Column

瀬戸内高等学校(広島)

2017.06.15


集合写真(瀬戸内)

伝説の延長再試合、あれから4年

■熱投・山岡泰輔
 広島県瀬戸内高等学校は、野球界に著名な人物を多数輩出している私立高校。プロ野球界でいえば、日曜朝の「喝!」「あっぱれ!」で有名な張本 勲さん。また、高校時代には広島新庄田口 麗斗投手(現巨人)と、今や伝説な出来事となりつつある、2013年夏の広島大会決勝で熱い延長再試合の投げ合いを演じた山岡 泰輔投手(現オリックス)もこの高校の出身だ。

■ナインが大切にすること
 その山岡投手が瀬戸内を甲子園に導いたのは2013年の夏。2017年の夏を迎えた今年の瀬戸内ナインは、「4年ぶりの広島県選手権大会制覇」を目標に邁進している。現在は3年生45名、2年生29名、1年生23名の計97名で活動しているチームは、「野球の技術の前に、普段の生活態度、学校生活、寮生活を正すこと」そして「あいさつ、礼儀をしっかりする」とまずは人間としての基本を大切に、日々を過ごす。

■注目選手は
 今年の瀬戸内の見どころは、まず「エース森石 光一郎を中心とした4名の先発投手」が一つ目に挙げられる。投手陣をリードする捕手、坂本 大輝主将によると、3年生投手の森石、山﨑 駿也石本 涼人の3投手の活躍がこのチームを引っ張ってきたという。この夏が最後となる、3年生投手三銃士の活躍に注目だ。

 次に打撃面では、長打力満点のクリーンアップに注目。それを代表する場面として、「3番門叶・4番森石の右中間への2者連続本塁打」がある。当時3番だったが、現在はその規格外のパワーと飛距離を武器に、4番を務めている門叶 直己選手は2年生。「2年生の一発を見て、3年生の森石が意地を見せた場面でもありました」と坂本主将は思い出深そうに語る。

■4年ぶりの甲子園へ
「4年ぶりの広島県制覇」を目指す。もちろん、ナインはそれを成し遂げるための努力を惜しむことはなかった。秋は屈辱の県1回戦負け。学校に到着すると、悔しさをぶつけるように自主練習を行った。途中で抜ける者など、一人もいなかった。

 オフシーズンには、「足腰を鍛える走り込み・ウエイトトレーニングによる筋力アップ・体重を増やすための筋トレ」の3つを中心に、春夏に花開くための土台を黙々と作り上げた。レフト側にある100段の階段ダッシュは、チーム特有のメニュー。選手たちは苦しみながらも、乗り越えてきた。

 そして迎えたこの夏。坂本主将は「どこの高校よりも長い夏にする。夏の暑さよりも熱い試合をし、絶対勝つ」と固い決心を口にした。瀬戸内の長く熱い夏が、もうすぐ幕を開ける。

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[page_break:俺に打ってこい!!]

青のメガホンで応援(瀬戸内)

俺に打ってこい!!

ここからは大塚 蓮内野手(3年)と林 晟矢中堅手(3年)にお話を伺いました。

Q.夏に向けて見つかった課題を教えてください

大塚:ここ1番での勝負強さです。昨年の秋や春では、公式戦になると勝てていないからです。他にも、ピンチの時こそ、「俺に打って来い」という姿勢やチャンスを楽しむ精神力が足りていなかったと感じました。
林:あいさつや練習態度など野球以外の部分です。秋、春と実力では負けていないチームに負けてしまった。普段の甘さがそのまま試合に出てしまった。甘さを無くせば十分甲子園を狙えます。

Q.ここまで振り返って高校野球で一番思い出に残っていることは何ですか?

大塚:今、思い出に浸っている時期ではないので、このメンバーで夏戦っている事が、かけがえのない最高の思い出になると信じて戦います。
林:1番の思い出は色々な人に支えられたことです。怪我や打撃不振に陥ったとき、アドバイスや声をかけてもらい、励ましてくれた監督さん、コーチ、仲間、親でした。僕の1番の思いではみんなに支えられて過ごしてきた日々です。

Q. 夏にここを見てほしいというところは何ですか?

大塚:どんな状況でもゲームセットがかかるまでは、気を緩めないところです。勝っているときでも絶対に油断しない事、負けているときでも、最後まで諦めない姿を見てもらいたいと思います。
林:高校野球生活2年4ヶ月で学んだこと、感謝の気持ちを全身で伝えたいです。自分の仕草、プレー、声、全てを見てほしいです。

Q.このチームの好きなところと、他のチームに負けていないところは?

大塚:とどまることの知らない勢いは、他のチームに負けていないし、どこにも止めることはできないと思います。勢いに乗り、突っ走っていきます。
林:1つになった時の団結力は他のチームにも負けていません。勢いに乗れば大量点も取れます。とにかく楽しいチームです。

Q. この夏はこんな夏にする!という意気込みをお願いします!

大塚:試合に出ている人、ベンチに入っている人だけでなく、アルプスにいるみんなと一体となって、瀬戸内の名をもう一度全国に轟かせる夏にします。
林:勝っても負けても楽しかったと笑顔になれて、素直に監督さん、コーチ、親、支えてくれたみんなに「ありがとうございました」の一言が心から言える一生忘れられない最高の夏にしたいです。

大塚選手・林選手、熱い言葉をありがとうございました!

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[page_break:感謝の気持ちを持って戦おう]

勝利に湧くナイン(瀬戸内)

今までの自分を全力で見せる

ここからは大石 卓也部長にお話を伺いました。

Q. 新チームが始まってからどんなチームを作り上げてきましたか?またこのチームの強みも教えてください。

「勝ちにこだわる」をテーマに、チームで取り組んできました。どんな状況になっても、9回が終わったら1点相手チームに勝っているという意識を常に持たせた。さらに、どうやって1点を取りにいくか、どうやって1点守るかということを考えさせ、1点にこだわりました。攻撃も守備もいかにミスを減らして、積極的にプレーできるかがこのチームの強みになるのではないかと思っています。

Q. 夏に向けて3年生と部員たちにメッセージをお願いします!

 最後の夏は今まで野球部で過ごしてきた事、取り組んできた事を全て出し切る場です。練習の成果、夏への想い、野球に対する気持ち、人への感謝を全力で発揮して下さい。心技体全ての力、気持ちが強いチームが勝ち上がります。どこのチームにも負けない強い気持ちを持って勝負して下さい。きっと3年生一人一人にとって大切なものを手に入れることができるはずです。野球を通してそれを見つけてください。

大石部長、そして瀬戸内野球部の皆様、ありがとうございました!


今年も大好評!
僕らの熱い夏 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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