「スコアを書いているとき、一緒に野球をしていると感じられる」倉吉北高等学校
鳥取県倉吉市にある倉吉北高等学校。春夏通算10回の甲子園出場を誇り、1981年に行われた第53回選抜高等学校野球大会ではベスト4に進出したこともある鳥取の強豪だ。今夏は惜しくも鳥取大会1回戦で敗れてしまったが、心機一転秋季大会を戦うチームのマネージャーに話を聞いた。
スコアを書いているときは唯一、一緒に野球をしていると感じられる
マネージャーの前田 奈緒さん(倉吉北)
総勢19人のチームで唯一のマネージャーである前田 奈緒さんは、中学時代は吹奏楽部に所属していた。高校で先輩に誘われ、野球部のマネージャーになったと言う。普段の活動では選手のドリンク作り、タイム計測、スコアの記録、データ集計などを行う。
「選手に頼られる存在になりたい」という前田さん。マネージャーになってからは「効率よく考えて、行動するようになった」と自身の成長を実感している。マネージャーになっていなければ「自己中心的で人任せ、無責任」な自分になっていたかもしれないと振り返るが、選手の気分やコンディションが上がるように心がけているという姿勢は誰にでもできるものではない。
そんな前田さんが思う、他校のマネージャーに負けていないところは「よく笑うところ」だ。やりがいを感じるのは「選手に頼られたとき」と話す。
夏までチームを支えてきた3年生のマネージャーたちが引退し、チームで唯一のマネージャーとなった前田さんだが、その先輩たちのことを「一人ひとりの技術が高く、手本にすべき存在」と話している。
これまでの活動で嬉しかったこととして、「ある大学のマネージャーさんと試合運営の雑用などの活動をして、心構えを教わったこと。そのあと感謝されたこと」を挙げる。
また「日焼けあとがくっきり。特に手首部分。長袖を着ているため、手の甲が黒い」と女子マネージャーならではの悩みも聞かせてくれた。
前田さんにとって、マネージャー活動の中で一番楽しい時間を聞いてみると「スコアを書いているとき。唯一、一緒に野球をしていると感じられるから」と語ってくれた。そんな前田さんのことをチームメイトは「頼ったときに、応えてくれる存在」として、信頼を置いているようだ。
秋季大会ではベンチに入った前田さんが勝ちゲームのスコアを書けるよう、チーム一丸で勝利を目指す。
前田さんからチームに向けて一言お願いします。
「やるべきことをしっかりして、倉北らしい試合ができるようにしましょう!」
倉吉北高等学校野球部の皆さん、ありがとうございました!