おかやま山陽(岡山)「笑顔で『ありがとう』と言ってくれる瞬間が大好き」
昨秋、中国大会で初優勝を果たし、初の選抜出場を決めたおかやま山陽。中国大会決勝では9点差を跳ね返すなど、逆境の強さを大きく印象づけた。今回はそんなチームを支える5人の女子マネージャーに話を聞くことができました。
体調管理には気をつけて、全国でも勝てるように
おかやま山陽野球部を支える5人のマネージャー
おかやま山陽野球部は64名の部員がおり、その選手たちを支えるのが女子マネージャーの小寺美穂さん(2年)、三近侑加さん(1年)、戸部あすかさん(1年)、前田乃音さん(1年)、三宅彩愛さん(1年)の5人女子マネージャーだ。
5人の普段の活動内容は、掃除やネットの補修、そして「箱直し」と呼ばれる練習器具の補修を行うこと。壊れている部分をハンマーなどで叩いたり、六角レンチを使って締めるなど、普段から工業的な要素を持つ作業を行っており、中でもネットの補修に関しては、他の高校のマネージャーには負けないと語った。
5人が一番やりがいを感じるときについて聞くと、やりがいは常に感じており、特に一番楽しい時間は公式戦の試合の時と答えた。その理由は、勝ったときの嬉しさを共有できるからだと明かし、9点差を跳ね返して中国大会王者に輝いた下関国際との決勝戦は、最も思い出に残っている試合として挙げた。
また、どんなことを心掛けて選手をサポートしているかという質問には、選手一人一人にしっかり目を向けて、小さな変化にも気付けるようにしていると回答し、マネージャーとしての意識の高さも感じさせた。彼女たちのそうした日々の努力が中国大会決勝での大逆転に繋がったのかもしれない。
「憧れでもあり、ライバル」と話すのは、昨夏で引退した3年生のことだ。憧れるだけで無く「ライバル」と言ったところに、彼女たちのマネージャーとしてのプライドが垣間見え、意識の高さを改めて感じさせられた。
日々練習に励むチームの選手たち一言お願いされると、「体調管理には気をつけて、全国でも勝てるように、これからの練習も頑張って下さい」と答え、開幕を目前に控えた甲子園に向けて気持ちを引き締めた。
[page_break:笑顔で「ありがとう」と言ってくれる瞬間が大好き]笑顔で「ありがとう」と言ってくれる瞬間が大好き
マネージャーを始めたのは、部長の小泉先生から入学式の日に声を掛けていただいたからというエピソードを明かしてくれたのは、2年生唯一のマネージャーである小寺美穂さん。中学の部活動は吹奏楽部だったが、お兄さんも野球をされていたこともあり「私も携わりたいな」という思いから入部を決めた。
小寺さんはマネージャーという活動を通じて、礼儀が正しくなり挨拶を人より大きな声で多く言えるようになったと話し、選手だけで無く自身の成長にも手応えを感じているようだ。
また小寺さんは、一言でいうとマネージャーとは「縁の下の力持ち」だと言い、頼まれごとはすぐに行い、誰からも信頼されるようなマネージャーになりたいという目標も持っている。だが、主将の井元将也選手が「チームになくてはならない大切な存在」と話すなど、小寺さんはもうすでにチームにとって欠かせない存在となっているようだ。
選手や監督、仲間に言われて心に残っていることを聞かれたときには、「たくさんあり一つに絞ることが出来ない」としながらも、「大会前にお守り(マスコット)を作って選手に渡す時に、笑顔で『ありがとう』と言ってくれる瞬間がとても大好きです」と語った。
そんな小寺さんが、マネージャーの活動の中で一番嬉しかったことは、念願であった甲子園、神宮大会に出場できたこと。甲子園の開幕を目前に控えているが、この春に嬉しい思い出がまた一つ増えることは間違いないだろう。