Column

県立唐津商業高等学校(佐賀)

2016.01.30

 佐賀県唐津市にある県立唐津商業高等学校。「唐商」(とうしょう)の呼称で100年近い歴史を持ち、県内で唯一「会計科」があります。ビジネスの専門的な知識・技術を身に着けることができると評価の高い高校で、就職率も高く、半数ほどの生徒が卒業後、就職しています。その多くが県内の技能・製造系、事務などで、高校で身に着けたチカラを、すぐさま社会で存分に発揮しているようです。

 部活動も盛んで、陸上競技部や水泳部は多くの選手が九州大会へ出場。サッカー部も県内有数の強豪校として知られています。
また、商業高校らしくワープロ技能を競うOA部や簿記部もあり、それぞれ活躍をみせています。
そんな中、野球部も春・夏ともに甲子園経験のある強豪として、毎年佐賀県大会を賑わせており、昨夏は惜しくも決勝で敗れ甲子園を逃しましたが、2011年以来の甲子園に向けて練習に励んでいます。
甲子園出場ではなく、甲子園で勝つことを目標に頑張る唐津商業高校のこの冬の取り組みとは?

チーム基本情報を紹介!

唐津商高校の井上 樹希也君(学年:2年/役職:主将)にお話を伺いました!

Q. 部員は何人いますか?

 1年生が15人、2年生は16人の合計31人います。

Q. 練習のグラウンド環境を教えてください。

 校庭に野球部専用のグランドがあります。

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[page_break:今年のチームについて]

今年のチームについて

井上 樹希也主将(県立唐津商業高等学校)

Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。

 足を使った機動力、外野の守備範囲の広さ、二遊間の安定した守備です。

Q. 守備力がとても高い印象ですね。ではこのオフシーズンでの目標はなんですか?

 トレーニングと走り込みでしっかりと下半身を鍛え、野手はスイング数を増やし、フォームの安定とスインスピードを速くすること、鋭い打球を打てるようになるのが目標です。
投手はフォームを固めて球速UPが目標です。

Q. 下半身を鍛えるなかで、これはキツイという練習はありますか?

 唐津城の階段ダッシュと西の浜でのランとトレーニングです。

Q. どちらも地の利を活かしたトレーニングで、とても鍛えられそうですね。そんな冬が終わって迎える春、そして夏の目標を教えてさい。

 春の大会では九州大会出場が目標です。夏の大会までにレベルの高いチームと対戦し、しっかりと課題を見つけ、また自信をつけて夏の大会に挑みたいです。
夏は甲子園に行くことはもちろんですが、甲子園で勝つことが目標です。

秋の大会を振り返って

Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?

 夏の大会、決勝で敗退という悔しさがありましたので、秋の大会は何としてでも勝たなければという気持ちがありました。
しかし、九州大会を目指した県大会で負けてしまいました。投手の立ち上がりを攻められ、打撃陣も再三チャンスがあったにもかかわらず得点できませんでした。
全体としてまだまだ力不足ということがわかり、チームとして、選手一人一人が変わらなければという気持ちがより高くなりました

Q. なかなかイメージしていた通りにはいかないものですよね。新チームとなり、試行錯誤の中だと思いますが、試合をしてみて、「先輩たちって凄かったんだ」と感じた事があれば教えてください。

 ベンチ内の雰囲気です。先輩たちは練習や試合でどんな状況になっても率先して声を出してベンチ内を盛り上げ雰囲気が良かったと思います。
新チームになって半数以上が初めてベンチ入りする状況になり、雰囲気をよくすることの難しさや大切さがわかり、先輩たちに頼っていたんだなと実感しました。

Q. なるほど。今回それが分かったので、春の大会ではきっと良い雰囲気でできるでしょうね!では、この冬、ここを強化したいというポイントはありますか?

 体力・筋力の向上とどんな状況でも諦めない精神面の強化です!

Q. 精神面の強化はまさにベンチの雰囲気にもつながりますね。さて、チームの中で、春にはキーマンになってくれるであろう期待の仲間を紹介してください!

 打越 海(2年)、平川 将也(2年)、山崎 遥稀(2年)です。
この3人は昨年の夏の大会を経験しているので、プレーの面だけでなく精神面でもチームの中心となって、貢献してくれると期待しています。特に、打越はチームの4番として打撃面ではとても期待しています。

Q. 経験値の高さに期待ですね。注目していきましょう!では、2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては、初めてのオフシーズンだと思いますが、春に向けてどんな冬にしたいですか?

 まず、トレーニングや走り込みやウエイトトレーニングで体をしっかりと追い込み、食事も意識して体を一回りも二回りも大きくして、力負けしないようにしていきたいと思います。
そして、きつい練習でも決して妥協しないような精神力もつけていきたいと思います。このオフシーズンが1番大事だと思っているので一人一人がしっかりと目標を持ち、その目標に近づけるように、チーム一丸となり頑張っていきたいと思います。

 体力面、精神面どちらも大きくなった春が楽しみですね!ありがとうございました!

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[page_break:指導者が語る!このチームの強み]

 ここからは、唐津商の2人の副主将、前田 海成君と百武 泰成君、そして4番の打越 海君にお話を伺います!

前田 海成選手(県立唐津商業高等学校)

Q. 高校野球が好きな理由は何ですか?

前田 海成(以下「前田」):選手全員が同じ目標に向かって日々の厳しい練習に取り組むところです。スタンドからの応援や最後まで諦めないところも好きです。
百武 泰成(以下「百武」):自分自身の限界に挑戦できるところです。
打越 海(以下「打越」):最後の最後まで、どんな場面でも何が起こるかわからないところです。

Q. どれも「高校野球の醍醐味!」ですね。ではこの冬はどんな風に過ごしていきたいですか?

百武 泰成選手(県立唐津商業高等学校)

前田:チーム全体がレベルアップして、夏に甲子園で勝てるようなチームになれるように練習していきたいです。
百武:春以降の大会のために力を蓄える冬にしていきたいです。
打越:ミスショットしないのが一番ですが、ミスショットしてもスタンドインできるパワーをつける冬にしていきたいです。

Q. 力を蓄えて、春以降の爆発に期待ですね!では、野球をする上でモットーにしている好きな言葉を教えてください。

前田・百武:「執念」・「覚悟」です!
打越:「一球入魂」です!

打越 海選手(県立唐津商業高等学校)

Q. 最後に『自分はここまで成長するぞ!』と、いう熱い宣言と夏までの目標をお願いします。

前田:個人的には内野の要となって野手陣を引っ張り、攻撃面ではつなぐバッティングを心掛けていきたいです。夏の大会はあと一歩というところで甲子園を逃してしまったので、今年は絶対にリベンジしてチームの目標である甲子園で勝つということを達成できるように頑張っていきたいです!

百武:個人としてはチームで1番信頼される選手になることです。チームとしては、昨年の夏超えることができなかった壁を超えることです!

打越:佐賀県内でも良い打者がいますが、この冬妥協せずに取り組み、佐賀県ナンバーワンといわれるバッターになり、全国レベルのピッチャーにも対応できる、信頼されるバッターになります。チームとしては甲子園で勝つことが目標なので、甲子園でホームランを打てるバッターになれるよう頑張ります。

 甲子園に出場だけでなく、そこで勝つ!という目標は素晴らしいですね!ありがとうございました!

指導者が語る!このチームの強み

■顧問の吉森 旭希先生に質問!

Q. 新チームになってからの取り組みとこの冬の目標をお聞かせください。

 新チームは、これまで3年生中心だったチームから一新したため、まずは、「チーム作り」から始まりました。
暑い夏の厳しい練習に耐え、臨んだ秋の大会でしたが、100パーセントのチームの力を出せずに終わりました。

 精神面、身体面の強化が重要となるチームだと認識し、秋の大会以降、ラントレーニングや筋力トレーニング、基本練習中心の練習に切り替え、同時に補食の強化を行ってきました。「甲子園で勝つチームになる」ということを目標とし、3年生やこれまでの諸先輩方が築いてきた唐津商業野球部の伝統を引き継ぎながら、日々練習に邁進しています。

Q. 悔しさを乗り越え、厳しいトレーニングに取り組んでいる選手達へ、一言お願いします!

『冬にどれだけ自分を追い込めるか』
自分を甘やかさず、チームを甘やかさず、限界を日々1歩乗り越えて心身ともに”強い“自分になってください。
マネージャーとともに美味しく、ほっとできる補食作り、私もがんばります!!

 美味しい補食でパワーアップした唐津商が楽しみですね!吉森先生、ありがとうございました!!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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