WBC韓国代表を調査！韓国野球エージェントに、グラゼニ女子がインタビュー！

インタビューの様子（左から金 弘智氏、豊島 わかなさん）

芹：韓国の学生野球は人口的にはそんなに多くないと思うんですけど、その中でも韓国野球が強い理由ってなんでしょう？

金 弘智（以下、金）：韓国の野球人口は、中学校・高校に上がるにつれてぐんと減ります。小学校のときから結果を出さない、あるいは野球の素質がない選手は中学以降は親もさせないし、周りも勧めないという環境が根付いているんです。何度も何度も関門をくぐり抜けてきているため、本当に良い選手だけが残っていきます。

　日本だと、普段の生活態度や立ち振る舞いについて結構重視していると思うのですが、韓国の場合は、良くも悪くも結果を重視する国です。そういう意味では、この代表に上り詰めてきた選手っていうのは、小学校時代からひたすら結果を残し続けてきたっていう強みがあるので、比較的短期決戦で結果を残しやすいじゃないかなと思います。

芹：常にプレッシャーとの戦いで勝ってきた強心臓の選手たちなんですね！
そんな選手たちが、まったく違う日本の高校野球を見たときにどんな反応を取られるんですか？

金：やっぱりアマチュアで甲子園という大きい球場でできて、決勝とかになると5万人くらいのすごい注目を浴びる環境でやれるというのは、単純に羨ましいと思います。同じ高校生でも、「あの選手を超える大きい選手になりたい」とか、そういう目標を持つ高校生もいるくらいです。最近はアメリカ意識も高くなってきているんですけどね。

豊：韓国野球は将来的にどんな形になっていくと予想されますか？

金：今ここ何年かで8球団が10球団まで増えましたので、男性だけじゃなくて、老若男女とわず、身近なスポーツとして野球が認識されてきていると思います。

　他方、韓国は日本とは違って、草野球で野球を楽しむといった文化がなく、プロを目指すためにリトルリーグに入るっていうのはあっても、子供の健全育成や体を鍛える目的でスポーツをやらせる、だから野球をやらせるという文化はまだまだ根付いていないと思います。

豊：習い事でやるとかではないのですね！

金：そうですね。やるならプロを目指すかどうか。
なので、楽しむという形で野球に触れ合うという機会が増えてこないと、もしWBCのような注目される国際大会とかがなくなってしまったら、野球のブームが去ってしまうのではないかなと、客観的に見て感じるところはあります。

豊：日本と違って、野球をするなら絶対にプロを目指そう！という環境ってことは、練習もかなり厳しいんでしょうか？

金：中学以降はかなり厳しくなるようです。
最近は小学校では野球を遊びでやらせるっていうことはあるみたいですけど、中学以降はプロやその先を目指して、徹底されていると聞きます。

　去年徳島からヤクルトに入団した河 載勲（ハ・ジェフン）の話を聞くと、もう小学生の頃から練習が厳しかったって言ってました。少なくとも彼が子供だったときの話を聞くと、小学生のころから全国大会で勝つための練習をものすごくしたというふうに言っていました。これからどうなっていくのかわからないですけどね！

左から芹 玲那さん、豊島 わかなさん、金 弘智氏

豊：日本では女性の野球離れがあるのですが、韓国だと女性ファンの割合が多いですよね。
韓国の野球はチアがいたりすごく楽しそうだなという印象があるんですけど、そこらへんも人気の要因の一つなのでしょうか？

金：日本は外野で応援するけど、韓国はベンチのダグアウトの上のところで応援します。
DJみたい人がラジカセのような機械を持ってきて、選手の応援歌をトランペットではなくてラジカセから音楽を流して応援するという、独特の文化があります。もしかしたら、それが好きな女性は好きなんでしょうね。クラブみたいな感じで。

豊：すごく盛り上がる感じなんですね！
それは確かに日本にはない感覚ですね！

金：プレミア12のときも、釜山ロッテのファンの方が内野で選手の応援歌を機械でかけようとして止められているのを目の前で見ました（笑）。
そりゃ日本では応援は外野ではないとダメなんだろうなと思ったんですけど、本当は国際試合でこういった応援対決も見て見たいなって思います。

芹：応援対決が見れたら面白そうですね！今大会で、韓国代表の戦力で不安要因はあったりしますか？

金：今回韓国代表入りしている投手は、左腕投手ばかりなので、右腕の先発投手が少ないのが少し不安です。

　トゥサン ベアーズで15勝挙げている張元準（チャン・ウォンジュン）選手や、梁ヒョン種（ヤン・ヒョンジョン）選手、あと右の禹奎珉（ウ・ギュミン）選手。李大恩（イ・デウン）選手、多分この4人で先発を回して、あとは先発もロングリリーフもできて、昨年日本にくると噂になった、車雨燦（チャ・ウチャン）選手も。あとは前編でも紹介したクローザー軍団で、継投、継投で繋げていくんじゃないかと思います。

芹：日本は先発から作っていきますが、韓国は逆なんですね。
前回は注目の投手を紹介していただきましたが、打者ではどんな選手がいますか？

金：過去のWBCに出場した経験のある選手で、金泰均（キム・テギュン）、李大浩（イ・デホ）選手は2人とも日本でプレーした経験もあり、監督も日本と対戦すること等を見据えてこの2人を選んでいるのだと思います。

　前回のプレミア12の日韓戦の9回の大逆転劇も、当時パリーグでプレーしていた李大浩選手が同じパリーグの則本 昂大選手、増井 浩俊選手、松井 裕樹選手の特徴をチームに話していたということも聞きました。そうしたこともあって、この試合では日本人選手の特徴を捉え、良く活かせたのだと思います。

左から豊島 わかなさん、芹 玲那さん、金 弘智氏

豊：あとは、注目のイケメン選手とかはいますか？
ちなみに、私は李大恩（イ・デウン）に注目しています！

金：李大恩（イ・デウン）選手は河載勲（ハ・ジェフン）選手とアメリカでチームメイトだった縁で、去年よく会っていたんですけど、彼は口数少ないですけど、かっこいいですよね。
本当に野球を真摯にやるっていう感じで。常に野球のことを考えていて。

豊：キムさん的日本人女子におすすめしたいイケメン選手がいれば教えてください！

金：韓国で人気があるのは孫兒葉（ソン・アソプ）選手です。現役通算打率1位が金泰均（キム・テギュン）なんですけど、僅差で2位なのが孫兒葉（ソン・アソプ）選手で、抜くのも多分時間の問題だと言われています。

グラゼニ女子：キムさん、貴重なお話をありがとうございました！