Column

都立富士森高等学校(東京)

2017.06.01

サヨナラ負けの悔しさを糧に

■伝統行事の「歩行会」
 東京都八王子市にある都立富士森高校。1941年に東京府八王子市立高等女子高として設立。1954年に都立富士森高校と校名が変わり、2001年には創立60周年式典を行った。都立富士森では1学年の伝統行事として、陣馬山・景信山・小仏峠・高尾山を得て高尾まで歩く「歩行会」というものが1968年から続いている。野球部は今春、東京都大会への出場を果たした。

■チームのウリは打撃力!
 都立富士森野球部は現在1年生22名、2年生14名、3年生15名の計51名。グラウンドは木曜日以外はサッカー部と半面で使っている。その中でもホームに向かってバッティング、空いたスペースでノックをするなど効率よく日々練習を積む。このチームのウリは「打撃力」。安部 宏輝主将にチームのウリを聞くと「打撃力とチームワーク。あとはオーバースローからアンダースローまで多彩な投手陣がいることです」と答えてくれた。監督の廣瀬 勇司監督も「このチームは打つチームです。予選でも打って勝ち進みました」と打撃力には自信を持っている。
その都立富士森はアップのランニングでボールを持ちながらランニングをする。安部主将は「違うことをやりながらもう一つ違うことをやることで集中力を高めるためにやっているのと、ハンドリングやトスというところも鍛えながらやっています」とその意図を教えてくれた。


集合写真(都立富士森)

■春季大会で見つかった収穫と課題
  都立富士森は昨秋の初戦、都立雪谷にサヨナラ負け。「接戦の中で守備の乱れが出てしまった」と安部主将は振り返る。打撃のチームだからこそ守備力を上げる。冬は守備を強化する練習にも積極的に取り組んだ。
「去年より断然エラーは減りました」と安部主将。確実に成果は表れていて守備も上達した。しかし都大会本戦の朋優学院戦で、エラーが失点につながり、またしてもサヨナラ負けを喫した。「秋と春でサヨナラ負けをしたのでとても悔しい。夏はまず守り抜くこと。エラーを減らして失点を減らす。そして持ち味のバッティングでどんなチームにも打ち勝てるようにしたいです」と夏に向けての課題ははっきりしたようだ。

■夏のキーマンはこの選手!
 安部主将はこの1年で活躍した選手に矢嶋 寛之の名前を挙げた。「予選のとき、代打で1本打ってほしいところで打ってくれた。人一倍努力家です」。夏に向けてのキーマンには宮田 雅史を指名。「エースで打撃の中心でもある。頼れるやつなのでキーマンになると思います」。そして池田 伊織にはベンチを明るくする働きに期待している。「ムードメーカーで明るい。攻められて困っているときに助けになると思います」と信頼している様子だ。

■最高の夏に
 新チームが始まったときは我が強いメンバーが集まりまとめることに苦労したという安部主将。しかし徐々にまとまり始め、いい方向にチームは向かっている。安部主将は「今までの野球人生の集大成。最高の夏にしたいです」と力強く宣言した。
秋、春とサヨナラ負けをした悔しさを糧に――
都立富士森野球部は最高の夏に向けて、今日もバットを振る。

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[page_break:野球をしていて本当に楽しい]

宮田 雅史投手と後藤 陸副主将(都立富士森)

野球をしていて本当に楽しい

ここからは宮田 雅史投手(3年)と後藤 陸副主将(3年)にお話を伺いました。

Q.夏に向けて見つかった課題を教えてください

宮田:夏に1試合投げ切るようなスタミナをつけることです。
後藤:決めるべきところでバントや進塁打などのチームバッティングをすることです。

Q.ここまで振り返って高校野球で一番思い出に残っていることは何ですか?

宮田:年始すぐの練習でグラウンド20キロを走ったことが辛かったです。
後藤:僕らの代で都大会に出場できたことです。

Q. 夏にここを見てほしいというところは何ですか?

宮田:ピッチャーとして試合を作って、見ている人も気持ち良いような投球をしたいです。
後藤:副キャプテンとしてチームを引っ張り、見ている方々に笑顔になってもらえるようなプレーをしたいです。

Q.このチームの好きなところと、他のチームに負けていないところは?

宮田:このチームで野球ができて本当に楽しいところ。チームワークは負けません!
後藤:野球をしていて本当に楽しいです。ほかのチームよりは打撃力です!

Q. この夏はこんな夏にする!という意気込みをお願いします!

宮田:とにかく一つでも多く勝ち、富士森高校史上、一番長い夏にします!
後藤:シード校に勝つことを目標にやっていきます!

宮田選手・後藤選手、ありがとうございました!

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[page_break:とにかく闘魂でぶつかっていこう!]

指導する廣瀬 勇司監督(都立富士森)

とにかく闘魂でぶつかっていこう!

  ここからは廣瀬 勇司監督にお話を伺いました。

Q. 新チームが始まってからどんなチームを作り上げてきましたか?またこのチームの強みも教えてください。

 私が来たのはこの春の予選からで、春の大会の予選は彼らにすべて任せました。前監督から打撃のチームに育ててきたということは聞いていたのですが、実際に打つチームです。最近では少し高めのボールをしっかりと上から回転をかけるように打ちましょうということでバッティングでも少しスタイルを変えてやっています。またこのチームの強みは最後まであきらめずに終盤で点が取れるというところです。

Q. 春の都大会・朋優学院戦で得たものと課題はなんですか?

 得たものは最後までやり切れるなというところです。気持ちが切れず、最後まで1球一球に対する姿勢はしっかりできてきたなと思います。
 課題としてはピッチャーの四球であったり、エラーというところが最終的に大きな失点につながっていました。昨秋の雪谷とやらせていただいたときもそのような形で負けてしまったので、今の課題としてはとにかくたくさんボールをさばいてアウトを確実に取っていくことです。

Q. 夏に向けて3年生と部員たちにメッセージをお願いします!

とにかく闘魂で、気持ちだけは負けずに魂を入れて、1球一球にぶつかっていこう!

廣瀬監督、そして都立富士森野球部の皆様、ありがとうございました!持ち前の打撃力を武器に、最高の夏になるよう期待しています!


今年も大好評!
僕らの熱い夏 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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