年から今年の夏にかけては林優樹と有馬諒のバッテリーがいて、彼らを中心に少ない失点で勝ち上がってきた。
打線も昨年では家田陸翔(大阪商業大)や北村恵吾(中央大)、今年は住谷湧也に土田龍空と中心になる打者がいた。
秋は戦力ダウンが心配されたが、投手は島瀧悠真や本間遥大を中心に5試合で1失点と力を発揮した。
この結果は近江が取りこぼすことなく勝利を収めている一方で、他校が近江に対して勝ち切れていないという現状でもある。県大会では接戦にもつれ込んでも、最終的には押し切られるという試合が多い。
他校は力をつけるのはもちろんのこと、相手を意識せずに戦えるかどうかも重要になりそうだ。
滋賀の勢力図は変わるのか
今秋近畿大会に出場した綾羽
また、秋の近畿大会での初戦全滅が2年続いていることからもわかるように、県外の戦いで苦戦が続いている。
近江以外の高校が県外の公式戦で最後に勝ったのは昨春の甲子園での彦根東。それ以来、近畿大会では今春の近江しか勝利を挙げておらず、県内全体での底上げが必要だ。
その中で今年の1年生大会は滋賀学園が決勝で近江を下して4年ぶりに優勝。今秋は初戦敗退に終わったが、能力のある選手は多く、来年が楽しみだ。
来年も近江の連勝記録、連覇記録が続くのか、それとも他校が待ったをかけるのか。これからの滋賀県の勢力図がどう変わっていくかに注目したい。
(記事・馬場 遼)
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