【選抜出場校徹底分析】敦賀気比高等学校（福井）

山﨑 颯一郎（敦賀気比）

チーム記録
打率19位

防御率12位
1試合平均失点8位
1試合平均被安打3位
1試合平均与四死球9位
1試合平均被犠打飛の少なさ5位

　32校の中で最長の4季連続出場。昨夏の甲子園ベンチ入り5人を中心に選抜連覇を狙う。
8月13日に花巻東に敗れ（試合レポート）、旧チームは春夏連覇の夢を達成することはできなかった。新チーム初戦は6日後の8月19日。相手はなんと、11月の明治神宮大会決勝で戦うことになる高松商業だった。この試合で新エースの山﨑颯一郎が完投し、2対1で勝利。直後の敦賀市長旗でも山﨑は敦賀を完封するなど、新チームは順調に船出したことがデータから読み取れる。

　公式戦に入ると、投手陣は山﨑と西本 汰生の2人で賄った。山﨑は10試合に登板し8完投。そのうち完封は2。無四球完投が2試合あるなど、与四死球率2.26で32校の主力投手（投球回数25以上）ランキング11位に名を連ねた。完投した試合で最も与四死球が多かったのは、北信越大会決勝の5である。また被安打率も5.83と32校の主力投手で9番目に低い。失点は唯一敗れた明治神宮大会決勝を除くと、1試合3点以内と安定していた。

　右サイドスローの西本は県大会決勝で福井工大福井を3安打完封。県大会2回戦を合わせ、2試合で9回完封を果たしたのは立派だ。防御率1.32と、被安打率4.94は山﨑を上回る。特に被安打率は32校の主力投手の中に入れても6位にランクされた。
守備は12試合で11失策、全て内野手のものだった。気になるのは明治神宮大会3試合で5失策とやや崩れたところ。ただし、失点に占める自責点の割合は90.91と32校で8番目に高く、守りのミスが失点にはあまり繋がらなかった印象がデータに表れている。
カギはキャッチャーで、北信越大会では井戸川 龍也、明治神宮大会では小島 誠人を起用。この2人のどちらが春にマスクを被るか？

　打線は主将となった3番・林中 勇輝が旧チームから経験豊富な選手として引っ張る。秋は打率こそ2割9分5厘に終わったが、チームトップの8四死球を得て、盗塁も8回成功させた。経験の分、マークはされるだろうが、やはり今大会注目の打者の1人に間違いない。
植村 元紀がチームトップの打率4割6分7厘、打点10を記録。北信越大会までは5番や6番を打っていたが、明治神宮大会から1番を任されるようになった。天野 涼太は安打数15と打点10がチームトップ。ヒットは1本も打てなかったが、山﨑の犠打飛8も重要な数字と言えるだろう。オフェンスのもう一つの特徴が機動力で、12試合全てで盗塁を記録している。

　明治神宮大会後は例年通り、練習試合inくまのに参加。決勝で逆転負けを喫したエース・山崎も、最後に三田松聖を完封して2015年を締めくくった。

　秋季大会の登録選手は20人。レギュラーの左打ちは4人となっている。
出身地は例年通り県外が多く20人中16人。東 哲平監督の故郷である京都を含め、近畿地方が12人。一方、福井出身は4人で、そのうち1人が学校のある敦賀市の中学校を卒業している。