通信制高校が高校野球界を変えていく!甲子園初出場を決めた創部3年目・クラーク記念国際高校に続け!!
クラーク記念国際の施設はもはや世界水準!?
7月21日、北北海道大会決勝が行われ、クラーク記念国際が創部3年目で甲子園への切符を手にした。通信制の高校では、全国初めての選手権出場となる。(野球部訪問)
創部と同時に駒大岩見沢を春夏合わせて12度の甲子園出場に導いた佐々木 啓司監督が着任。選手達の守備を鍛え上げ、新たな「ヒグマ打線」を構築し、いざ甲子園と取り組んだ。これに応え、本気で野球と向き合う選手たち。このヒグマの師弟に学校側もまた全力で応え、施設を拡充。練習場にトレーニングはもちろん、食事や勉強などの生活面に必要な設備を整え、全国でも類を見ないアスリート養成のための高水準の環境を整えた。
これだけスムーズに次々と最高水準のものを用意できたのは、学校長が世界的に有名な登山家・三浦 雄一郎さんというところも大きい。登山には並のアスリートに引けを取らない体力や精神力など総合的な力、そして万全のサポート体制が必要となる。それらの伝手を世界的なレベルで持っているというのはなんとも心強い。
本気でサポートをする、となったらフットワークが軽いのも新しい学校、新しいチームの強みだろう。
躍進を支えた水上虎之介主将と渡部健人選手(日本ウェルネス)
同じく通信制の学校で、東京で旋風を巻き起こしたのは、東京日本ウエルネス。(野球部訪問)
青森山田で監督やコーチを務めるなどした美齊津 忠也監督が2013年に着任。部員7人から出発し、今春は東京ベスト16入り。夏は東日本大会でベスト16入りを果たした。その原動力となったのは横浜商大高からの転校生、強打者・渡部 健人。(過去インタビュー)
名門校をやめた渡部は東京日本ウエルネスに入ると、スコアラーや雑用などをこなしながら野球に真摯に取り組み、そして再び花開くことになった。
さらに、長野にも、長野日本ウェルネス信州筑北キャンパスがあり、そちらは松商学園、長野日大などで監督を務め春夏通算11度の甲子園出場経験を持つ中原 英孝監督が指揮をとる。甲子園通算勝利数は14。長野県内で一番甲子園で勝っている監督として、その指導力は折り紙付きだ。
こちらは今年の春季大会から出場。早くも今夏1勝を上げており、今後の躍進が楽しみなチームであることは間違いない。
もちろん、通信制ならではの苦悩も多い。東京日本ウエルネスの美齊津 忠也監督は夏大会前にこんな話をしていた。
「選手たちにいつもこう伝えているんです。『通信制の学校だから、どうしても色眼鏡に見られる。それでも応援してもらえるようになるには、普段からの学校生活、日常生活、練習態度が大事なんだよ』と」
様々な苦労と戦いながらも、甲子園初出場を決めたクラーク記念国際をはじめ、この夏、まだまだ勝ち上がっている通信制の学校はある。
神奈川の星槎国際湘南もそうだ。桐蔭学園を率いた・土屋恵三郎監督が就任し、着実に力を積み上げている。今大会はすでに2勝をあげ、次は3回戦に挑む。
どんな環境であれ、野球が大好きで、甲子園を目指したい!もっと上手くなりたい!そんな球児たちの思いは変わらない。
現代の高校野球界に風穴を開けたクラーク記念国際に続く、通信制学校の躍進が楽しみだ。