Column

北陸学院高等学校(石川)

2017.01.22


集合写真(北陸学院高等学校)

「打倒私学、甲子園出場!」

■7キロ離れたグラウンドまでランニングで移動
石川県金沢市飛梅町にある北陸学院高等学校は、1885年創立のキリスト教系の中高一貫校。有名な卒業生では声優やナレーターで活躍する能登 麻美子さんがいる。野球部のグラウンドは学校から7キロ離れた場所にある大学のグラウンドを使用しており、シーズン中はグラウンドまでの7キロをランニングで移動している。昨秋はベスト16まで勝ち進んだが、悔しい敗戦となった。選手、指導者はどんな課題をもって取り組んでいるのだろうか。

■オフシーズンの目標は「他の私学に劣らない体力作り」
現在の部員数は2年生17名と女子マネージャー2名、1年生25名と女子マネージャー2名の計46名。「打撃」「勢い」「仲の良さ」の3つをウリとし、このオフシーズンは「他の私学に劣らない体力作り」を目標に日々練習に励む。オフシーズンは、学校近くの約120メートルの急な坂を走り込む「八坂ダッシュ×10本」や、「ドリルスイング35種目×10本」が名物練習となっている。

■後半の粘り、集中力が課題となった秋の大会
北陸学院の秋を振り返ると、まず県大会へ向けてのシード決め大会決定戦では昨夏準優勝の日本航空石川と対戦。序盤に点を取った北陸学院は理想の勝ちパターンでそのまま勝利。県大会も順調に勝ち進んでいたが、秋の大会3回戦では再び日本航空石川と対戦し、序盤に点は取れたものの中盤に4点のリードを逆転されて敗退を喫する。主将で一塁手の大向 杜選手は、試合を通して見つかった今後の課題について「後半の粘りと集中力」を挙げた。そして北陸学院は「集団の無責任の根絶」というテーマにしており、主将と副主将だけではなく、全員が指摘しあい、励まし合い、責任もって行動できる人間になることを目指している。その積み重ねがチームの目標である「打倒私学」を現実になると選手、指導者陣は考えている。

■日本航空石川戦で4安打の田島 大輔選手ら注目の選手を紹介!
秋の大会で特に活躍を見せた選手について大向主将に伺うと、日本航空石川と対戦で4安打を放っている3番打者の田島 大輔選手(2年生・二塁手)、遊撃手として大会で安定した守備を見せた1番打者の野村 圭佑選手(2年生・遊撃手)、安定した投球でチームを支えた長谷川 寛人選手(2年生・投手)の3人を挙げた。

 それに加え、来春は吉村 拓丸選手(2年生・捕手)と宮下 純選手(2年生・投手)にも期待がかかる。特に宮下選手は「ムードメーカーで、流れを一気に変えるとこができるので期待しています」と大向主将も期待を寄せていた。

■「優勝」そして「甲子園出場」へ
大向主将に春に向けてどんな冬にしたいかを伺うと、「春の自分を想像して、厳しい練習を全員で乗り越えて力をつけていきたいです!」と力強く語ってくれた。春・夏の目標は「優勝」そして「甲子園出場」へ。厳しい冬のトレーニングを乗り越え、春・夏での活躍に期待したい。

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[page_break:「心」の部分をしっかりと鍛える]

練習風景(北陸学院高等学校)

「心」の部分をしっかりと鍛える

 ここからは副主将のお2人、遊撃手の野村 圭佑選手と三塁手の山本 俊太選手に答えていただきました。

Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えて下さい。

野村:秋の大会では日本航空石川に逆転負けし、その後の練習試合でも逆転負けが多く「終盤に弱い」という課題が見つかりました。去年の冬から取り入れているメンタルトレーニングで「心・技・体」の「心」の部分をしっかりと鍛え、課題を克服します。
山本:試合の入りと、終盤の勝負弱さが課題となりました。

Q. この冬はどんな冬にしたいでしょうか?

野村:この時期はチームとしてはまとまりがなく「個」のチームになりがちなので、冬の練習を通してチームが一つにまとまり、助け合いながら苦しい練習を全員で活気のある冬にします。また自主練などでは個人の技術向上を目的とし、基本を完璧にして春に良いスタート切れるようにします。
山本:キツイ練習を通し、チームメイトと声を掛け合い、チームがひとつになれるような冬にしたいです。

Q. モットーにしている好きな言葉は何でしょうか。

野村:「常に生産性のある日々を」です。この言葉は「あひるの空」というマンガに出て来る言葉です。日々の練習でできなかったプレーができるようになることで成長していくので、「生産性」はとても大切だと思います。

山本:僕は「スラムダンク」でお馴染みの、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」が好きです。

Q. このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

野村:このチームはとても仲が良く、明るいチームです。他のチームに負けないのは掃除です。毎朝、各班に分かれて学校を綺麗にし、掃除をすることで団結力や人間性を高めています。
山本:坂ダッシュの量は他のチームに負けないと思う!

Q. このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!

野村:今のよりも一回りも二回りも大きな身体にして、攻守にレベルアップをして石川県でNo.1の遊撃手になります!
山本:チームをまとめ信頼される副主将になる!

 野村 圭佑選手と山本 俊太選手、ありがとうございました!

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[page_break:テーマは集団の無責任の根絶!]

試合風景(北陸学院高等学校)

テーマは集団の無責任の根絶!

 米林 崇之監督にお話を伺いました!

Q. 新チームが始まってからどんなテーマを持ち、チームを作り上げてきたのでしょうか。

 監督としてのテーマは『集団の無責任の根絶!』です。

「集団の無責任の根絶」とは主将・副主将だけではなく選手全員がお互いを励まし、指摘できるチームになることです。ゴミが落ちている、練習中に野球に関係のない会話をする選手がいるなど、気づいているのに誰も指摘しない、誰かがするだろう…というチームの体質を変えたいと考えています。

 さらに言えばほんの些細なことでも気づける人間になることが理想です。選手一人ひとりは真面目で素直な選手が多く、それは指導者として喜ばしいことですがチーム全体(集団)となると責任感が欠けてしまうことがチームの課題です。

Q. 具体的にはどんなことを行なっているのですか?

 具体的には当たり前のことを当たり前に完璧に行う「凡事徹底」に取り組んでいます。まずは選手一人ひとりが指摘されないよう行動することです。返事の声を揃える・挨拶を徹底する・全力で移動する、一見簡単ですがなかなか徹底できません。当たり前のことを徹底できる選手が一人、二人と出てくれば、その選手が徹底できていない選手を指摘する。そういう流れになれば理想的です。

Q. 昨秋の大会を振り返っていかがでしょう?

 秋の大会の優勝校・日本航空石川シード決めの大会で勝利できたことは大きな自信になりましたが、本大会では同校に前半5対1と4点リードしながら7対5で逆転負けという悔しい結果となりました。この2点差は技術・パワーの差はもちろんですが、記録にないミスや徹底できないプレーも敗因のひとつでした。

「凡事徹底」が「集団の無責任の根絶」に繋がればこのチームの目標である「打倒私学、甲子園出場!」が現実となることを確信しています。

Q. 最後に、厳しいトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします!

 当たり前のレベルを上げよう!
「目標がその日その日を支配する」

 米林 崇之監督、北陸学院高等学校野球部の皆様、ありがとうございました!


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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