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清宮幸太郎と万波中正の違いとは?超高校級プレーヤーを徹底比較!

2016.08.09

徹底比較!清宮幸太郎と万波中正の違いとは?

左:万波 中正 (横浜)、右:清宮幸太郎(早稲田実業)

 高校通算53本塁打の清宮 幸太郎早稲田実業)に続くスラッガーとして期待されているのが万波 中正だ。東練馬シニア時代から投打ともにずば抜けたパフォーマンスを見せていた万波。

 中学時代、投手として最速138キロを計測しているように強肩強打の外野手として、1年春からベンチ入りし、甲子園でもベンチ入りを果たしている。そんな万波に対し、期待度は高く、清宮級の活躍が期待されている。ただ本人は大きな差があると実感しているだろう。当時の清宮を思い出しながら比較をしていきたい。

 今ではどのコースにも打ち分け、手が付けられない勢いとなっている清宮幸太郎。その清宮の1年生の頃は、まだ打球が上がることが少なく、ライナー性の打球が多かった。素晴らしかったのは三振が少なく、しっかりと芯に当てることができていたこと。しっかりとボールをコンタクトをして、前へ飛ばす能力が誰よりも優れていた。打球の角度が付かないだけで、それさえできれば、本塁打連発できる可能性は秘めていたのだ。

 すると、清宮は1年秋から本塁打を連発。ブロック予選・都大会で4本塁打を打つと、そして一冬の間に筋力トレーニングに取り組んだり、確実性を高めるために、右足をすり足気味に上げるフォームに修正してから一気に本塁打を量産。春では7打数4安打、1本塁打3打点、夏では12打数7安打、3本塁打8打点に大活躍。超高校級の技術に、超高校級のパワーを身に付けた清宮に隙が全く見当たらない。

 一方、万波は、身体に秘めるパワー、飛距離は清宮以上だ。なんといっても190センチ92キロと高校1年生どころか、高校生レベルを超越した体格をしている。ジャンカルロ・スタントンに憧れる万波は、かなり動きが小さく、ほぼノーステップで打ちに行く。しかし気になるのは、動作が少なすぎて、いわゆる遊びがない。そのためかなり柔軟性がないフォームになる。スイング自体は豪快でおもわず観客が「おっ」と挙げてしまうほどのものだが、始動が遅れ、春先には、130キロに振り遅れるということがあった。

[page_break:アウト1つでも大砲だと印象付ける万波]

アウト1つでも大砲だと印象付ける万波

 この夏は、打撃フォームを見直したのか、構える時にバットを揺らして、動作に遊びが出て、少しずつ柔軟性が出てきた。神奈川大会2回戦の向の岡工戦で7番ライトでスタメン出場した万波は3打数2安打の活躍すると、3回戦の松陽戦ではバックスクリーン直撃となる特大本塁打を放つ推定飛距離135メートルといわれるこの本塁打。打った球種は外角低めのスライダー。投手として文句なしの攻めをしたが、こういう当たりを打てるところが違う。しかし4回戦以降、万波は不発に終わり、準々決勝からは試合出場はなかった。

 だがアウト1つでもこの男は大砲だと印象付ける。それは向上戦(試合レポート)のことだが、万波は大きなレフトフライに倒れたが、これも非常に滞空時間が長いフライだった。スカウトはフライがどう打ちあがるか、滞空時間が長いフライなのかも強打者の目安になるというが、万波のパワー自体は、やはり別格のものがあるといっていい。しかし確実性が伴っていないだけなのだ。

 ライナー性の打球から少しずつ角度を上げて、高校生ナンバーワンスラッガーになった清宮とは対照的に、ボールをコンタクトする技術を磨き、コンスタントに本塁打を打つ技術を身に付けることがこの選手の鍵となる。甲子園期間中の打撃練習では木製バットで本塁打を打った万波。

 ミレニアム世代に生まれた怪物が甲子園を震撼させることはできるか、甲子園登場の第1打席から注目だ。


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(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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