Column

四国アイランドリーグplus「2018の注目株」

2018.05.22

 2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し12年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に日々四国内外を飛び回る寺下 友徳氏の新連載コラム「四国発」がスタート!毎週1回を基本に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えしていきます。
 第5回の題材は2005年に誕生した独立リーグ「四国アイランドリーグplus」について。前期シーズン佳境を迎えつつある2018年シーズンのここまでと、秋のドラフト指名を視野に入れる注目株たちを紹介していきます。

「ダブル150キロ右サイド」の香川&高知「三本の矢」

四国アイランドリーグplus「2018の注目株」 | 高校野球ドットコム
3・4月グラゼニ月間MVP受賞・5月18日現在最多勝・最多奪三振の最速150キロ右腕・(高島)秀伍(投手・香川オリーブガイナーズ)

 これまでの4回で学童、中学、高校、大学の野球を紹介してきた「四国発」ですが、実は四国地区にはもう1つの野球カテゴリーが存在します。それは2005年に産声を上げてから14シーズン目。現在では日本独立リーグのパイオニアとして広く認知されるようになった「四国アイランドリーグplus」です。

 ドラフト指名で進んだNPBの現役生だけをあげてもご存知・角中 勝也外野手(高知ファイティングドッグス~千葉ロッテマリーンズ)を筆頭に、今季完全に二塁手レギュラーを確保した亀澤 京平(香川オリーブガイナーズ~福岡ソフトバンクホークス~中日ドラゴンズ)。さらに今季新入団ですでに8試合に登板している伊藤 翔(徳島インディゴソックス~埼玉西武ライオンズ)や、今季から四国アイランドリーグplus出身者初のNPB指導者となるファームバッテリーコーチ補佐兼育成担当に就任した靍岡 賢二郎(愛媛マンダリンパイレーツ~横浜DeNAベイスターズ)など、多士済々の人材を輩出してきました。

 では、2018年の四国アイランドリーグplusにはどんな注目株が潜んでいるのでしょうか?

 まずは5月20日現在・首位の香川オリーブガイナーズでは、「大きなスライダーが今季使えるようになって、小さなスライダーが活きるようになった」と最多勝・最多奪三振を視野に入れる秀伍(本名:高島 秀伍桐蔭学園高~東洋大<外野手>~セガサミー<外野手>・2年目・26歳・右投右打・185センチ82キロ)と、「右打者にもツーシームを使えるようになった」リリーフエース・原田 宥希大体大浪商高~滋賀・高島ベースボールクラブ・4年目・23歳・右投右打・180センチ80キロ)の「ダブル150キロ右サイド」が絶大なる存在感を発揮。

 一方、香川オリーブガイナーズを2ゲーム差で追う高知ファイティングドッグスにも、JABA四国大会では社会人野球の盟主・トヨタ自動車を5回1安打(3失点)に抑えた右サイド・加藤 佳樹名取北高~東北学院大~TFJクラブ・2年目・23歳・右投右打・186センチ92キロ)、最速147キロ右腕の岡部 峻太中津東高校~BANベースボールクラブ・3年目・21歳・右投右打・174センチ74キロ)、「ストレートは130キロなのに、どーして打てないの!」右サイドの丸山 雄大横芝敬愛高~敬愛大~市川市農業協同組合<軟式>~茨城ゴールデンゴールズ・3年目・26歳・右投左打・172センチ68キロ)の「三本の矢」が控えます。

 両チームの残る直接対決は、5月22日(火)・6月1日(金)に[stadium]高知市営球場[/stadium]で開催。前期優勝争いと同時に、彼らのパフォーマンスにも注目です。

[page_break: 四国アイランドリーグplusは「個人闘争の場」]
四国アイランドリーグplus「2018の注目株」 | 高校野球ドットコム
デビュー戦でリーグ初安打&初打点をマークし、NPB入りに向けて走り出した谷田 成吾(野手・徳島インディゴソックス)

四国アイランドリーグplusは「個人闘争の場」

 この2チームに対し、前期シーズンは苦しい戦いが続く愛媛マンダリンパイレーツと徳島インディゴソックスですが、四国アイランドリーグplusの選手たちにとって、ドラフト指名を勝ち取るためにはチーム成績に引きずられているわけにはいきません。「個人闘争の場」としての戦いは日々続いていきます。

 現在12連敗中の愛媛マンダリンパイレーツは、開幕戦では巨人3軍を3安打完封した最速147キロ右腕・久保 潤也(市立尼崎高~大阪体育大・1年目・右投右打・180センチ88キロ)らの奮起。徳島インディゴソックスは最速152キロ右腕・鎌田 光津希横芝敬愛高~敬愛大・1年目・22歳・右投右打・180センチ87キロ)ら投手陣に加え、5月3日のデビュー以来、特に打撃面で「雰囲気を持っている」と元・西武ライオンズ投手の石井 貴監督をも感嘆させる谷田 成吾(外野手・慶應義塾高~慶應義塾大~JX-ENEOS・1年目・24歳・右投左打・183センチ89キロ)のさらなるアップギアにも期待がかかります。

 なお、リーグ中断期間の6月28日(木)から3日間はこれらの選手が参加することが見込まれる四国アイランドリーグplus選抜チームが関東遠征を予定。北海道日本ハムファイターズ2軍と1試合、千葉ロッテマリーンズ2軍と2試合、計3試合を通じ個人闘争の成果をアピールすることになります。普段、四国アイランドリーグplusのゲームを見られない関東周辺の皆さんも、ぜひ一度、彼らの「懸命」を見ていただければと思います。

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.17

昨秋は仙台育英に勝利も県4強止まり「サイン以上のことをやる野球」を極め甲子園目指す【野球部訪問・東陵編①】

2024.04.17

「慶應のやり方がいいとかじゃなく、野球界の今までの常識を疑ってかかってほしい」——元慶應高監督・上田誠さん【新連載『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.1】

2024.04.17

【茨城】土浦日大と明秀日立が同ブロックに!選抜出場の常総学院は勝田工と対戦!<春季県大会組み合わせ>

2024.04.17

根尾 昂、一軍昇格へ準備着々! 盤石・中日投手陣に割って入れるか?

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.12

【九州】エナジックは明豊と、春日は佐賀北と対戦<春季地区大会組み合わせ>

2024.04.12

【東京】ベスト8をかけ激突!関東一、帝京、早稲田実業などが登場<春季都大会>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード