第14回 桐蔭横浜大(神奈川)齊藤 博久監督「緻密な戦術は組織作りと日々の練習で練られるもの」【後編】2017年09月16日

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【目次】
[1]会心のゲームとなった慶大戦
[2]「勝とう」ではなく「負けない」
[3]好投手を打ち崩す、緻密な戦術

 桐蔭横浜大を全国クラスの強豪に育て上げ、12年の明治神宮大会では創部わずか7年目ながらチームを日本一に導いた齊藤 博久監督。今春の神奈川大学野球リーグでも10戦全勝で完全優勝を果たし、09年以来9年連続で春か秋のいずれかのシーズンでリーグ優勝(13年は春秋連覇)している桐蔭横浜大は、どのようなゲームプランを立てて試合に臨んでいるのだろうか?

桐蔭横浜大(神奈川)齊藤 博久監督「選手主体のゲームプラン作り」【前編】から読む

会心のゲームとなった慶大戦

齊藤 博久監督(桐蔭横浜大)

 これまで多くの試合を積み重ねてきた齊藤監督だが、ゲームプランが上手くはまった試合として印象に残っているのは慶大と対戦した10年の大学選手権・2回戦だ。
「当時の慶大の主戦は竹内 大助投手(トヨタ自動車)と福谷 浩司投手(中日)の2人で、どちらもモーションが大きかったんです。そこで、キャッチャーは強肩だったんですが、この試合では『必ず三盗をする』というテーマを掲げました」

 実際の試合では福谷投手が先発。桐蔭横浜大の東明 大貴投手(オリックス)と共に6回まで両チーム無得点の投げ合いとなるが、7回表の桐蔭横浜大は二死ながら一、二塁のチャンスを作る。この場面で齊藤監督は「二塁ランナーに三盗のサインを出しました。勝ち上がれば慶大と当たる組み合わせになった時から、この時のためにずっと三盗の練習をしてきましたからね」

 そして、狙い通りに盗塁を決めて一、三塁とすると、今度は一塁走者がスタート。キャッチャーが二塁へ送球する間に三塁走者がホームを陥れるダブルスチールで先制点を奪うのに成功した。
「肩が強い捕手は盗塁を刺したいという気持ちが強いので、読み通りでした」

 その後、同点に追いつかれたが、9回表の攻撃では先頭打者が出塁するとバントで送り一死二塁。この場面も齊藤監督は三盗のサインを出した。
「ここも盗塁に成功して一死三塁としたのですが、二塁走者がなかなかスタートをきれなくて打者のカウントが悪くなっていたんです。ギャンブルスタートのサインは出していたので、内野ゴロでも得点できる可能性はあったのですがバッターは三振で結局、得点を挙げることはできず、試合もサヨナラで敗れてしまいました。でも、ゲームプラン的に見れば会心のゲームでしたね」

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