Column

3年生座談会 都立総合工科高等学校(東京)「土壇場の逆転劇を魅せてついにベスト16へ」【Vol.2】

2017.12.07

 この夏の西東京大会は高校通算111本塁打の清宮幸太郎のラストサマーが注目を集める中、都立高校が私学の強豪校に挑む姿は大きな感動を呼んだ。この大会で大きな印象を残したのが都立総合工科だろう。有馬信夫監督が「いつも弱い弱いといいますけど、今年は最弱」というチームが、いかに日大三に競り合いを演じるチームになったのだろうか。今回は中心選手たちに話を聞いた。第2回は、相次ぐ逆転劇で勝ち進む4回戦までの様子。その時の試合で感じていたことを語ってもらいます。

<メンバー>
小島巧:捕手として、主将としてチームをまとめた
大河内輝也:日大三戦で先発した右サイドハンド、シンカーがウリ
棚橋明博:逆方向への流し打ちを得意とする右打者
石川幸之介:チーム一の長打力を持ち、主砲として活躍
大場朋:左のエースとして活躍
小野里剛:バットコントロールの良さはチーム一の左打者

強豪・聖パウロに屈せず、先制攻撃で初戦突破

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大場朋投手(都立総合工科)

――まず聖パウロ学園戦を振り返ると、スタメンに抜擢された棚橋君が先制タイムリーを打ってます!あの場面を振り返ってください。

棚橋:2球目で、外目の直球でした。1球目見逃したとき、相手投手のボールを見ていけるなと思いました。ヒット打ったことで、幸先良いなと思いましたね。

――さすがですね!今年の都立総合工科打線はどんな打線なのですか?

小島:いやでも、良い流れでいくと、チーム全体で盛り上がるので、うちは上位、下位からでも点を奪える打線なので、下位から点を取れると、上位にもつながるので、盛り上がります。

――この試合、小島君が話す通り、打線乗ってきましたね。

小島:乗ってきましたね。棚橋については、夏の大会の直前から、レギュラーで使われて、結果を残してベンチ入りしたんですよね。

――では棚橋君の売りは?

棚橋:逆方向へのバッティングですね。有馬先生に、引っ張らずに全部流せといわれて、流し打ちが得意になりました。

――試合に戻ると先制してから小野里君も2点タイムリーを打ってますね。

小野里:詰まったんですけど、詰まったからこそセンター前ヒットに落ちてくれたんですよね。

――そして石川君も4回表、犠飛打ってます。

石川:でもこの試合で、あまり打てなかったのは心残りです。

小島:いや石川があの場面で打点を挙げることができたのは、その後の展開を考えると、良かったと思います。

――聖パウロ学園打線は強力なイメージがあるんですが、登板した大場君はどんな投球をしようと思ったのですか?

大場:ボール球でうまく勝負できればと思いました。

小島:厳しいコースをつく。ゴロ打たせてゲッツーを打たせて取ること 点とられたのは僕が不用意にストレートを要求してしまったことですね。

[page_break:3回戦も4回戦も引退を覚悟していた]

3回戦も4回戦も引退を覚悟していた

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大河内輝也投手(都立総合工科)

――聖パウロ学園戦では小野里君の3打点の活躍や、大河内君の好リリーフもあり、初戦突破。次の相手は専修大付です。この試合、リードされる展開でした。

小島:8回裏に逆転された瞬間、正直終わったなと思いました。引退が見えましたね(笑)でも9回表、自分のレフト前から始まったんです。

――その後、一死満塁のチャンスで、打者は小野里君です。今度は走者一掃の二塁打。小野里君、勝負強いですね!もともと勝負強いですか?

小島:全然そんなことないです。夏から急によくなったんですよね。

小野里:あの時、とにかく当てよう。ミートすることしか頭になかったです。

――都立武蔵村山戦は、2回まで6失点。かなり危ないですよね。ここからどう立て直そうと思ったのでしょうか?

大河内:有馬先生からもう開き直れといわれまして。負けゲームだから、明日、海いってこいといわれて(笑)

小島:なんなら、負けてもいいから、開き直っていけといわれて、楽になれましたね。

――この試合、勝ち越し打を打ったのは大河内君!あの時の状況を振り返ってください。

大河内:てんぱってましたね。頭が真っ白でした。

小島:大河内なんですけど、初球、待てのサインだったんですけど、てんぱって、空振りしているんですよ。サイン見逃しているくせに、なぜか笑っているんですよ(笑)有馬先生、少し怒ってましたし。

大河内:打ったのは1ストライクからだったと思うですけど、三遊間にたまたま抜けてくれて(笑)でも最終回のリリーフはがちがちでした。

――そして都立武蔵村山にも勝利をして、5回戦では日大三と対戦することが決まりましたが、決まったときの心境を教えてください。

小島:正直コールドでやられると思いました。

一同:(うなずく)

小島:ただびびってもしょうがないですし、楽しんでやっていこうというのは話をしました。

第2回はここまでいよいよ日大三戦に入っていきます。日大三戦では、試合状況を詳しく振り返りながら、その時の心境を聞いていきます!

(構成/河嶋宗一

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【僕らの熱い夏2017 特設ページ】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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