三田松聖高等学校（兵庫）
集合写真（三田松聖高等学校）
21世紀枠推薦校に選ばれた強打の三田松聖
■兵庫県の21世紀枠推薦校に選出された三田松聖を紹介！
兵庫県三田市にある三田松聖高校は1954年に湊川家政高等学校として開設、その後、2004年に現在の校名となった。野球部は2014年夏には兵庫大会決勝に勝ち進み、例年、上位に食い込む強豪校である。昨秋の大会ではベスト16入りした実績とその健闘が評価され兵庫県の21世紀枠推薦校に選出された。秋季大会の経験を糧に三田松聖はどんな課題をもって取り組んでいるのだろうか？
■部員総勢70人！限られた環境下で練習に励む三田松聖
今年は1年生35人、2年生35人の計70人と大所帯の三田松聖。稲富 宏樹主将は今年のウリとして、「あいさつ」、「バッティング」「チームの雰囲気の良さ」と答えてくれた。さらにグラウンド状況については、野球部のグラウンドは他の運動部と使用しているため、土日しか全面を使うことができない。しかしそのような環境下でも間の行動を素早くすることを徹底して効率良く練習が進めるように工夫をしている。
■5試合で48得点で大暴れ！秋の大会後も成長した姿を見せる！
新チーム当初、練習試合のほとんどで二けた安打を放ち、打力に自信を持った三田松聖ナイン。秋の大会でも、自慢の打力を発揮し、公式戦5試合で48得点と大暴れ！県大会ベスト16まで進出した。しかしベスト8を目指した3回戦では甲子園出場経験のある関西学院と対戦し、惜しくも1点差で敗戦。稲富主将はこの試合について「雨で2回も試合が流れてしまい、勝ちたい気持ちや早く試合がしたい気持ちがあって、いつもの自分たちにはない気持ちの入り方で試合に入りましたので、冷静になれず、悔しい敗戦でした」と振り返った。
またこの秋の大会は高いレベル相手にも強打を発揮するために何が必要なのかを考えるきっかけにもなった。
「好投手と対戦したときに完全に抑え込まれ、対応力が課題となりました。それ以来、速球派に対応できる練習をしたり、選手間でバッティングのこだわりが全員増えてきています」（稲富主将）
その成果は着実に出ており、稲富主将は「好投手と対戦したことで取り組みが変わりましたし、練習試合でも結果が出てきて、打撃に自信が持てるようになりました」と手ごたえを感じている。
そして、秋の大会後の練習試合では接戦での勝利や逆転勝利が増えているが、その理由とは？
「打撃の成長はもちろん、投手や守備の安定感が増してきているのも一因だと言えます。また室内の使い方や、グラウンドでのゴミ拾いなど、生活面の向上が見える選手が多くなっています。それにより先のことを読んだり、視野の広い選手が増えてきています」
結果的に関西学院戦の敗戦が選手をより一層大きくしていたのだ。
■強力打線を担う選手たちは？
ここからは稲留主将が挙げた注目選手を紹介！
まず一番の注目は1年生・中川 健太郎選手（左打ち・セカンド）だ。中川選手は昨秋の大会で2番として16打数12安打を放ち、7割5分と驚異的な高打率を叩き出している！ミート力の高さ、勝負強さを見せる左打者のセカンドとして今後も要注目だ！また中川選手と同じ1年生で強力打線の一角を担う直井 亨太選手は秋では4番を打ち、中川選手とともに活躍が期待される。
注目打者は1年生コンビだけではない。代打の切り札で関西学院戦でもここ一番で活躍した和田 進太朗選手、そして秋の大会で2本塁打を放つ活躍を見せた松田 理輝選手、そして秋以降、長打力を大きく伸ばした右のスラッガー・樫木 仁選手も挙げてくれた。稲富主将は今後の大会に向けて期待したい選手として、先ほどの5人の選手を挙げた後、エースの齋藤 光太郎選手、青柳 貫太選手にも期待を込めている。
そして代打の切り札である和田選手と春田 哲志選手はチームを盛り上げるに欠かせない選手たちだ。
■冬の取り組みと熱い意気込み！
この冬の課題としてチームは体力、筋力、基礎技術の向上、さらには心の成長を目標に冬のトレーニングに励んでいる。冬の名物メニューについて稲富主将に詳しく説明してもらった。
「うちの冬錬では毎日15分周名物練習はタッチ走、ラダー、ミニハードルタッチ走は15分間ダッシュをします。ラダーは16種類のメニュー、ミニハードルは4種類のメニューがあってどれもきついのですが、その中でキツいのがトラック走で、一番キツいです。日によって本数は変わりますが、一番キツかったのが、200メートル4本、400メートル2本、800メートル2本、1.5キロ1本がメニューとしてありましたが、本当にきつかったですね」
それでも特に2年生は「悔いが残らない冬」にするために懸命に取り組んでいる。
そして上位チームに勝つための課題として稲富主将が考えていることとは？
「それはランナー一塁からのチャンスメイクが一番重要です。守れるチームを作るというのは当たり前なので、バッティングをさらに向上させていきたいです」
春は兵庫県大会優勝、夏は三田松聖に初の優勝旗を持ち帰っていきたいと意気込む三田松聖ナイン。その目標、そして自分たちが理想とする野球を実現するにはこの冬を大切にガムシャラに取り組むしかない。
好きなところは全力疾走です！
ここからは副主将の齋藤 光太郎選手と倉本 剛志選手の2名にお話を伺います！
齋藤 光太郎選手（三田松聖高等学校）
Q. このチームの好きなところはどこですか？
齋藤：チーム全体で雰囲気が良く、全力疾走を心がけていることですね。
倉本：試合や練習でも常に全力疾走を徹底しているから一人一人の行動が早く、そこがこのチームの好きなところです！
Q. 全力疾走を見ると清々しいです！では齋藤選手にお伺いします。この秋の課題とそれを踏まえてどのような冬にしていきたいですか？
齋藤：野手陣が頑張ってくれて層の厚さを感じ、その分投手陣の層の薄さを感じました。だから体つくりをメインに技術向上も目指していきたいですね。
倉本 剛志選手（三田松聖高等学校）
Q. 一冬越えた投手陣の活躍に期待ですね！では倉本選手にお伺いします。野球をする上でモットーとする言葉はありますか？
倉本：「凡事徹底」と「走姿顕心」です！
Q. 当たり前のことを徹底して行う、走っている姿に心が表れるという意味の四字熟語ですね。どちらも三田松聖の色にあった言葉に感じます。では最後にこの冬の熱い宣言をお願いします！
齋藤：夏を戦っていける体を作り、負けないエースに成長します！そしてチームで甲子園を目指してこれからも頑張ります！
倉本：自分を追い込んで誰にも負けないショートになれるよう成長していきます！
齋藤選手、倉本選手ありがとうございました！
齋藤 光太郎選手、稲富 宏樹選手、倉本 剛志選手（三田松聖高等学校）
目標を細分化して意味のある練習に
■大西 祐監督に質問！
Q. 新今年のチームの特色と冬に向けた意気込みを教えてください。
攻守ともに1年からマスクを被る稲富主将を中心にチームを作り、攻撃面では走れる選手、返す選手とバランスが良くどこからでも点が取れます。秋の大会での課題であった投手力をこの冬に鍛えあげたいですね。
Q. 最後に厳しい冬のトレーニングを迎える選手たちに一言お願いします！
「目標の細分化！！」一分一秒を無駄のないように常に「考えて」意味のある練習にしよう！
大西監督、そして三田松聖高校野球部の皆様ありがとうございました！これからも全力疾走の姿を期待しています！
