3年生座談会 宜野座高等学校(沖縄)「夏ベスト8!全4試合をメンバーが振り返る」【前編】
初戦で中部商との秋8強対決を制して波に乗った宜野座は、3回戦では春3位の沖縄尚学を破るなど好試合を見せた。準優勝した美里工に敗れたものの、8回を終えて2点差をつける力強さを見せるなど、ワクワクさせるチームだった。今回、春の初戦敗退から熱い夏にすることが出来た宜野座ナインに大会後にお話を伺った。
【座談会メンバー】
佐久田 来樹:右投右打、1番ショート。数々の好プレーで観衆を魅了。攻守における圧倒的能力と存在感、そしてキャプテンとしての信頼感はまさに「宜野座のジーター」。沖縄尚学戦では諸見里俊から先頭打者ホームランを記録した。打率.474
奥間 太一:右投両打、4番キャッチャー。佐久田と共に連携プレーをリードする難しいポジションに居ながら自分の役割も淡々とこなすクールな要。中部商戦と沖縄尚学戦では、タイムリーを放った。
大嶺 二千翔:右投左打、2番セカンド。身長164cmと小柄だが、美里工戦では1回にライトオーバーの三塁打を放つなど3安打をマーク。俊敏な動きで、何度も相手のヒット性の当たりを捉えアウトにした。
仲田 尚徳:右投右打、3番ライト。佐久田と同じく全試合ヒットをマークし、打率はチームトップの.467を誇る。勝負強い打撃で1、2番の走者をしっかりと返しベスト8に貢献した。
玉城 楓:右投右打、8番ピッチャー。難しいインステップ投法で相手を抑えてきたエース。3回戦までの防御率は23イニングを投げて0.78。被打率も.159という好成績を残しベスト8進出を果たした。
最後の夏を終えて率直な思いとは?
佐久田 来樹選手(宜野座高等学校)
――今日はお集まり下さりありがとうございます。夏が終わりましたが今の率直な感想を聞かせてもらえますか。
佐久田:この大会はチームがひとつとなったので良かったです。
奥間:終わってしまったけど、悔いが残らなかったかといえばそれは嘘になるけど、みんなで最後までやれたのは良かったなって思います。
仲田:美里工との試合はまだまだ出し切れてなかったなぁというところがありました。しっかり切り替えて次のステージに活かしていきたいです。
玉城:俺も悔いが残っているけど、たくさん投げることが出来たし、楽しめたなと思っています。この悔しさを大学で晴らしたいです。
大嶺:甲子園に行けなかったのは悔しいけれど、三年生が最後まで走りきったのは良かったと思います。
夏の全試合を振り返る!あの試合で実は・・・
玉城 楓選手(宜野座高等学校)
――夏の大会を1試合ずつ振り返って頂きたいと思います。
■中部商戦
奥間:初戦の中部商とは、抽選会前の練習試合で1対1という結果だったということもあり、相手の名前を聞いたとたん引き締まって。当日固い部分もあったけど、そんな中で4対0という良い試合運びが出来たことで、今大会の勝ちに繋がっていったと思います。楓も久し振りに9回を完投したし、3安打しか打たれなかった。点の取り方も先制、追加、ダメ押しとホント良い勝ち方でした。
試合レポート:宜野座-中部商
■北山戦
玉城:北部リーグや練習試合で何度も対戦してきたのが北山。自分も大晟(伊藤)も点を取られていました。周りは余裕だろ、と言っていたけど、正直何があるか分からないですから。1、2回に点が取れたけどその後はチャンスで打てなくて。最後もピンチで焦ったけど、勝てたから良かったです。
試合レポート :宜野座-北山
■沖縄尚学戦
佐久田:練習試合含めて2度対戦、1敗1分で勝ったことが無いこのブロックシードの沖縄尚学は意識していた部分がありました。2年前の先輩たちも準決勝で延長の末に負けていたので、やっぱりリベンジしたいという気持ちが全員にありました。最初に流れを掴みたかったのでああいう形(自らのホームラン)で入れたのは良かったです。
その後も得点を重ねていったけれど、終盤でシードの底力を感じさせられて。だからこそ、みんなで気持ちを切らさずに集中出来たことが勝ちに繋がったと思います。9回の1点が大きかった。あれが無かったら危なかったと思うし、練習の成果が出たなと。一人一人が役割を果たした良い試合だったなと思います。
試合レポート:宜野座-沖縄尚学
■美里工戦
仲田:小学校からやってきたメンバー(前徳、神里)が向こうにいてやりづらかったけど、アイツらには負けられないという思いもありました。初めから点の取り合いになったけど、初回に2点を取られて焦る気持ちもあった中で、自分がしっかり犠牲フライで1点を返せました。この試合は面白くなるぞとみんなが感じてた試合でした。恭里(岸本)がホームラン打った時なんか会場の歓喜や声援が凄くて。打席に立っていて、野球って最高だなとホントに思いました。最後は同じ金武中学の前徳に逆転タイムリーを打たれて負けたけど、悔しいけど打たれたのがアイツだったのでスッキリした部分もあって。楽しかったです。
佐久田:9回は、見えないミスが重なったな。
大嶺:気を抜いていたつもりは無かったけどな。
佐久田:無死一、二塁でのサードゴロ。俺的にはサードベースを踏んで欲しかった(二塁フォースアウトで一死一、三塁となった)一、二塁のほうが守りやすい。あと、俺とお前の判断ミス。
大嶺:あぁ。。
佐久田:ゲッツー体制だったら、(前徳の)打球は防げていた。
奥間:でもあのあとのクリーンアップをよくゼロで抑えたよな。
玉城:内側突いてやれと。それでドン詰まりのファーストゴロで抑えられました。
全員:大田君もオーラあったけど1番(浦崎君)バッターもヤバかったなぁ。
試合レポート:美里工-宜野座
カギとなったサインプレー
奥間 太一選手(宜野座高等学校)
――サインプレーで数々のチームを手玉に取ってきましたね。
佐久田:サインプレーは練習してきました。ドンドンやろうぜと。
奥間:でも北山戦で一度失敗したな。練習でも失敗しなかったのに。
(一同、笑う)
奥間:仲間監督(この夏で勇退)が教えてくれて。それを自分たちで試行錯誤して。
――それでも普通はセカンド牽制とか、滅多に引っ掛からないですが、皆さんは成功していました。
奥間:内野手全員が僕が出すサインを見て、カバーする外野も含めて次の瞬間全員が動いています。例えば一塁へ牽制したいとします。僕がピッチャーとファーストにサインを出して、キャッチ&スローの瞬間にはもう一塁手とライト、セカンドなどが走っているという感じです。
佐久田:実戦の中でランナーが出ると敢えて守っている1、2年生と入れ替わって。大会2週間前ほどから詰めてモノにしました。
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まだまだ宜野座ナインの熱いトークは続きます!後編をお楽しみに!
(文=當山 雅通)
今年も大好評!
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