県立長崎南高等学校（長崎）
長崎港を一望できる絶好のロケーションに建つ県立長崎南高等学校は「気魄と情熱」が校訓という、なんともアツい男女共学校。学習と部活動の両立を目指しており、生徒たちは様々な才能を育んでいます。
そのためか、卒業生も政治家から建築家、音楽家に役者、アナウンサーなど様々な道を進んでいます。芥川賞と山本周五郎賞という、純文学と大衆小説の文学賞を2002年にダブル受賞し話題になった吉田 修一さんも長崎南の卒業生です。また、西武ライオンズ、読売巨人軍の育成担当コーチや、松井 稼頭央選手（東北楽天ゴールデンイーグルス）の専属トレーナーなどを務めた宮本 英治さんも長崎南出身。当時は野球部は無く、ラグビー部に所属していたそうです。
さて、現在活動を続ける野球部ですが、昨秋の県大会ではベスト16に進出。その3回戦で強豪・長崎海星に敗れ、悔しい想いをしました。この悔しさを晴らすため、そして何より自分たちが成長するために、監督も「例年の数倍キツイ」と語る過酷な練習に挑んでいる長崎南野球部の意気込みを聞いてきました。
チーム基本情報を紹介！
■長崎南高校の白井 翼君（学年：2年/役職：主将）にお話を伺いました！
Q. 部員は何人いますか？
1年生が10人、2年生が12人です。そのうちマネージャーは1年生が1人、2年生は2人います。
Q. 練習のグラウンド環境を教えてください。
サッカー部、ラグビー部、陸上部が同じグラウンドで活動しており、平日はダイヤモンドを作る広さがありません。現在グラウンドのネット工事でバッティング・ノックも満足にできない状態です。ボールが逸れると外に出てしまうので、キャッチボールすら全力でできません。
なかなか厳しい環境のようですね。
今年のチームについて
ダッシュ（県立長崎南高等学校）
Q. 今年のチームのウリ（セールスポイント）を3つ教えてください。
守備・走塁・チームワーク！この3つです。
Q. このオフシーズンのチームとしての目標を教えてください。
とにかくバットを振って振って振りまくる。走って走って走りまくることです！
Q. 量をこなすその姿勢、嫌いじゃないです！オフシーズンの名物練習やキツい練習はありますか？
軍手を付けての木製バットでの速素振り。これは軍手で手が滑るので、握力も鍛えられるんです。あと、学校が山の上にあって急な坂がいたるところにあるので、坂道ランと坂道ダッシュはよく行います。かなり足に負荷がかかりますよ。
Q. さすが坂の街長崎！そういった練習を乗り越えて、春夏はどんな目標を抱いていますか？
春は県ベスト8以上。夏は県大会で優勝し、甲子園出場。そして甲子園で思う存分プレーをします！
秋の大会を振り返って
ミーティングの様子（県立長崎南高等学校）
Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか？
3回戦でベスト16まで進めたことは、すごく自信になりました。しかし、九州大会準優勝になった長崎海星高校との試合で1対19という大差でコールド負けし、甲子園常連校の洗礼を受けたことは悔しかったです。
Q. 自信が付いたのはよかったですね。ではその中でも「ここは自分たちの強みだ！」というところを教えて下さい。
自分達の強みは「ここぞ！」という要所要所で守れる所です。
Q. 大会をふまえて、この冬強化したいと取り組んでいるところはありますか？
打撃です。
Q. チームの中で、秋に活躍した仲間を紹介してください。
貞包 柊太ですね。1年生ながら、敵チームに対して、ピンチにも動じないマウンド度胸で良いピッチングをしてくれました。
Q. 頼もしい1年生ですね！続いて、チームの中で春以降キーマンとなってくれるであろう選手を教えてください。
荒木 泰賀は、チーム1の足の速さを誇ります。出塁して積極的に次の塁を狙う走塁を期待しています。不動の4番は、草野 光祐。勝負強いバッティングができればチームも勢いづきます。
Q. さて、2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては、初めてのオフシーズンだと思いますが、春に向けてどんな冬にしたいですか？
2年生にとっては今年が集大成。オフがあけて一皮向けるくらいの勢いで力をつけて欲しい。
1年生は「あと1年あるから」と思わず、次の冬はないんだという2年生と同じ気持ちで臨んでもらいたいです。
今年が勝負！という気持ちですね。白井主将、ありがとうございました！
ここからは、長崎南の浦岡 大地君、草野 光祐君にお話を伺います！
ノック練習（県立長崎南高等学校）
Q. 高校野球が好きな理由は何ですか？
浦岡 大地（以下「浦岡」）：仲間とともに汗を流して頑張ってきたものを試合で発揮できるところです。
草野 光祐（以下「草野」）：高校野球を通して人間として成長することができるところです。チーム一丸となって勝利した時の喜びを仲間と分かち合えるところも魅力ですね。
Q. ではこの冬はどんな風に過ごしていますか？
浦岡：1人1人が大きく成長できる冬にします。
草野：そうですね。秋季大会で長崎海星高校に負けて、技術・体の大きさの差を感じました。この冬で少しでもこの差を縮め、厳しい練習の中で精神力を鍛えたいです。
Q. 野球をする上でモットーにしている好きな言葉を教えてください。
浦岡：「努力！」
草野：「氣持ち」
Q. 最後に『自分はここまで成長するぞ！』という熱い宣言と夏までの目標をお願いします。
浦岡：一、チームの要となるセカンド守備ができるようになる
一、チームを勝利に導く粘り強い3番バッターになる
一、甲子園出場！！
Q. 力強い宣言が出ました！草野君はいかがですか？
草野：チームを勝利に導く勝負強い4番バッター、大事な場面で点数を取られないピッチャーに成長し、チームを引っ張りたい。春季大会から目標である県ベスト8に入りたいです。
夏の大会では県大会を優勝して長崎南高校初の甲子園出場を果たせるよう、これからも頑張っていきます！
浦岡君、草野君、ありがとうございました！
指導者が語る！このチームの強み
■濵村 良美監督に質問！
Q. 今年のチームは、どんなテーマを持って作り上げてきたのでしょうか。
「高校野球とは野球に非ずして 道なり」これをテーマとしています。
「心・技・体」現段階で私たち長崎南高校野球部が他校と野球部と渡りあえるのは「心」です。「精神力だけは絶対に他校に負けない」を合言葉に普段の学校生活でも学校を引っ張っていく存在になるようにと部員に言い聞かせています。
9月になってグラウンドがだんだんと使えなくなり、バッティング練習が満足にできなくなる中で、「守り勝つ野球」をテーマに練習と実践を兼ねて県内各地の高校を周り練習試合を繰り返してきました。
秋の大会では県秋季大会優勝、九州大会準優勝の長崎海星高校さんに大敗を喫し、力の差を痛感しました。この冬は「自分を追い込み限界を知り、それを超える」をテーマに体を太くするための鍛錬を繰り返してきました。
また、長崎南高校野球部は部専用のバスがなく、週末の練習試合は保護者の車で移動しています。あらゆる面で保護者のサポートを受けている中で、来シーズンはその恩返しをしなければならないと部員達に言い聞かせています。
心優しい彼らならば、監督・部長、そして何より保護者の望みを感じ取って、彼ら自身の目標の達成と観る者を感動させるプレー・試合をしてくれると信じています。
Q. 周囲の支え合ってこその高校野球ですね。最後に、厳しいトレーニングに取り組んでいる選手達へ一言お願いします！
以前と比べて数倍きつい過酷な練習の中で必死に体と精神共に鍛えています。暖かくなった春には自分達が驚くほどの力が発揮できるはずです。自分の限界に挑戦し、苦しんでいる仲間達と励まし合い、残り少ない冬のトレーニングを乗り切ってください。
春がますます楽しみですね。濵村先生、ありがとうございました！
