県立宮古総合実業高等学校(沖縄)
集合写真(宮古総合実業高等学校)
離島のハンデをものともしないベンチワークと粘り強さ
■多くの部活動が優秀な成績を残している宮古総合実業
沖縄県宮古島市にある宮古総合実は1946年に創設され、2007年に県立翔南高等学校と県立宮古農林高等学校が再編統合し現在の校名となった。また、キャンパスは広大で翔南キャンパス、農林キャンパスに別れ、目の前にはパイナガマビーチの海が広がっている。離島というハンデを背負いながらも、部活動は非常に盛んで男子バレーボール部や陸上部などが全国大会に出場し優秀な成績を収めており、そして野球部は秋季大会準々決勝で沖縄県優勝の美来工科と3対4と1点差勝負を繰り広げ、沖縄県の21世紀枠推薦校に選出されている。主なOBは昨年まで千葉ロッテマリーンズに在籍していた川満寛弥投手がいる。離島という環境の中、日々どんな思いで練習をしているのだろうか。
■学年を超えた仲の良さと粘り強さ
1年生10人、2年生8人と部員数は少ないチームではあるが、その分1、2年生の仲が良く上下関係がない。下里杏太主将は「試合中のベンチワークや秋の大会でも見せた粘り強さがチームの特徴です」と語ってくれた。宮古島市にあるということで、離島というハンデを感じているかと思いきや、下里主将によるとそこまでハンディと感じていないようだ。
「本島のチームと比べると試合をする相手数が少ないけど、逆に本島のチームのことを知らないぶん何も考えないで出来たかなと思います」
と思い切った戦いができた分、秋の躍進につながった。
■宮古総合実の注目選手を紹介!
秋の大会で活躍した選手について伺ったところ、秋の大会の全試合、守備で活躍した池田 理玖選手や1回戦の沖縄工業戦で10回に勝ち越し二塁打を放った友利 由貴也選手、そして下地 翔登選手や仲宗根 純平選手をあげてくれた。さらに今後の活躍を期待している選手として下里主将は濱川 真輔選手、米濱 相憂喜選手を挙げてくれた。
■沖縄優勝校を追い詰めた秋季大会
秋の大会について主将の下里選手に振り返ってもらった。
「中央大会の那覇戦はとても印象深いですね。5点差で終盤まで負けていたのに8,9回と得点を重ねて勝利できたので嬉しかったのですが、秋季大会では準々決勝で美来工科に1点差で破れた時は本当に悔しかったです」と悔しさをにじませていた。チームにとって成長を実感できる大会であったと同時に粘り強さという良さを発見できたことも非常に大きな収穫であると言える。また、小さなミスからの失点が課題であることもわかったということで非常に有意義な大会になった。
■オフシーズンの取り組みと今後の意気込み
オフシーズンの目標は体重を10キロ以上アップという目標を立てて、さらに秋の大会の敗戦理由であるエラーを改善することも目標にしている。そのために選手が取り組んでいるのが往復14.3キロもの距離がある伊良部大橋のランニングやサーキットトレーニング、さらには炎のノックと呼ばれる練習だ。下里主将は今後の目標について「秋の大会で結果を残し警戒されることが多くなると思うので、今年の冬は体を2,3倍大きくして力をつけ、技術もレベルアップして、甲子園で勝てるチームを目指します。そして春と夏で美来工科にリベンジして沖縄県制覇を目指します」と力強く宣言した。
左から 下里杏太選手、池田理玖選手(県立宮古総合実業高等学校)
守備からベンチに戻るのが楽しみなくらい大好きなチーム!
ここからは主将の下里選手に加えて副主将の池田 理玖選手にお話を伺います。
Q. ではまず初めにお二人にお伺いします。このチームの好きなところはどこですか?
下里:チームワークとベンチワークの良さですね。
池田:みんな優しくて上下関係があまりなく仲が良くて特に、試合中のベンチの中の雰囲気がとても良すぎて大好きなので毎回守備が終わってベンチに戻るのが楽しみです!
Q. すごく仲が良いんですね!では池田選手にお伺いします。この冬をどのようにしていきたいですか?
池田:自分たちに足りない栄養を120%吸収して春、夏に自分たちの目標を達成してこの冬があってよかったと思えるような冬にしたいです!
Q. きっとこの冬があってよかったと思える日が来ますよ!続いて下里選手にお伺いします。野球をする上でモットーとしていることはなんですか?
下里:必笑です!
Q. ベンチに戻るのが楽しみになるくらいの仲の良さがあるチームらしい言葉ですね。では最後にこの冬の熱い意気込みをお願いします!
下里:今後警戒されることが多くなるけど、相手チームからこのバッターはどこに投げても打つなと思われるくらいのバッターになりたいです!
池田:味方にも的にも認められる遊撃手になります!!
下里主将、池田副主将ありがとうございました!今後も素晴らしいチームワークで頑張ってください!
[page_break:全員でやり遂げる冬]練習風景(宮古総合実業高等学校)
全員でやり遂げる冬
神里 正太監督に質問!
Q. 今年のチームの特色と冬に向けた意気込みを教えてください。
新チーム発足時は、部員も少ないため、練習中や日々の取組全てにおいて、「”全員で”やり遂げる」ことができるよう、チームとしての集団意識の向上、さらにその場面での役割の徹底をテーマとしてきました。その上で、体力、打撃力、守備力の向上に取り組み、秋季大会は、1~4回戦と、僅差のゲーム展開で、「粘り」が感じられました。これも、全員の役割徹底が一つの要因となっているからだと思います。課題としては、走塁や守備面で小さな細かいミスがあったので、得点を上げ、失点を減らすために体力面を向上させ、細かな実践経験を重ね、そのケースに対応できる練習、取り組みを重ねたいと思います。
Q. 最後に厳しい冬のトレーニングを迎える選手たちに一言お願いします!
「心・技・体」ともに成長できる冬にしよう。
自分の心に打ち勝ち、仲間にも“本気”で気持ちをぶつけ、チームとして大きく成長できるよう、日々の一つ一つの取り組みを“全員”で重ねていこう。
神里監督、そして宮古総合実業高校野球部の皆様ありがとうございました!
今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!