「部員、監督に信頼され、県を代表するチームとして誇れるマネージャーへ」　長岡大手高等学校

練習中の風景（長岡大手高等学校）

　部員は1、2年生を合わせ全部で34人。その34人を支えているのが、2年生の秋元 舞白さん、高橋 瑞希さん、1年生の青木 花琳さん、野上 杏さん、吉原 菜々子さんの5人のマネージャーです。

　長岡大手のマネージャーの業務は多岐にわたります。まず練習中は、道具出しや片付け、ジャグやペットボトルなど飲み物を用意、掃除、洗濯、洗い物、来客の接待や用具の注文の発注と処理などの業務をこなします。他にも遠征先でのご飯の準備や、練習試合の時はアナウンスとスコア記入、ゴミ拾いなども行なっています。

　さらにランメニューのタイム出しや、太もものサイズ測定、体重測定など、選手の体力測定の管理もしっかりと行っています。それだけではなく、各選手のピッチングやバッティングの動画を撮影して選手に送ったり、部員の片付けが時間内に終わるようにカウントダウンをするのも、マネージャーの仕事です。部の運営、練習時間の管理、選手の練習サポートとまさに彼女たちの働きは野球部にとって大きな支えとなっており、欠かせません。

　5人にとって、ランメニューが成功した時はやりがいを感じる瞬間でもあります。このような日々の業務を通じて学んだスキルは、「気づき・仕事のスピード・声掛け」です。この3つのスキルは他の高校のマネージャーには負けない、長岡大手マネージャーの強みとなっています。

長岡大手高等学校マネージャーの皆さん

　活動の中で1番楽しい時間は部の買い物をしているときです。また、選手へのお守り作りや、おにぎり作りなど、仕事の準備を考えているときも楽しい時間です。その楽しさの表れか、おにぎりのレパートリーが多いというのも自慢の一つ。間違いなく選手たちのエネルギーになっていることでしょう。

　選手をサポートしていく上で5人が心掛けていることを伺うと、「選手たちの要求や気持ちを察知し、変化に気づくことを心掛けています。また、練習をスムーズに進行できるようにすることや、部員と監督を繋げるということにも気を配って活動しています」と、選手たちだけではなく監督やチーム全体のことを考えている様子が伺えました。

　選手たちはこの5人の日々の活動を見て、些細な気配りがチームにとって大きな支えとなっていて、欠かせない存在であると教えてくれました。

　次ページでは、代表の秋元 舞白さんにお話を伺いました！

記録をつけるマネージャー（長岡大手高等学校）

　2年生の秋元 舞白さんが野球に興味を持ち始めたのは、弟が野球を始めたことがきっかけ。
「甲子園を見るようになり、2009年の日本文理戦をテレビで見て新潟県もこんなにも強いのかと思い、興味を持ち始めました。中学1年の時、長岡大手に受験することを決めたのですが、鈴木監督がいらっしゃると知り、父にこれから強くなるんじゃないかと言われ、マネージャーになることを決意しました」

　鈴木 春樹監督は、監督として過去2回の甲子園出場経験があります。2003年は柏崎にて春の選抜出場を決め、2008年の新潟県央工では夏の甲子園へと導きました。いずれも創立以来、甲子園への出場は初めてという快挙となりました。

　秋元さんはお父さんの言葉に背中を押され、鈴木監督の元で、憧れの甲子園を目指そうと決意しました。

上段左から野上杏 さん、青木花琳さん、吉原 菜々子さん。下段左から秋元 舞白さん、高橋 瑞希さん（長岡大手高等学校）

　実際に入部して見て、挫折しかけたこともあったと言う秋元さんですが、「マネージャーになっていなかったら、自分の好きなことばかり考えて、周りを優先できない人間になっていたと思います」と語り、「今は人の変化に気づけるようになり、器が大きくなったと思います」と、活動を通じて自分自身が変わったことについて教えてくれました。

　そんな秋元さんが、選手や監督、仲間に言われて心に残っている事とは、「家の都合で合宿に行けなかった際に、監督や選手から『秋元がいればなって思うことが何回もあった』と言われたことです」

　1年の冬にインフルエンザにかかった時も、「来年、インフルエンザになられたら部活が回るか正直怖いから、来年は気をつけろよ」と部員に声を掛けられるなど、すでに秋元さんの存在は大きなものになっていました。

　そんな秋元さんが目指すマネージャーとは、「部員、監督に信頼され、県を代表するチームとして誇れるマネージャーです！」

　初の甲子園出場を目指し、マネージャーもチーム一丸となって、来シーズンに挑みます！

　野球部の運営を支え、選手、指導者にとっても欠かせない存在となった5人のマネージャーたち。長岡大手高等学校野球部の皆さんのご活躍をお祈りしております！