【選抜出場校徹底分析】常総学院高等学校（茨城）

鈴木 昭汰投手（常総学院）

チーム記録
打率26位

防御率6位
1試合平均失点6位
1試合平均被安打7位
1試合平均失策4位
1試合平均許盗塁4位

　2年連続でエースを務める鈴木 昭汰に注目が集まる。防御率は25イニング以上投げた32校の主力投手の中で4番目に良い0.89。奪三振率9.74も6位と投手ランキングで上位に位置する。さらにチーム総投球回数に占める鈴木が投げた割合は50.01%。わずかに半分を超えたが、先発完投をしたのが県大会準々決勝、準決勝、関東大会1回戦、準々決勝の4試合。これは佐々木力監督の、『大事なところはお前に全部任せる。そのほかの試合は鈴木を含めての継投で』とのメッセージのようにもデータからは受け取れる。夏休みの練習試合でも完投はなく、準公式戦の県南選抜大会決勝で東洋大牛久を完封したのが唯一9回を投げ切った試合だった。リリーフしてサヨナラ負けした関東大会決勝では疲れが気になったが、11月下旬の練習試合で早くも復帰し、3試合に登板している。

　鈴木をここまで大事にできるのは他の投手の力があってのもの。その筆頭が右の樫村 雄大で、公式戦では県大会決勝と関東大会準決勝で完投するなど、投球回数の割合は鈴木に次ぐ37.29%だった。被安打率が5.34と32校の主力投手で7番目に低いのが樫村の特徴だ。

守備陣は1試合平均失策4位と優秀。ただし、失点に占める自責点の割合75.00％は32校で7番目に悪いのが気になるところ。昨春のベスト8を超えるためには、まずこの割合を良くしたい。
今年のチームでマスクを被る木村 健太郎は、許盗塁がわずかに2つ。それも県大会序盤でのもので、6試合連続許盗塁0で公式戦を終えた。

　オフェンスはチーム打率こそ26位だが、二桁安打が5試合とそこまで貧打の印象は受けない。ただし敗れた2試合はともに1点差と先攻で、競り合いに若干の課題が見えた。1試合平均犠打飛1.63と32校で最も低いのも影響があるかもしれない。
打線の軸となるのが下級生の宮里 豊汰で、打率5割2分は32校の主力打者の中で8位。関東1回戦で横浜から打った本塁打が印象深く、長打率8割8分は32校の主力打者で5位の好成績だ。また四死球が7あり、出塁率は5割8分8厘。これは8位となっている。
このほか、鈴木が関東2試合でピッチャーながら1番を打った。主催者に提出された資料での打順が3番となっており、本番での佐々木監督が組むオーダーに注目だ。

非公式戦68試合は32校で最も多く、夏休みからとにかく実戦重視でチーム作りをしてきたことがうかがえる。

　秋季大会の登録選手は21人。レギュラーの左打ちは5人いた。また主将をよく交代するのが伝統で、関東大会ではエース鈴木が主将を務めていた。
21人中14人が茨城出身で、その中で2人が常総学院のある土浦市の中学校を卒業している。また県外7人中5人が隣接県出身となっている。