Column

宿毛高等学校(高知)

2018.03.03


シートノックに臨む宿毛(高知)

部員9人ながら粘り強い野球で県大会ベスト8入り!

■今年で創立110周年を迎えるキリスト教系私学
 高知県宿毛市にある県立宿毛高等学校。昭和24年に創立され、2014年11月に創立70周年記念式典が行われ、町が誇る伝統校である。過去にプロ野球選手2人輩出しており、明徳義塾のエースとして甲子園に出場した松下建太投手(元西武)の父である松下建夫氏(元広島)、中継ぎを中心に51試合に登板した東和政氏(元西武)がいる。また、元関脇の豊ノ島関も、同校のOBである。

■宿毛野球部の紹介

 現在2年生6名、1年生3名の計9名が在籍。9人と1人でも欠けたら公式戦に出られないので、体のケア・体調管理を例年以上をさせて取り組んできた。普段、取り組んでいる練習の中で最もきついのは、ホームベースからグラウンドを大回りする「大ホームラン」というメニューだ。このメニューによって選手たちの体力を鍛えている。

■チームがスタートしてからの思い出深いエピソードは?

 9人で戦う宿毛。最も印象に残っている試合として、井上拓海副主将は県大会2回戦の岡豊戦を挙げた。試合は延長10回に及ぶ攻防となり、サヨナラ勝ちを決めた。井上副主将は「全員で守り、勝ち取った試合で嬉しかったです」と笑顔を見せる。準々決勝まで戦い抜いた県大会を通して、「周りの人たちのお応援を肌で感じるようになりました」と振り返った。

■新チームを引っ張ってきた選手は?
 そんな宿毛の中心選手は攻守の中心的存在で主将を務める和田倫太郎選手、左腕から130キロ前後の速球を投げ込む谷脇 優哉選手、広角に長打を打てる町田 大空選手、走攻守のバランスがとれ、打率はチーム一の吉岡 海吏選手がいる。春、夏へ向けてのキーマンとして、井上選手は大野 洋平選手、河野 俊佑選手の2名を挙げた。

■この冬の意気込み!
 この冬は体力強化と故障防止のため、ランニングフォームの修正に取り組んできた。早朝練習では 陸上部と一緒に練習をして、ランニング等を指導してもらった。
 チームの目標は夏の高知大会4強以上。このオフで井上副主将は「最後の冬なので悔いのないように、夏につながるように、自分をしっかり追い込んできました」と冬の取り組みを振り返った。

 この春の県大会から「観ている人を感動させる試合」ができるよう、全力で臨んでいく。

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[page_break:チームにかかせないエースと主将が語る意気込み]

チームにかかせないエースと主将が語る意気込み


左から和田倫太朗選手(宿毛)

 ここからは、宿毛和田倫太朗主将、谷脇裕哉投手に話を伺いました!

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

和田:得点圏に走者を置いてからの攻撃力が少し足りなかったです。先に点を取っても、後半に守備の乱れなどから勝ちきる野球ができていないのが反省点でした。
谷脇:秋季大会では、コントロールが定まらずに負けてしまったので、制球力を上げることがこの冬の第一の課題です。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください

和田:このチームの課題は「走り方」を変えることです。9人しかいないので、一人でもけがをしたら試合に出ることができない。走り方を変えて、走力を上げることはもちろん、怪我をしない体を作りたいです。
谷脇:この冬は、3つのテーマでやってきました。下半身の強化、制球力アップ、球速を上げることを目標にやっています。

Q. 応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

和田:主将はどんな時も、冷静に試合の流れをつかみ自分たちのペースで試合を運ぶことが大切だと思っています。初心を忘れずに、気合いと声でチームを引っ張っていくところを見てほしいです。
谷脇:ピンチでも動じずに淡々と投げる姿を見てほしいです。

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

和田:強い相手にも動じずに自分たちのプレーができることです。チームはピンチでも明るいので楽しく野球をする。そこはどのチームにも負けていないと思います。
人数が少ない分チームが一つになりやすく、うまくチームが嚙み合えばどのチームにも負けない試合ができると思います。
谷脇:チームワークが良いこと。ピンチになっても声が絶えないことです。

Q. このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

和田:この冬は怪我をしない強い体を作ることを目標にやってきました。そして体重を増やして、パワーアップを図り、長打も打てる打者になりたいです!
谷脇:常時130キロを超えるストレートを投げられるようにします。そしてまず、春季大会で優勝を目指して頑張ります。

和田選手、谷脇選手、ありがとうございました!

[page_break:自分のために追い込んだトレーニングができるか?]

自分のために追い込んだトレーニングができるか?


エースの谷脇優哉選手(宿毛)

 ここからは泥谷 耕二監督(ひじや)にお話を伺います!

Q.今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 
 新チーム結成時の第一の目標は「秋季大会ベスト8」。二つ目の目標は「体調管理」。この二つの目標を掲げて部員9名でスタートしました。
怪我・病気が許されないということで、体のケア・体調管理をいつも以上に意識させた。その結果か、夏休みにダウン(練習を休むこと)した生徒は1名1回のみでした。9月・10月の練習試合も何とか予定通り消化することができました。

 日常の練習においては選手それぞれが短期の目標・秋季大会までの目標を作り、常に意識し、クリアしていくことを徹底し、レベルアップを図ってきました。

Q.最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 冬季トレーニングの目標は、以下の2つです。 
1.ランニングフォームの修正
2.体力強化

選手一人ひとりの体力には個人差があります。全員が同じ練習メニューをこなすためにはどうしても軽い練習メニューになってしまう。強度・負荷の強い練習をみんながこなそうとすると、弱い選手が必ず故障する。

 いつも言っていることではありますが、、与えられた練習メニューを漠然と消化するのではなく、自分に厳しく、徹底的に追い込んで体力アップを目指してほしいです。
           

泥谷監督、そして宿毛高校野球部の皆様ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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