西舞鶴高等学校(京都)
練習風景(西舞鶴)
先輩たちを超える!
■甲子園直前で2度涙
京都府舞鶴市にある西舞鶴高校の設立は明治時代まで遡り100年以上の歴史を持つ。全日制の普通科と単位制による通信制課程が設置されている。野球部は1953年と1972年の夏の大会で2度優勝しているが甲子園出場経験は無い。当時は滋賀の優勝校との代表決定戦に勝たなければならずどちらも甲子園まであと一歩のところで涙を飲んだ。北部勢初のチャンピオンとして今年こそ甲子園出場を目指す。
■タイヤ押しとインターバルの冬
現在の部員数は1年生13人、2年生20人の33人。平日はグラウンドの使用スペースが限られるため朝練や練習メニューを工夫することで補っている。天井ネットは自分達で作った。
・文武両道
・目標計画表に沿った勝つための練習
・フルスイング
を心掛け、タイヤ押し(押し、ジャンプ、大股、引き)×5セット、600mインターバル10本などの冬練に励む。体重増加がこの冬のテーマだ。
■敗戦から学んだ練習の意識
濱田 凌平主将が秋の大会で最も印象に残っている試合として挙げたのは1次戦2回戦の府立工業戦。「8対5で勝ったんですけど、常に追われる展開だったため精神的に苦しい試合でした」。その後2次戦に駒を進め春優勝の塔南と互角の勝負を演じるも0対1で勝利には届かなかった。「ヒットを打つことの難しさ、試合に勝つことの難しさを感じました。今までの練習姿勢ではダメだと思い、練習に取り組む意識が変わりました。常に試合を意識した練習、練習で出来ないことは試合で出来ないので試合で起こり得る状況を想定しての実践練習が課題です」
■昨夏のベスト16超えへ
濱田主将は秋に活躍した選手を3人紹介してくれた。「1番・センターとして攻守両面で活躍してくれた」のが小幡 匠選手、「豪快なスイングで長打力あって高い得点圏打率を残してくれたチームに欠かせない4番」が本蔵 健太郎選手、「エースとして数々のピンチを凌いでくれた」のが一瀬 太吾選手。 さらに春のキーマンとしては谷 優希選手、畑中 翔太選手、玉林 侑人選手に期待しているという。「春以降に勝てるチームになるために全員でこの冬練を乗り切る。限られた時間と環境の中で素振りや基礎練習を大切にして絶対に後悔の無い冬にします!」目標は春夏共にベスト8以上。夏ベスト16だった先輩達を超えてみせる!
自信を持てる冬に
ここからは扇の要を務める畑中捕手と長打力が武器の主砲・本蔵選手にお話を伺いました。
畑中翔太選手(西舞鶴)
Q. 秋に見つかった課題は何でしたか?
畑中:南部の高校に比べて体の線が細く、技術面でも劣ってしまっているところ、そして秋の大会以降思ったような成果が挙げられず、チームスタイルがハッキリしていない。安定した試合運びが出来ていないところです。
本蔵:身体的な強さバント、エンドランなどの正確性、打球の質など強いチームと比べて明らかに劣っている。チャンスの時のバッテイングも課題です。
Q. この冬はどんな冬にしたいですか?
畑中:チーム目標である夏のベスト8、個人が見つけた課題に対する具体的な目標を見失うことなく、ここまでやってきたと自信を持てるだけの冬にしたいです。
本蔵:身体面、技術面において、強豪校に負けないレベルまで強化し、逆境にも負けない精神力をつけたいです。
本蔵健太郎選手(西舞鶴)
Q. モットーや好きな言葉は何ですか?
畑中:全力、です。
本蔵:克己心です。自分に負けたり、自分のことコントロール出来ない人は相手と勝負する土俵にも立てないと思うからです。
Q. チームの売りは何ですか?
畑中:お互いに声を掛け合える関係であることと流れに乗れば強い力を発揮出来ることです。
本蔵:流れが来た時に高い集中力を維持して大量得点に繋げられることと個性的な選手が多く面白いところです。
Q. この冬の目標宣言をお願いします。
畑中:この冬をしっかりと乗り越えて、秋までの弱い自分から心も身体の強くなってみせます!
本蔵:冬が開けてからホームランをバンバン打ちます!
畑中選手、本蔵選手、ありがとうございました。
ウエイトトレーニング(西舞鶴)
練習に対してしっかりとした目的意識を!
最後に山本 裕基監督にお話を伺います。
Q. 新チームのチーム作りはどのようにされましたか?また、この冬のテーマも教えて下さい。
先輩達が達成出来なかったベスト8という目標をいかに達成するかということをテーマにしました。技術的にも身体的にも劣っているため野球を深く考え、自ら行動出来るようにと指導しています。秋季大会ではチャンスで1本出ず、点を取る難しさや1点の重みを感じました。2次戦に出場出来ましたがまだまだ力不足。冬は筋力、体重のアップと精神力の向上、基礎の徹底をテーマに自分達はここまで練習したと自信が持てる冬にしたいです。
Q. 冬の練習に励む選手にメッセージをお願いします。
怪我をしないこと。練習に対してしっかりとした目的意識を持ち、夏と秋の悔しさをトレーニングにぶつけてほしい。この冬でここまでやったという自信をつけてほしいです。
山本監督、西舞鶴高校野球部の皆さんありがとうございました。今年は再び北部の野球熱が高まる1年にして下さい。
今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
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