Column

日本一への道半ば、勇退の名将たちの「最後の表情」

2017.08.17

日本一への道半ば、勇退の名将たちの「最後の表情」

日本一への道半ば、勇退の名将たちの「最後の表情」 | 高校野球ドットコム

鍛治舎巧監督(秀岳館)

 2017年の夏の甲子園。夢の舞台を後にして、自身の野球人生に一つ区切りをつけることになったのは、涙を飲んだ選手たちだけではない。今大会をもって勇退を表明していた、秀岳館鍛治舎 巧監督、日本文理大井 道夫監督。8月17日に両校は姿を消し、二人の名将が、ユニフォームを脱ぐことになった。

 長年高校野球の解説者を務め、大阪の強豪少年野球チーム「枚方ボーイズ」を率いてきた鍛治舎氏は、2014年4月に秀岳館の監督に就任。独自の育成メソッドを武器に、就任2年目となる2015年には秋季九州大会で優勝、2016年春の選抜大会でチームをベスト4に導くと、その後2016年夏2017年春と、すべて甲子園ベスト4に名を連ねる強豪校にチームを急成長させた。

 そして監督として自身2度目となった2017年夏の舞台。初戦から好カードで注目された、横浜との一戦を6対4で制した。しかし迎えた2回戦はこちらも強豪校、広陵。拮抗した試合展開を演出するも、終盤に突き放され敗退。日本一への道半ばにして、鍛治舎監督が率いる秀岳館は姿を消すこととなった。

日本一への道半ば、勇退の名将たちの「最後の表情」 | 高校野球ドットコム

大井道夫監督(日本文理)

 一方、日本文理の大井監督はチームを率いて32年。その長い監督生活の中で、春は5回、夏は9回もチームを聖地へと導いた名将。2009年には高校野球ファンのみならず、全国を熱狂させたあの名勝負、決勝の中京大中京戦での驚異の追い上げ。その時にチームを導いたのもこの人だった。

 今年で75歳という年齢ながら、最後の夏の舞台へ。初戦で鳴門渦潮を下し、2回戦は仙台育英との戦いに。試合は緊迫した接戦となり、虎の子の1点を守られ、1対0で敗れた。

 短期間でチームを急成長させた鍛治舎監督、一方長年チームを導いてきた大井監督。それぞれ異なる監督人生を歩んできた二人の名将が、最後の甲子園の戦いを終えた。「選手は頑張った。甲子園は夢のような時間だった」という鍛治舎監督。「甲子園に連れてきてもらって、いいゲームで終われて幸せだった」と大井監督。そう語る彼らの表情は、晴れ晴れとしたような、清々しい表情だった。

日本一への道半ば、勇退の名将たちの「最後の表情」 | 高校野球ドットコム
注目記事
今年も全国各校の熱い想いを紹介!「僕らの熱い夏2017」

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.27

【福岡】飯塚、鞍手、北筑などがベスト16入り<春季大会の結果>

2024.03.27

青森山田がミラクルサヨナラ劇で初8強、広陵・髙尾が力尽きる

2024.03.27

【神奈川】慶應義塾、横浜、星槎国際湘南、東海大相模などが勝利<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.27

中央学院が2戦連続2ケタ安打でセンバツ初8強、宇治山田商の反撃届かず

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】