Column

岡山商科大学附属高等学校(岡山)

2017.02.02


トレーニング風景(岡山商科大学附属高等学校)

ベスト4まで勝ち進んだ昨秋の県大会を振り返る

■快進撃でベスト4まで勝ち進んだ岡山商大附

岡山県岡山市にある岡山商大附は、1911年に私立吉備商業学校として開校され、1994年に現校名となった。昨秋は準決勝まで勝ち進み、今年は初となる甲子園出場を目指している。

■ベスト4をかけた一戦はスクイズが決勝点に!

岡山商大附は、1年生11名、2年生15名の26名で活動。今年のウリについて坂東 政貴主将は「元気があり、仲が良いことです。そして個性派の投手陣にも注目です」と答えてくれた。普段は人工芝のグラウンドと校内にある土のグラウンドと併用している。坂東主将に印象的な試合を振り返ってもらうと、秋季県大会準々決勝の玉野光南戦を挙げてくれた。試合序盤は最速148キロ右腕・斎藤 寛太投手の投球に苦しめられなかなか点が取れずにいたが、5回表にチャンスを作り、スクイズで1点を先制。その後、エースの岩永 勇洋投手が12三振を奪う好投を見せて完封勝利。4強入りを決めた。

 これまでのチームとの違いとして、坂東主将が「絆の強さだと思います」と答えたように、勝ち進むごとにチームは1つになっていった。しかし準決勝で、秋優勝した関西に0対10で敗れ、そして3位決定戦の創志学園戦にも敗れ、中国大会出場を逃してしまった。坂東主将は関西との差について、「個々の力の差を痛感させられました」と振り返り、目標の春夏優勝へ向けて「打力アップとメンタル面の強化」が課題となった。

■投打に個性的な選手が揃う

坂東主将に、秋に活躍した選手を伺った。打線の中心として出塁率が高く、常に安打を打てる1番の笠井 大輝選手、つなぎ役に徹した2番の浦上 空大選手、ミート力が高く、右左に安打を打ち分ける左の好打者である3番の西川 聖人選手、勝負強い打撃を見せる4番山崎 大規選手、一発長打が魅力の5番・金丸 凛己選手の5人が中心となる。そして投手陣では、135キロ前後の速球を武器に高い奪三振率を誇る右投手の岩永 勇洋選手や、180センチの長身から角度ある速球を武器にする左腕・白川 史也投手の名前も挙げてくれた。また坂東主将は代打の切り札・佐藤 大将選手の活躍にも期待していた。

 ここまでチームメイトについて詳しく話をしてくれた坂東主将だが、昨秋は新チーム直後に怪我をしてしまい、サポートメンバーに回っている。川端監督は新チーム当初は、チームの要になる選手だと評価をしていた。

「実力はある選手ですし、彼が主力選手として試合に出場していれば、秋はもっと違う試合展開になっていたと思います。それだけに春は活躍したい思いは強いでしょう。彼は本当にしっかりとやってくれる選手ですし、我々スタッフも彼のことを信頼をしています」と春での活躍を期待している。秋、試合に出られなかった坂東主将がその悔しさをバネに活躍すれば、またチームは変わってくるだろう。

■弱かった自分を克服して、後悔がないオフシーズンに
岡山商科大附は、「肉体改造」をテーマに冬の練習に励んでいる。その中でもきついのが「四角走」だ。このメニューを詳しく説明すると、60mの正方形を作り、ワンベース・9秒→ツーベース・18秒→スリーベース・26秒→ホームラン・36秒という順に走り、これを4セット行い、体力・精神力を鍛えている。このオフシーズンについて、坂東主将は、「春になって、自分たちがやってきたことに後悔がないようなオフシーズンを送りたいです」と話すように、弱かった自分を克服して、春には大きく成長した姿を見せていく。

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[page_break:4番打者とエースが今後目指す選手像とは]

4番打者とエースが今後目指す選手像とは

山崎 大規選手(岡山商科大学附属高等学校)

 副主将のお二人、山崎 大規選手と岩永 勇洋投手にお話をお聞きしました。

Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。

山崎:県大会で勝ち進んでいくと投手のレベルが高くなるので、振り負けたり変化球がとらえきれなかったことです。
岩永:かなりあります。まずメンタルを強くすること。次にコースへ投げ分けられる変化球のコントロールを良くしていきたい。そしてストレートのスピードを速くしていきたいです。

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

山崎:何事にも妥協せず、心身ともに成長したいです。
岩永:とにかく体を大きくする。下半身の強化です!

岩永 勇洋選手(岡山商科大学附属高等学校)

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

山崎:勇往邁進です。
岩永:真っ向勝負です!

Q. このチームの好きなところ、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

山崎:粘り強いところです。
岩永:一人ひとりの仲間への思いが強いこところと、辛さをみんなで分かち合えるところですね。

Q. このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』というこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!

山崎:岡山ナンバーワンバッターになります!
岩永:マックス145キロ以上を目指し、自分が投げる試合は公式戦・練習試合を通して勝率9割以上!エースとして恥じないピッチングを見せていきたいと思います。

 山崎選手、岩永選手、ありがとうございました。

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トレーニング風景(岡山商科大学附属高等学校)

弱い自分を克服する気持ちで毎日グラウンドに立ってほしい

川端 康隆監督(岡山商科大学附属高等学校)

 最後に川端 康隆監督にお話を伺いました。

Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。 

 グラウンド外での取り組む姿勢が野球のプレーや結果に直結するので、学校生活・私生活から意識を高く持ち、中国大会出場を目標に練習に取り組みました。残念ながらあと1勝で目標には到達できませんでした。やはり、大事なところでミスが重なったり、悪い流れを修正できずに準決勝・3位決定戦と連敗を喫してしまいました。私自身もそうですが、生徒たちも関西高校・創志学園高校に対して、もう少し食らいついて勝負できると思っていましたが、何もできずに終わってしまったという感じです。

 強豪校との力の差を痛感させられたことにより、チームに慢心はありません。この冬は個々の力を高めることはもちろんですが、結束力を高めて夏に挑みたいと思っています。

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 昨日の自分より弱さ・ズルさ・わがままを少しでも克服し、強くなってほしいと思います。その気持ちで10日・50日・100日グラウンドに立てば、必ず成長できると思います。1年の秋にはベンチにも入れなかった人間が、2年の夏にはチームの主力になっていたというような話もしています。その先輩は絶対にレギュラーになってやるという気迫があり、毎日の取り組む姿勢がチームで1番だった。高校野球ってそういう思いが結果につながるもんだよと。

 部活動は社会や人生の縮図。生徒には野球を通じて生きる力を身に付けてほしいと思っています。その意味においては、冬の練習は自分と向き合う格好の良いチャンスです。今のチームはおとなしい生徒が多く練習も活気に欠けるところがあります。チームがしんどいときに声をかけたり、あるいはミスをして沈んでいる仲間に対して、前を向かせ積極的に動かすことができるよう声をかけられる人間が1人でも多く出てきてほしいと思います。

 川端監督、岡山商科大学附属高等学校の皆様ありがとうございました。


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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