骨の形成に大切なビタミンDについて知ろう!
前回は、「ミネラル(鉄分)の重要性」について説明をしました。今回はビタミン!その中でも私が特に重要視している「ビタミンD」について解説していきます。
なぜ、ビタミンDが重要なのか?
ビタミンは(ビタミンD)ミネラルと同様に微量栄養素と呼ばれ、人の成長に欠かせない栄養素です。体の中に蓄積しにくく、体の外に出て行きやすいので、食事だけでは必要量摂取するのは難しいです。
ビタミンDはカルシウムとリンの吸収を促し、骨や歯の成長に関与します。血中のカルシウム濃度を一定に保ち、乳幼児期の骨の形成に必要なビタミンです。日光浴により、体内でも合成されます。特に成長期のジュニアアスリートや運動量の多いアスリートはビタミンの消費が激しいので積極的に摂取する必要があります。
ビタミンDは体内に入ると腸管(小腸上部)から吸収されます。その後、肝臓や腎臓で活性型となり働くことが出来ます。
ビタミンDの働きは大きく分けて以下の2つです。
1.腸管からのカルシウム吸収
カルシウムは摂取されたのちに小腸上部で吸収されますが、この際に吸収をスムーズにする働きがあります。
2.骨形成
カルシウムは99%が骨や歯に、残りの1%は血液や筋肉などに存在します。
そのほとんどは骨や歯に存在しているのですが、少しでもバランスが崩れると、血液と骨との間でカルシウムを行き来させて常に良いバランスを保つことが出来るような仕組みになっています。ビタミンDはカルシウムを骨へ沈着させる働きがあります。これによって丈夫な骨作りに役立つのです。
私たちの皮膚は紫外線にあたることでビタミンDを合成します。そのため、極度の紫外線を避ける方は不足気味になります。その他に、環境が原因で紫外線を浴びる機会が少ない人もビタミンDの合成が不十分になりがちです。
たとえば、日照時間の少ない地域に住んでいることが挙げられます。 日照時間が十分であっても、夏と冬では太陽の出ている時間帯が違いますので、夏より冬の方が必然的に紫外線を浴びる機会は少なくなります。多くは皮膚が紫外線にあたることでビタミンDを得ることが出来ますが、食事からもビタミンDを摂取することは可能です。特に紫外線を避けて生活している人は食事がビタミンDの貴重な給源となっています。図1と図2に書いてあるように緯度の問題で日本人の約半分が不足傾向にあります。
ビタミンDはきのこ類や魚類に多く含まれていますので、バランスの良い食事を心がけましょう。ビタミンDは大きく分けてビタミンD2とD3に分けられます。ビタミンD2は植物性の食品に含まれます。供給源として代表的な食品はしいたけや、しめじなどのきのこ類です。きのこ類は、太陽の光を吸収させた干し椎茸が有効です。ビタミンD3は動物性の食品に多く含まれます。供給源として代表的な食品は肝油、レバー、いわし、かつお、さんま、ぶり、鮭などの魚類や卵黄が挙げられます。
ビタミンDは、上記に挙げた以外にもアスリートにとって大事な働きをしてくれます。図3参照。
骨や筋肉へのアプローチ以外にもアレルギーの改善や感染症の予防をしてくれます。冬や春先。センバツ甲子園の時期には特に活躍してくれる栄養素ですね!
文=久保 翔平 (カラダツクル株式会社代表取締役)