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3年生座談会 県立菊池高校(熊本)「熊本工業を破った、夏の大会。そして得たもの…」【後編】

2018.04.09

【前編】3年生座談会 県立菊池高校(熊本)「新監督と共に再スタートをした菊池高校」【前編】

 チームの躍進は、どのような環境で生まれたのか。7人の3年生選手に対談してもらった。

【座談会参加メンバー】
芹川 遼汰(前主将) ショート ・ 宮本 辰生 ピッチャー
河津 颯太郎 キャッチャー ・ 後藤 遼太郎 セカンド
中尾 裕大 センター ・ 依田 拓己 ライト
坂本 大輔 ライト

選手の成長とマネージャーへの感謝

3年生座談会 県立菊池高校(熊本)「熊本工業を破った、夏の大会。そして得たもの...」【後編】 | 高校野球ドットコム
宮本 辰生投手

――宮本投手は、このNHK旗から本格的に投手に専念しました。球はあまり速くないのに、緩急を使ったピッチングで強豪を封じ込めた姿が印象的でした。

宮本:ストレートはMAXで127kmですが、だいたい120km弱です。100kmちょっとのチェンジアップとシンカーを織り交ぜ、緩急とコントロールで勝負です。

河津::キャッチャーとして、本当に信頼していました。しっかり試合を作ってくれる、チームの中心選手です。

――チームがうまく周る要因として、マネージャーの頑張りもあったと伺いました。

中尾:はい。マネージャーたちが頑張ってくれたので、自分も野球に対して頑張れました。刺激を貰いました。

坂本:冬のランニングを支えてくれたのが思い出です。本当に感謝です。

芹川::洗濯をたくさんしてくれました。トレーニングのきつい時に声もかけてくれました。

後藤::普通の女子高生なら遊びたいと思うのに、チームのために帰りも遅くて休みもないなか動いてくれました。みんなにお菓子を作ってくれたり、本当にいいマネージャーさんたちでした。野球の勉強も一生懸命していたので、本当に凄いです。

[page_break:熊本工業を破った、夏の大会]

熊本工業を破った、夏の大会

――夏の大会について伺います。1回戦で天草高校に4対1で勝利。2回戦で迎えた私学の熊本学園大付属高校戦は9回まで0対1で負けていたものの土壇場で追いつくと、延長10回に勝ち越して辛勝でした。

芹川::9回は、さすがに負けるかもと思いました。そもそも1回戦も勝ちましたが、もう少し楽な展開でいけると思っていたんです。

中尾:みんな初めての夏の大会なので、アガっていたんだと思います。

河津::監督からも、試合中に「お前らアガりすぎだぞ!」と言われました。ミスを怖がっていたんだと思います。なんとか勝てたから良かったです。

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座談会参加に参加してくれた3年生

――そして迎えた3回戦で、のちに広島東洋カープにドラフト2位指名される山口 翔投手を擁する熊本工高校と当たりました。

芹川::強豪校、そして有名な投手と対戦できる喜びはありました…が、先発は山口君じゃなかった(笑)

後藤::相手からナメられているのかな、と思いました。悔しかったですね。

依田:バッティングマシンも速くして対策したのに。なんとか見返してやりたかったです。

――試合は、一回裏に菊池が2点を先制しました。五回表に熊本工が1点を返しますが、その他の回はゼロが並びます。

宮本:僕の調子が良かった。変化球が面白いようにコースへ決まるんです。大舞台の試合だけど、本当に楽しかった。

坂本:僕はサードコーチとして試合を見ていましたが、あの試合はそれまでの2試合と違ってみんな落ち着いていました。

――そして七回裏に菊池がランナーを溜めると、ついに山口投手が出てきました。調子の上がらない山口投手から、さらに2点を追加します。

芹川::カウント2ボールから出てきて、結果、四球でした。でも、149km出ていた。本当に速かった(笑)凄すぎます。

――試合は八回表に熊本工が2点を返しますが、4対3で逃げ切りました。

芹川::本当に自信になりました。試合後、監督が笑顔だったのが印象的でした。

宮本熊本工の迫力ある応援が凄かった。[stadium]甲子園[/stadium]にいるような雰囲気でした。試合自体が、夢のような時間でした。ただ、次の試合に負けてしまったのが残念。勝って秀岳館と当たりたかったです。

[page_break:3年間の部活動を振り返る]

3年間の部活動を振り返る

――では、最後に。3年間の部活を振り返っていかがでしたか?

後藤::対外試合禁止の時期に励ましあい、そこから逆境を跳ね返して仲間たちと頑張ってきた。最高の思い出です。離れたくない思いがあります。

芹川::高校野球は、仲間の大切さを教わりました。野球の技術やメンタルだけでなく、私生活の面でも成長させてくれました。最高の仲間に出会えました。

坂本:自分は3年の春までベンチ入りできませんでした。悔しくて、実は素直に応援できない時期もあったんです。最後にベースコーチとしてグラウンドに立てたのは本当にうれしかった。夏の大会は、みんながベスト8に連れていってくれました。頼もしい仲間たちです。

中尾:監督の指導を受けて、野球の面白さを勉強できました。きついこと、つらいことを乗り越える力がつきました。充実した3年間でした。

依田:人間的に成長できました。最高の仲間と野球ができて幸せでした。

宮本:笑いあえる仲間たちと出会えた。宝です。逆境に立ち向かえる力が付いたと思います。

河津::何に対しても、しっかりやりぬくことができるようになりました。高校野球が、自分を変えてくれました。

――本日は、ありがとうございました。

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座談会参加に参加してくれた3年生

(取材・いとうりょう

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【僕らの熱い夏2017 特設ページ】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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