オリジナル曲が満載!拓大紅陵の野球応援誕生秘話を紹介!
応援歌のほとんどがオリジナル曲!
今夏の千葉大会では、4回戦で夏準優勝の習志野に4対2で惜しくも破れた拓大紅陵。相手は吹奏楽部も名門の習志野ということもあり、野球応援対決としても試合前から大きな注目を集めていた。今回は、そんな拓大紅陵吹奏楽部にお話を伺った。
拓大紅陵の野球応援といえば、ほとんどオリジナルの曲を使用していることで有名。特に人気が高い「チャンス紅陵」は、千葉県内だけではく、全国でも多くの高校が演奏している。しかし、実はこの曲が拓大紅陵のオリジナル曲だったということを知らずに演奏している学校は意外と多い。33年間、拓大紅陵の教師を勤める吹奏楽顧問の吹田 正人氏はこう語る。
「うちの応援歌を演奏してくださっているのを、私もよく耳にします。中には、この曲を使わせてくださいと、県外の学校から連絡が来ることもあります。私が作った曲が、多くの人たちに気に入ってもらえるのは本当に嬉しいことですね」
実は、拓大紅陵のオリジナル曲というのは、全て吹田氏が作曲したもの。毎年新しい曲を作り、1曲追加するのが恒例になっているが、これまでに作曲した曲を合わせると、その数はなんと35、36曲にも及ぶ。
吹田氏が曲を作り始めたきっかけは、当時の野球部監督であり、昨年侍ジャパンU-18代表の監督も務めた小枝 守氏からの一言から始まった。
「小枝元監督に、曲は作れるかと聞かれたんです。この曲を聴いたら紅陵だとわかってもらえるような曲を作ってほしいという話をされまして、そこからオリジナル曲を作るようになりました」
当時の野球応援は、現在のようにバリエーションが豊かではなかった。どこの学校も同じ曲を演奏していたため、野球応援で目立つ学校はいなかった。しかし、そんな中でこの曲は紅陵だとわかる曲ができれば、生徒たちにとっても誇りになるし、プライドを持つことができる。そう考えた吹田氏は、応援を通じて仲間との一体感やプライドを生徒たちが持てるように、教育の一環としてもオリジナル曲を作り続けることを決意した。
基本的には毎年新曲が加わるが、どの曲も大好評。生徒たちだけではなく野球ファンも毎年楽しみにしているほどである。これまでに作られた歴史ある応援歌はもちろん、今後の吹田氏の新作にも注目だ。
次ページでは、部長の安永 涼乃さん、副部長の保浦 七彩さん、応援担当のビドイア 明美さんにお話を伺います!
紅陵の野球応援の魅力とは?!
ここからは部長の安永 涼乃さん(トランペット)、副部長の保浦 七彩さん(クラリネット)、応援担当のビドイア 明美さん(ユーフォニアム)の3人にお話を伺います!
Q.夏の野球応援で気をつけていることは?
安永:選手との距離があるので、室内で吹くときよりも遠くを意識して演奏しています。音量もそうなんですけど、応援する気持ちも持ってとにかく一生懸命演奏しています。
保浦:私は野球応援の一体感が好きなので、音量というよりも音を揃えるところをしっかりと揃えて、みんなで一丸となって演奏できるように意識しています。また、クラリネットのように木でできている楽器は、日に当たるとヒビが入ったりするので、プラスチック製のものを使用したりと、楽器を使い分けています。
ビドイア:一体感を大事に、選手たちに届くように、遠くに届けるように意識して演奏をしています。
Q.野球応援で楽しいと感じるのはどんな時ですか?
保浦:ヒットとか得点が続くと、みんなで「またこの曲きたね!」って盛り上がるので、その瞬間が本当に楽しいです。吹き続けるのは大変だけど、やっぱり嬉しさや楽しい気持ちが勝って、疲れは家に帰ってからドッとくる感じです(笑)。
ビドイア:球場以外でも、野球応援を演奏する機会が多いというのがおもしろいです。世間からの野球応援の認知が高いおかげで、いろんな企画や映画などに出られるというのは、紅陵ならではでいいと思います。
Q.お気に入りの曲は?
安永:やっぱり得点のときに演奏する「深紅の誇り」が好きです。
保浦:本当に全部好きなんですけど、私は「GO FIGHT」が好きです!最初に全部の応援歌の譜面を配られて吹いたとき、すぐにこの曲がお気に入りの曲になりました。あまり演奏する機会はないんですが、たまに吹くってなると本当に嬉しいです!
ビドイア:私は今年の新曲である「紅陵ムーヴ」です。毎年新曲を出していますが、この曲は私の代の曲なので、とても思い入れがあります。
Q.吹奏楽部から野球部へのメッセージをお願いします!
3人:少しでも自分たちの演奏が力になればと思っているので、野球部さんにも更なる活躍をしてほしいと思います!これからも全力で頑張ってください!
拓大紅陵吹奏楽部のみなさん、ありがとうございました!
次ページでは、拓大紅陵の応援歌を紹介します!
2017年の新曲あり!人気のオリジナル曲を紹介
■チャンス紅陵
■ノッテけ!紅陵
■紅陵ボンバー
■紅陵ムーヴ(2017新曲)
■勝利のテーマ
■燃えろ紅陵
拓大紅陵吹奏楽部のみなさん、ありがとうございました!
(取材・文=鈴木 沙弥加)