Column

3年生座談会 星野高等学校(埼玉)「創部史上初のベスト8 星野ナインの成長の軌跡」【後編】

2017.11.06

 今年の甲子園は花咲徳栄が埼玉県勢として初の甲子園優勝を成し遂げた。その埼玉大会も非常にレベルが高いものとなった。埼玉大会を振り返るにあたって、印象深いのが、浦和学院星野の一戦だろう。秋に浦和学院にコールド負けした星野ナインが、夏には延長12回まで及ぶ試合を演じた。この成長の裏には何があったのか。7人の中心選手に語ってもらった。

湯澤卓己 最速141キロのストレートは切れ味十分。スライダー、チェンジアップの切れ味も素晴らしい左腕。強豪大学進学予定。
清水正人 主に代打として、勝負強い打撃を見せる
風間啓汰 1番打者としてチャンスメイクに徹した
飯野優太 飯野勝監督の息子。クリーンナップに座り、投手としても活躍を見せる。
星野匡哉 主将。2番打者として上位打線につなぐ役割に徹した。
桜井駿樹 4番打者。夏でも2本塁打を放ち、スラッガーとして活躍。
佐々木マネージャー プレイングマネージャーとしてチームをささえた。

苦戦を制し、一気に波に乗った

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桜井駿樹(星野)

――3回戦の大宮戦では、桜井君、清水君、風間君(ランニング本塁打)がホームランを打ちます!そして飯野君も投げます。

櫻井:詰まっていたんですけど、今までそういう当たりは春先はフェンス前で失速していたんですけど、入ったので気持ちよかったですね。

飯野:とにかくストライクを入れることを考えて投げました。

――4回戦の県立川越戦では、14対8の打撃戦。櫻井君が2本目。しかも場外!

櫻井:打った瞬間でしたね。完璧な当たりでした!勝ち越しの本塁打だったのでうれしかったですね。

――4回戦を勝ち上がっていよいよ浦和学院と再戦です。

湯沢:浦和学院と同じブロックに入って、リベンジということ一戦必勝を目標でしたので、ここまでくればやるという気持ちでした。

星野:やはり秋にコールドに負けていたので次は負けないというのがみんなの気持ちでしたので、流れでよい試合ができるじゃないかなと思い、楽しみにしていました。

佐々木:チームの雰囲気が良く、夏前から負ける感じがしなくて、これまでの勝ち上がりを見て、何か勝てる感じはしました。

――浦和学院戦。先頭の風間君がヒットを打ちます。

風間:初球から打とうと思っていて、打ったのはストレートでしたね。

――そして飯野君へライトへのツーベース。

飯野:ワンストライクスリーボールからで、ストレートを打ち返すことができました。

――さらに櫻井君もツーベース!調子よかったんですか。

櫻井:調子はだんだん上がっていたので、打つことができました!

[page_break:途中まで勝てると思った浦和学院戦]

途中まで勝てると思った浦和学院戦

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飯野優太(星野)

――湯沢君の立ち上がりはどうでしたか?

湯沢:立ち上がりは良い方でしたね。ボールの走り、内容は自分の調子が良いときの内容でした。この試合はスライダーとチェンジアップを軸に投球を組み立てて、ストレートもよかったのでしっかりと投げることができましたね。

――2回表、飯野君がタイムリー。チームのムードは良かったんですか?

星野:先制したことによって、押せ押せのムードだったんですよね。

――こうして序盤で点をとっていきましたが、湯沢君は昨秋のピッチングと比べるとどうですか。

湯沢:昨秋は名前負けしたところがありましたけど、この夏はそれがなかったです。自分でも変わったといえると思います。

――6回に1点を取られ、いきなり山本君に三塁打。そして秋山君に犠飛を打たれ同点となりました。

湯沢:山本君には高めのストレートですね。「あっ!」と思いました。犠飛もあっさり打たれましたね。なぜか秋山君がちきしょーといっているんですよね。打ち損じたと思ったんですけど、結構打球が伸びていました。

――浦和学院佐野涼弥君がなかなか打てなかった感じですね。

星野:決め球である縦スライダーが、秋よりもストレートに近い軌道になっていて、なかなか打てなかったですね。

――12回裏、サヨナラ打を浴びてしまいます。

湯沢:あれもあっさり終わってしまい、「あぁ~」って感じでしたね(笑) 

星野:本当にあっさりだったよね。

櫻井:気づいたら負けていた感じでしたね。

――浦和学院、相手にここまでの戦いができたことについてどうでしたか?

星野:よくをいえば、勝ちたかったところはありますけど、良い試合ができたことは自分にとって自慢できる試合ができたといえます。

櫻井:9回表、ベンチもスタンドも、勝てたと思った部分があると思うので、次の代、9回裏まで気持ちをもって、さらに追加点を取れるチームになってほしいとおもいます。

飯野:自分は4安打と、打てたと思うので、思い残すはないです。

清水:夏、途中から出ることが多く、代打で得点を挙げるなど、良い場面で出場してもらえたことは、感謝していて、この浦和学院戦が今後の人生の糧になる試合だといえるような試合にしたいです。

櫻井:打撃面は良い終わりでいえるか分からないですけど、今後に生かせればと思っています。

風間:やっぱり浦和学院には勝ちたかったですけど、でも楽しい試合ができて食いはなかったので、

湯沢:3点先制 守り切れなかったんですけど、悔しい 延長12回までよい勝負できたことは、成長できた証だといえます。

佐々木:自分はプレイングマネージャーとして携わってきて、夏になってきて、負ける気がしなかった。みんな試合終わった後、泣いていなかったんですけど、僕は帰りのバスの中で、いろいろなことがフラッシュバックして、僕だけ号泣していたんですよね(笑)

[page_break:ベンチ外の仲間と一緒に戦えたことが一番の思い出]

ベンチ外の仲間と一緒に戦えたことが一番の思い出

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風間啓汰(星野)

――星野高校の3年間の思い出を語っていただければ、

星野:創立史上初ベスト8に入って歴史に名を残すことができましたし、良い仲間に恵まれたと思います。

清水:いろいろな方に支えられて、ここまでこれたと思います。またメンバー外になった選手が、道具を渡して、「これで頑張ってくれ」といってくれるんですけど、一緒に戦っている気分になります。応援している選手たちの分まで頑張りたい。それが思い出です。

櫻井:自分も、ベンチ外の選手からバットを借りて、夏の2本塁打は借りたバットで、打ったんです。ホームラン打てたこともうれしいんですけど、仲間のために打てたのはうれしかったですね。

星野:自分も守備用の手袋をもらってプレーしていて、仲間のために頑張りました。

――今後、皆さんは続けるのですか?

櫻井:大学で続けます。

飯野:僕も大学で続けます。投手、野手、どちらもできるようにしたいです。

星野:僕は高校野球で終えます。進学します。

佐々木:僕も大学にいきます。理学療法士と、義足の技師になりたい夢があります。

清水:僕も硬式は終わりです。でも、何等かの形で野球にかかわることができればと思っています。

風間:僕も硬式で終わりです。クラブチームとかで野球ができればと思ってます。

湯沢:僕は大学で続けます!

星野:湯沢こそ、続けてほしいですね。湯沢が頑張ってくれたからこそ、ここまでこれたので。湯沢が調子よいときは、1点で十分な投手です。

櫻井:調子が良いとき、ストレートの切れも素晴らしいですし、チェンジアップがすごいですし、バットになかなか当たらないです。控えめですけど、頑張ってほしいです。

――みなさん期待の湯沢君。投手をはじめたとき、あまり好きではないといっていましたが、今はどうなんですか?

湯沢:やっていくうちに好きになりました。大学でも続けますが、まだ全部中途半端なので、すべて伸ばしていきたいですね。

(構成/河嶋 宗一

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【僕らの熱い夏2017 特設ページ】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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