Column

阿波高等学校(徳島)

2017.06.14

阿波にしかない取り組みの証明

■毎週月曜日は「献身の日」
 2013年に創立90周年を迎えた県立阿波高等学校。野球部はサッカー部とラグビー部と共用で練習しているため、バックネット裏とファールグラウンドの環境を充実させている。
そんな阿波野球部は毎週月曜日に「献身の日」というグラウンドを中心とした整備作業を行っている。この理由を酒井 龍太郎主将はこう説明する。「環境が人を作るという基本方針を大切にし、グラウンド内の設備にそれぞれ責任者を決めて美しいグラウンドをよりよくしようとしています」


マウンド上の阿波ナイン(阿波)

■段階別の目標
 全学年合計34名(うち女子マネージャー10名)で活動する野球部。「和を以て技を制す」をモットーとしたチームの和、試合をひっくり返す逆転する力、投手を中心としたディフェンス力の3つが強みのチームだ。目標は「ベスト8(挑戦的な目標)→ベスト4(究極の目標)→初の決勝進出&甲子園出場(夢)」という段階に分けた目標設定をしている。
新チームがスタートした時は「革新~以和制技~」というテーマでスタート。夏の大会に出場した選手が1人しかいなかった。そのためチームの和で勝負すること、革新的な取り組みで阿波高校初の決勝進出を目指すこと、そして「俺がやる」という強い気持ちでチームを引っ張ることを決意した。

■実りある合宿で得た結果
 夏休みの合宿で、選抜にも出場した高知中村高校などとの試合をこなした阿波野球部。5連敗という結果に終わったが、仲間との「和」、そしてこのチームの戦い方が見えてきた合宿になった。直後の新人戦では3試合で1失策という結果を得る。

秋季大会
では1回戦の海部高校に5対4でサヨナラ負け。酒井主将は「初戦突破という自分たちの目標を果たせず、毎日歌っている校歌を歌えず本当に悔しかったです」と振り返った。
その悔しさを胸に、冬は「流汗悟道」、やりきることをテーマに練習に励んだ。「心の体力」をしっかりと上げてきている。

■チーム1の熱男!
 阿波野球部で活躍を見せてきた選手は吉本 健人、そして2年生の岡島 龍司馬場 拓宏の3人。吉本は粘り強いピッチングで試合を作り、岡島はここぞという場面で打ってくれる信頼できるバッター。馬場は伝令で「馬場マジック」と呼ばせるような人柄で誰よりもひたむきに取り組んできた。夏は橋本 奏悟森永 泰地、そして酒井主将自身がキーマンになる。
そしてもう一人、岡崎 誠也はチーム1の熱男。野球ノートの量と質では徳島で一番と言われるほど熱心な選手だ。「彼のノートから一冊の本ができます」と酒井主将。冷静な発言などでチームを牽引していく。

■「実」らせる夏!
 夏に向けて橋本 生吹学生コーチを中心に選手ミーティングを重ね、目標や練習をしっかり組み立てている。「革新」をスローガンに掲げ、阿波にしかない取り組みを行っているところだ。「ベスト8を達成し、3年生5人がマネージャー3人とともに打ち込んできたことを『実』らせる夏にします」と酒井主将は力強く宣言。
この夏は結果で阿波の取り組みを証明して見せる。

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[page_break:勢いで圧倒したい]

声だしをする阿波野球部

勢いで圧倒したい

ここからは、橋本 奏悟選手(3年)と橋本 生吹学生コーチ(3年)の兄弟にお話を伺います!

Q.夏へ向けての課題や強化したいところを教えてください

橋本奏:ここ一番というところでの勝負弱さ、全員がまだ「俺がやる」という自覚が持てず,遠慮してしまうところです。
橋本生:自分たちで試合をつくることです。

Q.ここまで振り返って、高校野球で一番の思い出を教えてください

橋本奏:夏休みにいった梼原合宿です。
橋本生:学生コーチになったことです。

Q. 自分のここを見てほしいというところは何ですか?

橋本奏:どんなときでも必ず決める盗塁、足で相手をかき乱すところ、トリプルスリーです。
橋本生:チームを救う伝令、声かけです。

Q.このチームの好きなところと、他のチームに負けていないところは?

橋本奏:献身です!!
橋本生:ひとりひとりの身体使いです。

Q. この夏はこんな夏にする!という意気込みをお願いします!

橋本奏:野球ができることに感謝して,赤のユニフォームのように熱く,勢いで圧倒したいです。
橋本生:応援してくださる方々に感謝の気持ちをもって,徳島県高校野球界に革新をもたらします!

橋本兄弟、ありがとうございました!

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[page_break:A-waveの集大成]

阿波ユニフォーム(阿波)

A-waveの集大成

  ここからは鳴川 真一監督にお話を伺いました!

Q. 新チームが始まってから、どのようなテーマをもってチーム作りをされてきたのでしょうか?

 プロ野球での現役、指導経験がある大久保 計雄OBコーチ(75)と1対0で勝てるチーム、粘り強く守り勝つチームを目指してきました。夏へ向けては、勢いのある1年生の力を活用し、競争原理を働かせつつ、チームの和を高めていく。そして和を以て技を制す、強豪校撃破するチーム。このチームの強みは、一度火がついたら止められない爆発的集中力。ベスト8を達成し一気に頂点を目指します。

Q. 最後に、夏に燃える3年生や部員たちにメッセージをお願いします!

 3年生の入学と同時に母校へ赴任し、1から創り上げきたA-wave(阿波スタイル)集大成の時がやってきました。すべての始まりの色といわれる“赤“のユニフォームを身にまとい、革新の戦士たちがグラウンドで大活躍することを信じています。今一度、基本方針の内容を確認し、ひとつずつ積み重ね、乗り越え、創り上げてきた自負とプライドを胸に戦いましょう。たくさんの素敵な出会いに感謝しながら、野球が大好きなことを、思いっきり表現してください。やることはひとつ、「Be in good state」

鳴川監督、そして阿波高校野球部の皆様、ありがとうございました!


今年も大好評!
僕らの熱い夏 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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