甲子園でのゲン担ぎ曲に?!モンスト野球応援歌の誕生秘話 座談会
中高生を中心に人気のスマホアプリ『モンスターストライク』(以下モンスト)のメインテーマ曲が今、甲子園の野球応援歌として話題を集めているのをご存知だろうか?
昨年夏の甲子園でも『モンスターストライク』をスタンドで演奏したチームが全国制覇を果たすなど、いわば「ゲン担ぎ曲」ともなっている。今年の春には、難易度の高いクエストのBGMでもある「爆絶」を第2弾としてリリース!
今回は吹奏楽部や野球部の間で話題の、モンスト野球応援歌の生みの親である原作者・桑原 理一郎さんと、野球応援歌にアレンジをした亀岡 夏海さん、橋本 鍾愛さんの3名に、曲が出来上がるまでの秘話を伺いました。
【取材にご協力いただいたメンバー】
桑原 理一郎氏
モンスターストライク 作曲者
亀岡 夏海さん
モンスターストライク 「メインテーマ(応援歌ver.)」アレンジャー
橋本 鍾愛さん
株式会社ミクシィ XFLAG スタジオ XFLAG ARTS サウンドグループ
モンスターストライク 「爆絶(応援歌ver.)」 アレンジャー
モンスト野球応援歌を作り出した3人を紹介!
桑原 理一郎氏(モンスト作曲者)
――まずは、今回のモンストの野球応援歌における、みなさんの役割を教えてください。
桑原 理一郎氏(以下、桑原):
私はモンストのゲーム中に流れるBGMを作曲させていただいています。今回はその中の「メインテーマ」と「爆絶」を、亀岡さんと橋本さんに野球応援歌バージョンとしてアレンジしていただきました。
亀岡 夏海さん(以下、亀岡):
私は普段、作曲、編曲、オーケストレーションという仕事をしていますが、今回は桑原さんが作ったモンストの「メインテーマ」を吹奏楽で演奏しやすいようアレンジしました。
橋本 鍾愛さん(以下、橋本):
私は株式会社ミクシィにおいて、モンストをはじめとしたエンターテインメント事業を担うXFLAG スタジオのXFLAG ARTSという部署で、サウンドクリエイターとして働いています。今回の企画では、モンストの中でもとても難易度の高いクエストで流れる「爆絶」という曲を、亀岡さんと同じように吹奏楽でも演奏できるよう、各楽器のパートごとに楽曲をアレンジしていきました。
――モンストの曲を野球応援歌にするに至った経緯を教えてください。
亀岡:
最初にミクシィさんから、モンストの曲をもっと幅広く、多くの方々に楽しんでもらいたいというお話をいただきまして、モンスト自体、中高生を中心に人気のゲームですので、彼らにとって身近な存在であろう野球部、それを応援する吹奏楽部の方々に向けてアプローチしてみようということでこの企画がスタートしました。
最初は野球応援用ではなく、吹奏楽部用のアレンジを加えていきました。その際、吹奏楽部内の人数の事情によってどの編成に変更しても鳴りがいいよう、使いやすさを優先していきました。
その後も、企画に併せてその都度アレンジを修正し、よりシンプルな作りにしていきました。その中で桑原さんの原曲の和音感は残しつつ、徐々に野球応援の曲へと変化させていきました。
演奏する側も『爆絶級』の演奏を
亀岡 夏海さん(メインテーマ アレンジャー)
――現在の野球応援歌になるまでに繰り返しアレンジを重ねていたのですね。野球応援歌に近づけるために、曲のどんな部分を大事にされましたか?
亀岡:
現場感をとても大事にしました。球場で演奏されているのを聴くと、細かいパッセージ(曲中のつなぎ)を省略したり、メロディはユニゾン(各パートが同一の音を演奏すること)にしていることが多かったんです。実際、声援でほぼかき消されてしまうんですよね。なのでその演奏方法に合わせてアレンジを進めました。
でもやりすぎてしまうとモンストの良さがなくなって味気なさを感じてしまうので、良さは残しつつ。なるべく現場に近いものを落とし込んでいった感じです。
――昨年夏の「メインテーマ」に続いて、春には2曲目となる「爆絶」を野球応援歌バージョンとして出されました。この曲を2曲目に選んだ理由を教えてください。
橋本: 「爆絶」はモンストの中で特に人気の楽曲で、ゲーム内でも難易度の高いクエストで流れる曲です。「メインテーマ」を応援曲として出したなら、2曲目にはこの曲しかないというくらい、ユーザーの方々からも人気の曲となっています。ノリが良くて明るい「メインテーマ」と比べると、「爆絶」には強敵が立ちはだかるような、また選手やチーム全体の士気を上げるような、力強い曲になっているのではないでしょうか。
最初は野球応援歌らしさを追求しすぎて、「爆絶」の持つ迫力がなくなってしまいアレンジに悩みました。でも、そこからはいっそのこと、原曲のイメージをとにかく残そうということで、楽器を増やして迫力のある曲に仕上げました。ちょっと楽器が多くて、野球応援で演奏するには大変な部分もあると思います。そういった意味では、演奏する側も『爆絶級』の演奏を!ということにさせていただきたいです(笑)。室内でしか演奏できない楽器もありますが、ぜひ挑戦してみてほしいですね。
――昨年の夏は、メインテーマを実際に野球応援歌として演奏しているチームもいましたが、その様子を見られていかがですか?
桑原:
自分の作った曲を使っていただいただけでも本当に嬉しいのですが、実際に球場で演奏されているのを聞くと、とても光栄な気持ちになります。曲は毎回、魂を削って作っているので、演奏してもらえるとすごく嬉しいですね。
亀岡:
応援に使ってくださった高校が勝ち上がって何度も演奏されるのを聴いたり、野球中継以外のニュースなどで耳にしたりすることがあると、制作に関わっている身としては嬉しいですよね。
応援そのものを盛り上げていきたい
橋本 鍾愛さん(「爆絶」アレンジャー)
――みなさんの高校時代は、やはり音楽をやられていたのでしょうか?
亀岡:
実は、私は吹奏楽部ではなかったんです。でも小さい頃からピアノと作曲レッスンを受けていました。高校は進学校だったので、どちらかというと部活よりも受験という感じでしたし、野球部は予選1回戦を突破するか否かというレベルでした。しかしたまたま3回戦くらいまで勝ち進んだ奇跡の年があって、学校中がすごく盛り上がりました。そのとき初めて吹奏楽部が応援に行きましたね。惜しくも負けてしまったんですが。
桑原:
私は、高校時代はバレーボール一筋でした。10歳の頃からはじめて、未だにクラブチームでもやっています。高校野球に関しては、友達も出ていたのでもちろん応援はしていましたが、自分たちの大会もあったので…(笑)。楽器は4歳から12歳くらいまでバイオリンを習っていて、音楽を再開したのは大学院の頃ですね。
橋本:
実は、私は楽器をあまり演奏しないんです。曲はほとんどパソコンで作っていて、人間味が欲しいなと感じたときは、一音一音ギターやピアノを弾いて録音したりします。
――最後に、モンスト野球応援歌に込めた熱い想いをお願いします!
亀岡:
高校野球において、主役は球児のみなさんだと思うので、モンストが少しでも応援の力になればいいなと思います。そして青春を思う存分味わって欲しいです。
橋本:
球児のみなさんと応援している方が一体となれるように、応援そのものを盛り上げていきたいです。応援の力で試合の流れが変わることもありますし。今後はモンストの曲が応援の代名詞になっていったらいいなと思います。選手の方や応援する方にとって、モンストをプレイしている時のような“アドレナリン全開”の空間を、楽曲を通して演出できたら嬉しいです。
桑原:
その年の甲子園はそのときにしかないと思うので、全国の球児のみなさんが全力で頑張っているのを音楽で少しでも応援できたらと思います。そして、球場でモンストを耳にしたときには、少しでも応援曲に使いたいなと思っていただけたら嬉しいですね。
――桑原さん、亀岡さん、橋本さん、ありがとうございました!今年の夏も球場でモンスト応援歌が演奏されることを楽しみにしています!
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【モンスターストライク 特設ページ】