城西大学付属城西高等学校(東京)
ベスト8から見えてきた差
■「報恩感謝」が校訓の城西大城西
1974年に夏の甲子園出場を果たしたこともある、歴史ある学校の城西大城西。1979年には夏の甲子園でベスト8まで進出した。現在の監督は1974年の甲子園に出場した際の城西大城西の選手だった髙野 勝監督。その髙野監督が大事にしている言葉が「報恩感謝」という言葉だ。これは学校の校訓で、髙野監督が選手時代のときからある言葉。「学校に行けるのも、野球ができるのも家族のおかげ。その環境に感謝をして成長してほしいという意味が込められています」と話してくれた。
■守り勝つ野球
現在1年生27名、2年生28名、3年生32名の計87名で活動している城西大城西野球部。都営三田線の西高島平駅から徒歩15分ほどにある、笹目橋下の河川敷グラウンドで練習している。投手を中心に守り勝つ野球、そして負けないという気持ちが強く、チーム全体の団結力が自慢のチームだ。チームが悪い状況になっても、ミーティングをして全員で目標を一つにして、団結力も上げてきた。
集合写真(城西大城西)
■ベスト8進出で見えた差
新チームが始まったときのテーマは「凡事徹底」。筒井 奏羽主将は「野球をやるうえで、私生活から見直すという意味で凡事徹底にしました。基本的なことができるようにという意味も込められています」と話す。
昨秋の秋季大会ではベスト8進出を果たした。その秋季大会で筒井主将が一番印象に残っている試合が3回戦の都立城東戦だ。「しっかりつないで初回に5点を取れて、守備でも後藤が粘り強く投げ、守り勝野球ができました。チームが成長しているなと感じることができた試合です」。
しかしその後の準々決勝で国士舘に敗れてしまった。「試合の疲労でエラーが出たり、バッティングでも打てなかったり、力負けでした。」と振り返る筒井主将。このオフは感じた差を埋めるため、足腰、筋力、体力アップに努めてきた。
その中でもきつい練習が「追いつき走」。全員でランニングのペースで走っているところに先頭の走者が全力でダッシュしてランニングのペースで走っている集団に追いつくというもの。休みがないため精神的にも肉体的にも厳しいメニューだ。
■夏のキーマンはこの5人!
ここまで活躍してきた選手には三枝 諄輝、須永 航平、後藤 茂基の名を挙げた筒井主将。その中でも須永については「堀越戦での逆転2ランホームランで悪い流れをいい流れにしたバッター」と称える。この夏のキーマンには野口 直輝、後藤 茂基、高橋 泰雅、浜比嘉 遼一、清水 綾太の5人を選んだ。そしてもう一人、福田 挙仁はチームがどんなに悪い状況でも盛り上げてくれる、チームには欠かせない存在。投手としていい流れを呼び込むような活躍に注目しよう。
■城西史上最高の夏に
現在は目標の「甲子園出場」をテーマに実践的な練習を増やしている城西大城西野球部。筒井主将は「城西史上最高の夏にしたいと思っています」と宣言。
1979年以来の甲子園に向けて。城西大城西の夏から目が離せない。
左から三枝 諄輝、筒井 奏羽、後藤 茂基(城西大城西)
笑顔が良いチーム
ここからは三枝 諄輝内野手(3年)と後藤 茂基投手(3年)にお話を伺いました。
Q.夏に向けて見つかった課題を教えてください
三枝:悪い流れを断ち切ることです。
後藤:セットポジションのクイックで投げるとき、ワインドアップと比べて球威がなくなってしまうことです。クイックでも球威を保てるように、直球のノビとキレと回転を意識するようにしています。
Q.ここまで振り返って高校野球で一番思い出に残っていることは何ですか?
三枝:秋の都立小平戦での同点スリーランを打ったことです。
後藤:秋の大会での堀越戦での直球の勢いが思い出深かったです。
Q. 夏にここを見てほしいというところは何ですか?
三枝:ベンチとスタンドの応援です。
後藤:投げているときの姿と、直球を見てほしいです。
Q.このチームの好きなところと、他のチームに負けていないところは?
三枝:ヒットや得点した時のベンチの盛り上がりです。
後藤:どのチームよりも笑顔が良いチームです。
Q. この夏はこんな夏にする!という意気込みをお願いします!
三枝:一日でも長く野球をします!
後藤:記憶と記録に残る夏にしたいです!
三枝選手・後藤選手、ありがとうございました!
[page_break:全員野球で戦う]髙野監督と話す筒井主将(城西大城西)
全員野球で戦う
ここからは髙野 勝監督にお話を伺いました。
Q. 新チームが始まってからどんなチームを作り上げてきましたか?またこのチームの強みも教えてください。
基本中の基本ですけど、ピッチャーを中心とした守りからリズムを作って攻撃につなげることをやってきました。ピッチャーの後藤を中心に全員野球で戦うというところですね。
Q. 昨秋ベスト8で周りからの期待はどう感じていますか?
周りの期待も感じています。ただベスト8で満足しているということはなく、去年もぞっとするようなミスから負けてしまいました。野球にはミスがつきものですが、アウトにできるところをアウトにして、ミスが出ないようにということを今意識してやっています。
春のシードでは38年ぶりということで、僕も驚いています。2回目の甲子園に行ったときが38年前でした。38年前のチームが翌年の夏に2回目の甲子園に行ってますから、その時と重なるという感じが少しありますね。
Q. 夏に向けて3年生と部員たちにメッセージをお願いします!
3年生は最後の大会。高校野球は2年と3,4か月ですからね。余力を残さず、一丸となって戦って、長い夏にできればいいなと思います。
髙野監督、そして城西大城西野球部の皆様、ありがとうございました!
今年も大好評!
【僕らの熱い夏 特設ページ】
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