野球用具を考えよう
グラブ、バット、スパイク…野球は道具がないとできないスポーツだ。道具を上手く使える選手=上手い選手といっても言い過ぎではない。だからこそ人それぞれ強くこだわりがあり、用具選びは慎重になるものです。
それでは野球用具はどんなポイントで選べばよいのか?
最近のメーカーの製品はそれぞれどんな違いがあるのか?
そこで今回、「野球用具のプロ」である野球用品店の方に、最近の野球用具の傾向や野球用具の選び方を聞いてきました。少しでもこれを読んだ皆さんの参考になれば幸いです。
グラブの選び方 〜人気グラブの秘訣〜

―実際店舗では様々なグラブを販売している中、お客様におすすめする際に最も重視するポイントは何ですか?
「使い手と作り手の意図が合うかどうかを重視しています。グラブ個々が持つ型、特徴などこのグラブはどんなこだわりで作られているのかという作り手の意図ももちろん大切ですが、それと同時に使い手がどんなプレイをしたいのかという使い手の意図に注目してグラブを勧めています。」
―逆に、よくお客様が重視しているポイントは何ですか?
「傾向としては、メーカーと色ですね。」
―メーカーと色ということは、ブランドや見た目で選びがちなんですね。
「えぇ、買う前に情報がないと、そのような傾向があります。でも、接客の中でこちらがグラブについての様々な情報を提供すると、「機能」と「形」を重視する様に感じます。」
―機能とありましたが、ずばり、最近の『売れるグラブ』の特徴はなんでしょうか?
「硬式、軟式問わず、即戦力グラブと言われているような、柔らかい革や握り易い機能のついたグラブが売れています。高校生には黄・赤系の明るい色が売れている気がします。」
―即戦力グラブですか!具体的にどのようなグラブなんでしょうか?
「即戦力グラブと言われているのは、『軽量』、『強度』、『柔軟性』、この3つのポイントを持ったグラブのことです。この3つのポイントによって、買ってからすぐに使える様になるものが最近の人気ですよ。」
―なるほど。ただいま『軽量』とありましたが、最近のグラブの一つの傾向ですね。では、プレイヤーにとって軽量化の最大のメリットとは何だと思いますか?
「まず自在に扱える事がなによりもメリットになると思います。ハンドリング(操作性)に優れている点だけでなく、とても早く手に馴染みやすいです。確かに手入れが必要な面もありますが、硬くて重いグラブだと慣れるまで時間がかかることを考えると実質の寿命は変わらないと思いますよ。」
「加えて、疲労軽減ですね。軽さによってプレーにおけるスムースな動きが可能なため、実際に使ってみると快適さを感じるはずです。」
―「あと一歩で!」というのにハンドリングに優れている軽量のグラブは適しているのかもしれませんね。
「野球の質が変わってきています。高校生でもパワーが昔と違います。打球も速いです。だからこそ「軽量化」「強度」を追求するグラブが出てきているのかもしれませんね。」
多種多様のアンダーウェアの選び方
―では次に、アンダーウェアの選び方についてお聞きします。現在各社からアンダーウェアが続々と販売していますが、それぞれのメーカーのポイントを教えて下さい。
「ミズノはタートルネックノースリーブや、コンプレッションタイプのバイオギア、特に七分丈タイプなど種類が豊富ですね。学生に大人気です。SSKは、着心地がよく吸汗性が良い所。価格もお手頃です。」
「アンダーアーマーはやはり着心地抜群。肌触りもさらりとしていて色も鮮やかなコンプレッションウェアです。プロ人気選手が着用しているのもポイントですかね。」
―機能という観点ではいかがでしょうか。
「ローリングスはイチロー選手の認めたミドルフィットアンダーシャツが新発売しました。ストレスフリーのプレーを可能とおすすめします。」
「YONEXは着圧の差による姿勢補助効果・保冷効果を備えたコンプレッションウェアを新導入。正しい姿勢でパフォーマンス力の向上が狙えます。」
「それと最近の注目だとスキンズですね。疲労軽減を研究しているメーカーなので、実際着用した後の疲れが全然違いますよ!」
―素材という観点からは注目しているアンダーウェアはありますか?
「ZETTですね。ルーズシャツには、他社がポリエステル100%を導入する中、唯一肌に優しく安心の綿素材20%を採用しています。ONYONEは吸汗・速乾の面では抜き出ています。通称、着るエアコン!(笑)」
スパイクの選び方

―では、スパイクの選び方についてお聞きします。スパイクを選ぶ上で最も重視するポイントを教えてください。
「なんといってもサイズ!ジャストサイズであることが最重要ポイントです。」
「加えていうと足型、巾広、甲高などの点ですね。」
「うちでも足型を重視です。各メーカーで一番特徴が出やすい部分です。お客様の足型に合っている商品を薦めるようにしています。」
―逆にお客様が重視しているポイントは何だと思いますか?
「メーカーですね。こだわりのメーカーがお客様にもありますので、グラブ同様特徴を説明をしながら履き比べて頂いてます。」「最近の高校生だと・・・軽さと横幅のフィット感がマッチした商品が人気です。」
バットの選び方
―それでは最後に、バットの選び方についてお聞きします。バットを選ぶポイントはなんでしょうか。
「バランスです。」「振り抜いた時の感覚をふまえ、バランスを重視して欲しいです。長さでいうと操作性の良い83㎝、ミドルバランスが人気があります。」「あとは私の現役時代もそうでしたが、憧れの先輩などのバットを真似る選手が多い気がしますね(笑)」
終わりに 〜編集後記〜

今回、座談会を通して感じたのが、道具選びに正解はないという事。色々な考え方があるし色々な商品がある。感じ方も人それぞれだ。しかし一つ言えることは野球の進化と共に道具も確実に進化をしているということ。それはプレイヤーと作り手の双方の「知恵」の集積だろう。
そういう意味で、グラブに関して言えば「軽量化」という全体的なトレンドは現在の野球を示しているのだと思う。
一つの例として、ミズノ社より販売されている「グローバルエリート」などは「軽量化」と「強さ」を両立している。現在のトレンドの最先端だ。
今後、野球がどう変わっていくのか、道具がどう進化していくのか。よく電機メーカーの世界では3年前の非常識は現在の常識というが、野球道具も3年後はどんな流れになっているのか楽しみである。
そういう中、グラブを選ぶ際には(他の野球用具も)もっと自分のプレイスタイル、商品性などをよく考えてみるのもいいと思う。せっかくここまで技術が上がってきているのだから。考えれば考えるほど奥が深いし、納得して自分に本当に合うグラブや道具と出会えるのではないだろうか。
【 今回の企画にご協力して頂いた店舗様 】
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