Column

湯本(福島)「夏は弱くないところを見せて、昨年果たせなかった甲子園出場へ」

2019.06.27

夏に向けて勝負強さをつけていきたい


集合写真

■部活動の盛んな校風

 福島県いわき市に校舎を構える福島県立湯本高等学校。地元では「湯高」の愛称で親しまれており、部活動が非常に盛んな学校だ。
 文化部では、吹奏楽部は第52回、第56回全日本吹奏楽コンクールで金賞受賞を獲得した歴史があり、また運動部では、剣道部が男子団体において平成22・23年度全国高校総体大会に連続出場し、平成22年度には全国高校総体男子個人準優勝も果たしている。

■昨年の第100回選手権福島大会ではベスト4に進出

 野球部は、昨年の第100回選手権福島大会でベスト4に進出したことが記憶に新しい。現在は、3年生10名、2年生12名、1年生25名の計47名で活動しており、昨年果たせなかった甲子園出場、そして日本一の目標に向かって、日々練習に励んでいる。

■新チームは弱いと言われていた

 そんな今年の湯本野球部には、「声の大きさ」、「雰囲気の良さ」、「バッティング」の3つを持ち味がある。
 新チームがスタートした時には、ベスト4に進出した先輩たちが抜けて「弱いチーム」と評されるところからのスタートであったが、それでも秋季福島県大会ではベスト8に進出。チームとして大きな自信をつけることができた。

■この春は野球の怖さを痛感

 秋季大会でベスト8に進出して大きな自信をつけた湯本だったが、この春は反対に大きな悔しさを味わうことになる。
 春季福島県大会のいわき支部予選準決勝で、湯本東日本国際大昌平と対戦。6回まで4対2でリードを許していたが、7回表に4点を奪って一気に逆転に成功する。この勢いで一気に勝てると思われたが、その直後に7回裏に同点に追いつかれて、8回裏に勝ち越しのスクイズも許す。結果は6対7で敗れ、最後まで何が起こるかわからないことを痛感させられた。
 春の敗戦を経験して、主将の江尻翼は「夏に向けて勝負強さをつけていきたい」と話し、強い意気込みを口にする。

■湯本を引っ張る2選手を紹介!

 今年の湯本をここまで牽引してきたのは、エースの古川柚樹と捕手の志賀琉哉だ。
 古川は私学相手にめっぽう強く、練習試合でも実績を積んできた。また、志賀は声の大きさと元気の良さを持ち味にチームを引っ張り、投手陣も支えてきた。夏は攻撃の面でも活躍が期待されており、この二人の活躍がチームの浮沈を握っていると言えるだろう。

[page_break:今までにない「夏」、記憶に残る「夏」にしたい]

今までにない「夏」、記憶に残る「夏」にしたい


ティーバッティングで打撃強化

 ここからは副主将の鈴木彗斗選手と同じく副主将の鈴木大介選手に話を伺いました!

Q.夏へ向けて見つかった課題を教えてください

鈴木彗斗:試合での雰囲気が良い時と悪い時の波があるので、そこを夏の本番までに払拭したい。
鈴木大介:投手陣の制球力やフィールディングの強化。また出塁を増やしてチャンスを多く作り、1点でも多く点を取ることです。

Q.ここまで振り返って、高校野球で一番の思い出を教えてください

鈴木彗斗:春季大会の東日本国際大昌平との試合です。今まで先制点を取られたり、逆転し返すこともなかったのでこの試合を選びました。
鈴木大介:昨年の夏の大会です。自分はベンチに入り、3度先発のマウンドを任せていただき、夏の緊張感や怖さを味わうことが出来ました。

Q.応援する方々へ自分のここを見てほしい、というアピールポイントを教えてください!

鈴木彗斗:湯本高校ならではの、のびのびとした活気ある野球を見て欲しいです!
鈴木大介:左右問わず、低めのストレートを見てください!

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

鈴木彗斗:学年を問わず、全学年が仲が良く、コミュニケーション能力に優れているところです。
鈴木大介:好きなところは試合中のベンチの雰囲気が良いところで、他のチームに負けてないところは声です。

Q.この夏に向けた熱い意気込みをお願いします!

鈴木彗斗:私たちの代では、監督さんに毎回「弱いチーム」だと言われてきました。今年の夏は、弱くないところを見せたいです!
鈴木大介:すべてを出し切り、悔いの残らない夏にします。

 鈴木彗斗選手と鈴木大介選手、ありがとうございました!

一球に、球際に執着心を持って

 ここから湯本高校の郷家邦博監督に話を伺いました。

Q. 今年のチームは結成時から夏に向けてどんなチームを目指しましたか

 攻撃力を重視(1試合7点以上取る)したチーム作りを心がけてきたあので、夏に完成させたいと思います。
 このチームの強みは、ノーサインでもゲームを作れるところです。自全独立をモットーに、自らの判断、決断を信じ、自主的にプレーを選択して実行できるようになりつつあると思います。

Q. 最後の夏に燃える3年生や部員たち皆様へのメッセージをお願いします

 日本で一番熱くて長い夏に出来るように、自らと仲間を信じて、最後の瞬間まで戦い抜こう。

 郷家監督、そして湯本高校のみなさんありがとうございました!

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今年も大好評!
【僕らの熱い夏 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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