Column

県立富岡西高等学校(徳島)

2017.01.25


集合写真(県立富岡西高等学校)

悲願の甲子園出場と全国1勝へ

■「躍進の2016」から「飛躍の2017」へ

学校創立120周年を迎えた2016年は春季県大会準優勝・2度目の出場となった春季四国大会でも大手前高松(香川)に善戦。また、夏の徳島大会準決勝では王者・鳴門を土俵際まで追い詰める躍進を遂げた富岡西は2回戦で優勝校・生光学園に敗れた悔しさを胸に、2017年は飛躍を期すチームのみなさんにお聞きした。

■春「四国大会1勝」夏「甲子園1勝」を目指して

まずは、部員全員にチームの現状やここまでを振り返っていただいた。
平日は他の部活とグラウンドを共用しているため、守備・走塁・サーキットトレーニングを中心に質を重視。「小技を絡めながら内野ゴロでも1点を獲りにいく」積極的走塁やコミュニケーション力の高さを強みに秋の県大会に臨んだ。

 結果は1回戦でに5回コールド13対0で快勝も、2回戦で生光学園の前に2点を4回までに奪いながら2対6で敗戦。4回から登板した相手の左腕エースを走塁ミスなどで崩せず。また、7回に3連続三塁打を喫して失った3点など、中盤・終盤の粘りなどに課題が残った一戦になった。この冬は4種目サーキットや「ダービー」と呼ばれる200メートルインターバル走、体重UPを軸とした体力づくりやスイングスピードアップと同時に打者のインパクトに合わせた次の塁を狙う動きにも目を向けている富岡西。選手たちの多くはその先に大きな目標を見据えている。

 春は徳島県大会優勝ばかりでなく先輩たちが成し遂げられなった四国大会1勝。そして夏は徳島大会初優勝はもちろん「甲子園1勝」。選手たちは秋に練習試合で対戦した市立尼崎(兵庫)などから学んだ「全国疑似体験」も糧にして、悲願の甲子園出場と全国1勝へむけて突き進む。

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[page_break:チームの中心選手3人に聞きました!]

左から千村 康介副主将、米澤 俊郎主将、前田 魁副主将(県立富岡西高等学校)

チームの中心選手3人に聞きました!

 ここからは2年生の中心選手3人に聞いていきます。副キャプテンの千村 康介遊撃手、同じく副キャプテンの前田 魁二塁手。そしてエースの中林 拓郎投手です!

Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。

千村:個人の力不足と中盤から終盤にかけて得点が取れなかったこと。
前田:雑な走塁もあり、残塁も多かった。走・攻・守すべてに課題がありました。
中林:キレ・伸び・角度のあるストレートです。

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

千村:ケースノックをより採り入れ、野球の勉強をしていきたいです。
前田:攻撃面ではこれまで遅かったスイングスピードを上げること。守備では下半身を鍛えながらノックを受け、視野も広げること。走塁では次の塁を狙うチャンスを見付ける形を作っていきたいです。
中林:一日一日を無駄にせず、効率よく練習する冬にしたいです。

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

千村:「全力」
前田:「周りに流されない」「人一倍努力する」
中林:「初心忘るべからず」「威風堂々」

Q. このチームの好きなところ、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

千村:相手のスキを見て、積極的に次の塁を狙う姿勢は負けていないと思います。
前田:攻撃の時は常に「展開力」を頭に入れ、バントなどで揺さぶるところが好きです。また、自分たちのペースに持ち込む攻守交替の速さは他チームに絶対負けていないと思います。
中林:1・2年生の仲のよさと攻守交替のスピード感です。

Q. このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!

千村:長所を伸ばして、チームをプレーで引っ張れる選手になりたいです!
前田:体重5キロ増。スイングスピードを上げて長打を打てるようにして、絶対的な守備力を身に付けます!
中林:球速140キロ・体重72キロ・球質の向上。1試合すべてを任せられる投手になります!

 千村選手、前田選手、中林選手、ありがとうございました。

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[page_break:「旧チームを超える成績を残したい」]

投手のバーを使ったトレーニング(県立富岡西高等学校)

「旧チームを超える成績を残したい」

 最後に小川 浩監督にうかがいました。

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたか?秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 練習の中心は実践形式で覚えていくことにしているので、無死満塁のケースバッティングから入りました。打者に内野ゴロを打たせて併殺崩れになる走塁力を身につけることと、展開して得点に絡めていくと同時に、内野の守備力と状況判断を高めるなどの効果がありました。1つのテーマを掲げて練習に打ち込み、練習試合でもそれができると自信が芽生えてくる形で秋季徳島県大会に臨むことができたと思います。

 1回戦は練習試合で負けている高校。左・右二枚の好投手をどう打ち崩すかに焦点を当てて臨み、立ち上がり制球に苦しむ左投手から6点を奪って、こちらの思う展開に持ち込めました。2回戦の生光学園戦も2回と4回に1点ずつ取って2対0とリード。4回途中から事前に攻略法を練っていた左投手がリリーフで出てきましたが、チャンスは作るもののなかなか得点に結びつかない展開に。5回に逆転された後も、その裏には無死一・三塁。6回裏も無死一・二塁とチャンスも、展開できず無得点に終わったのが勝敗の分かれ目でした。

 とはいえ、まだまだ力不足の中、展開力への手応えを感じた秋季大会でした。その後は、選手の目標が「旧チームを超える成績を残したい」と、ほぼ統一していたので、サーキットトレーニングやランニングメニューを昨年より多くしています。投手陣ではバーを使った練習も復活させ、中林の球筋も安定してきました。

 また、三塁ファールラインからライト後方のフェンスまで104メートルを往復で目標タイム以内に帰ってくる練習も取り入れ、高校野球ドットコムさんの記事なども紹介して目的意識を高めさせ、より厳しいものにしています。

Q. 最後に、これから冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 この冬は自己への問いかけ、チームへの問いかけを例年以上に多くし、選手個々の人間的成長を図っていきたい。頑張れ、富西生!

 小川監督、ありがとうございます。冬の先にある春・夏の成長を期待しています!


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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