Column

北海道函館工業高等学校(北海道)

2017.03.02


集合写真(函館工)

全道大会で勝つことがいかに難しいかが分かった

■函館工はどんな学校?
北海道函館市にある北海道函館工業高等学校は1911年に函館区立函館工業補修学校として設立。22年に北海道庁立函館工業学校となり、50年に現校名となった。現在は電子機械科、建築科、工業化学科、環境土木科、電気科、情報技術科を設置。15年からは次代の地域産業を担う専門的職業人を育成する「専門学校Progressiveプロジェクト」の研究指定校となっている。野球部は近年、全道大会の常連となっており、昨秋も函館支部大会を勝ち上がって16強に名を連ねた。

■函館工野球部の紹介
現在、野球部は2年生15名、1年生24名の計39名。小黒 凌靖主将は「バッテリー中心にテンポの良さと堅守で接戦に持ち込める力があり、ベースまわりの走塁技術を活かした足攻(そっこう)など多彩な攻撃パターンがあります」と、今年のチームについて語る。グラウンドは他の部と共用のため、平日は内野しか使うことができない。そのため、グラウンドの反対向きに打つなど、限られたスペースで工夫しながら練習。特に夏場の平日は、練習時間のほとんどを走塁に費やし、打撃練習は他の部活動がやっていない早朝に行っている。また、工業高校の特色を活かし、3年生が課題研究で作った鉄バットでティーバッティングをすることもある。

■函館工を引っ張る選手は?
加藤 龍之介投手は秋季大会の4試合すべてを一人で投げ切った。「守備のエラーがあっても落ち着いてピンチを切り抜けてくれた頼りになるエース。全道大会では延長14回を投げ、打撃でも2点タイムリーヒットを打ちました」と、小黒主将も信頼を置いている。今春のカギを握る選手としてはキャッチャーの高畠 洸輝選手の名前を挙げた。「高畠は高校2年になってからキャッチャーになったのですが、配球を研究するなど、たくさん練習してさらに進化してくれると思います」。また、シュートボールが武器の佐々木 郁哉投手については「エースの加藤と競争し合える存在になって、先発完投できる投手になってもらいたい」と、期待をかけている。

■秋季大会で得た手応えと課題

昨秋の函館支部大会決勝
函館大有斗戦では8回に勝ち越すと、9回はピンチを防いで2対1で勝利。小黒主将は「新チームが始まってから接戦で勝つことを目標にしてきたので結果が出て良かった。得点したところやピンチをゲッツーで防いだ場面は、練習で取り入れたイメージトレーニングや、できるまで何度も反復練習してきたことが試合でもできたので『練習は嘘をつかない』と、選手全員が思いました」と、振り返る。また、「新チームになってから練習時間の半分以上を走塁練習に使っていたのですが、その成果が試合で出せました」と、確かな手応えを感じている。その一方で、北海道大会初戦苫小牧中央戦は延長14回の熱戦を演じたがサヨナラ負け。ただ、「昨秋は全道大会で勝つことがいかに難しいかが分かり、『全道で勝つ』という目標を持つことができました」と、チームは新たなモチベーションを手にしたようだ。

■この冬の意気込み
昨秋で負けた試合は安打が少なく、先頭打者を出すことがあまりできませんでした。そこで、特技の走塁をもっと試合で発揮できるように、打撃を向上させるトレーニングをしてもっと打てるチームになりたい」と、小黒主将。また、エラーが絡んだ失点もあったため、守備力を上げるために「雪上ノックをたくさん受け、全道で勝てるチームにしたい!」と、決意を語ってくれた。

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[page_break:他のチームには負けない走塁技術]

他のチームには負けない走塁技術

 ここからは加藤 龍之介投手リーダー(2年)と高畠 洸輝副主将(2年)にお話を伺います。

加藤龍之介選手(函館工)

Q. 秋を振り返って見つけた課題は何でしたか?

加藤:全試合を一人で投げさせてもらったのですが、連投や試合後半になってからの体力が足りなかった。あと、ストレートの質を上げて、ストレート勝負ができる投手になることです。
高畠:ヒット数が少なかったので打力の向上と、完投できる投手が1人しかいないので投手力が課題です。

Q. この冬はどんな冬にしたいですか?

加藤:チーム内の誰よりもたくさん、かつ質の良い練習をする冬にします。
高畠:筋肥大の冬です。

Q. モットーや好きな言葉はありますか?

加藤:「勝負に強いか弱いかは執念の差にある」
高畠:「全力疾走」です。

高畠洸輝選手(函館工)

Q. では、チームの好きなところや、ここは他のチームに負けない!というところを教えてください。

加藤:好きなのは、一人ひとりの個性が強いところ。負けていないところは、走塁技術です。
高畠:走塁技術と、考えられるケースをふまえて可能な限り練習をするところです。

Q. 最後に、このオフシーズンで「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

加藤:ストレートで三振を取れるようになり、接戦に投げ勝てる投手になる!
高畠:練習から投手を引っ張って、打てるキャッチャーになる!

 加藤選手、高畠選手、ありがとうございました!

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[page_break:練習メニューを話し合いで決める組織づくりからスタート]

練習メニューを話し合いで決める組織づくりからスタート

山本裕也監督(函館工)

 ここからは山本 裕也監督にお話を伺います。

Q. 新チームが始まってから、どのようなテーマをもってチーム作りをされて来たのでしょうか?

 ポジションごとにリーダーを置き、次の日の練習メニューを話し合いで決める組織づくりからスタートしました。そして、「変化と挑戦」をテーマにエースの加藤を除く8人が新しいポジションで秋の大会に臨みました。

Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。

 目標である全道大会で勝利することはできませんでしたが、雪が積もる土地ならではの雪上ノックや、座学でのケースの確認など、環境に感謝しながら練習し、この冬は全道大会で勝ち上がるチームづくりをしたいと思っています。

Q. 冬のトレーニングに励む選手にメッセージをお願いします。

 「体づくりや練習の目的を理解し、毎日目標をもってトレーニングに励んでください!

山本監督、そして函館工業野球部の皆さんありがとうございました。


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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