第14回 徳島インディゴソックス・鈴木 康友コーチに10の質問 スペシャリストが語り尽くす「指導戦略論」【Vol.3】2017年10月01日

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【目次】
[1]攻撃で仕掛けるタイミングは「追い込まれてから」
[2]劣勢時には選手に「具体的シナリオ」を伝える
[3]緊張している場合には「目を見て話す」

 今季、日本独立リーグ・四国アイランドリーグplusで前期を圧倒的に制した徳島インディゴソックス。新監督兼投手コーチとして見事な手腕を発揮した養父 鐵(ようふてつ)監督を陰日なたなく支えたのが鈴木 康友ヘッドコーチである。

 高校時代は奈良の強豪・天理高校で大型ショートとして4度の甲子園出場。プロ入り後も職人的守備と勝負強い打撃で読売ジャイアンツ、西武ライオンズ、中日ドラゴンズで計15年間活躍。コーチとしてもNPBだけでも西武ライオンズ、読売ジャイアンツ、オリックス・ブルーウェーブ、東北楽天ゴールデンイーグルス、福岡ソフトバンクホークスを渡り歩き。多くの選手を指導してきたスペシャリストだ。

 では、そんな鈴木コーチは練習や試合でどのような指導や戦略を描いているのか?今回は「僕のお話することが全てではないと思いますが、18歳からプロに入って40数年で思ったことをお話しします」鈴木 康友コーチの多大なる協力の下、高校球児はもちろん、指導者にも向けた「指導戦略論」を「10の質問」形式で4回に分けてうかがった。

 「第3回」では試合に入る上での「戦略」について語った第1回。試合において不可欠の流れのつかみ方について語って頂いた「第2回」をベースに、さらに深く具体的戦術について語っていただきます。

攻撃で仕掛けるタイミングは「追い込まれてから」

Q6.「先発エース左投手登板。9回裏。同点。一死一・三塁。打者は最もチームで頼れる俊足巧打の左打者1番。ここまでノーヒット」で考えられる戦略とは?

鈴木 康友ヘッドコーチ

――では鈴木コーチ、1つ、状況の中で考えられる戦略を教えてください。「先発・エースの左投手が投げ続け、9回裏同点、一死一・三塁で打者はチームで最も頼れる左打者の1番。ただしここまでノーヒット」。ここでの守備側・攻撃側で考えられるゲームプランはどのようなものでしょうか?

鈴木 康友コーチ(以下、鈴木):まずは攻撃に関してからいきましょう。サヨナラの場面なので二遊間はバックホーム、一塁走者は関係ないので 一塁手もベースを外しています。ただ、そこでセーフティスクイズをやるのは案外難しい。ダメ押し点のスクイズは相手も警戒していないから簡単にできるんですが、決勝点でのスクイズは難しいんです。

 しかも一つ塁が空いているので、甘い球はこないけど、左バッターだと捕手からのピックオフプレーがやりやすいからギャンブルスタートはやりづらい。右打者ならリードを取りやすいですが、左打者だと捕手から三塁が見やすいので。1点負けていたら違うけど、この場面なら信頼して打たせますね。

 三塁走者は普通の「ゴロゴー」を指示します。初球からギャンブルスタートは危険でしょう。投げてるうちにタイミングが合ってきて、1ボール2ストライクと追い込まれて、低めの変化球がくるときはゴロになる可能性が高くなる、そこでギャンブルに切り替えます。

――なるほど、いろいろな考え方が見えてきました。では、守備についてはどうでしょうか?

鈴木:とにかく外野に飛ばないようにすることです。投手は低めに投げる。そして低めに投げられる投手なら究極の策として、左翼か右翼を二塁ベース辺りに配置して内野手5人シフトを敷きます。これはMLBではよくある作戦です。

 加えて内野手が前に守ると同時に、ポテンヒットを防ぐために外野も前に出します。定位置のフライならどちらにしろ犠飛になってしまうからです。

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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