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【記録トリビア】 甲子園出場回数ベスト3はどの学校か? 

2015.08.19

 夏の甲子園は出場することさえ難しい。そんな中、安定して甲子園に出場している学校がある。今回は夏の甲子園出場回数のランキングをお届けします。

1位 出場回数トップを誇る北海の軌跡

北海のユニフォーム

 全国トップの出場数を誇るのが北海である。その出場回数はなんと36回。甲子園100年の歴史の中、その約3分の1も、甲子園出場を決めているのである。南北海道には北照駒大苫小牧など多くの強豪が集結するだけにその出場回数は素晴らしい。

 1885年に創立した伝統校・北海。甲子園に初出場したのは1920年の第6回大会である。結果は1回戦で長岡に4対7で敗れ初戦敗退。しかし翌年の1922年の第8回大会で、東邦を11対3で破り、ベスト8進出を決める。

 その後、北海は北海道を代表する強豪校として活躍し、戦前までに14回出場。ベスト8が3回、ベスト4が1回と非常に素晴らしい実績を残している。戦後も、1954年1960年1962年1994年にベスト8入りするなど、まさに南北海道をリードする学校であった。

 そして、この夏も甲子園に出場。初戦で鹿児島実業に敗れたとはいえ、能力が高い選手が揃っており、来年以降も活躍が期待されるだろう。

 夏の甲子園の戦績は現在17勝36敗。さらに出場回数を増やし、勝ち星を増やすことができるか。注目である。


注目記事
・ランキング2位のあのチームのノートも掲載!「野球ノートに書いた甲子園 3」特設ページ
・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ

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[page_break:2位 長い歴史がある松商学園は復活の兆し]

2位 長い歴史がある松商学園は復活の兆し

松商学園のユニフォーム

 第2位は松商学園。プロ野球初の三冠王・中島 治康選手(元巨人)など偉大なOBを輩出した超伝統校である。出場回数は北海に次ぐ35回。初出場した1920年は初戦敗退だったが、1922年はベスト4、1924年は準優勝、1927年はベスト4。
そして1928年中島 治康選手が投打で活躍を見せる。1回戦で広島広陵を3対2で破ると2回戦では鹿児島商を3対2で破り、準々決勝では中島選手が愛知商に点を与えず5対0と完封。準決勝は、5回までしか行われなかったが、3対0で高松中を破って、決勝に駒を進めると、平安中を3対1で下して、初優勝を決める。

 その後も1940年にベスト4入りを果たすなど、まさに戦前の高校野球をリードするチームであった。ただ、その後も甲子園出場を果たしたものの、長い間、ベスト8へは届かなかった。

 そんな中、1991年、エースで4番として活躍した上田 佳範選手(現・中日ドラゴンズコーチ)を中心に勝ち上がり、選抜準優勝を決めたチームが夏にも甲子園出場。

 1回戦で、岡山東商を6対2で破り、2回戦で八幡商に8対3で勝利。続く、3回戦の四日市工との戦いは激戦となり、延長16回の末、サヨナラ勝ちを決め、ベスト8入り。この激戦は未だに名勝負と語られるほどの好試合である。そして迎えた準決勝では松井 秀喜が主力だった星稜に2対3で敗れ、ベスト4進出とはならなかった。

 1991年以降、ベスト8入りはないが、この春は14年ぶりの選抜出場を果たし、古豪復活の兆しが見える。通算勝利25勝34敗。再び全国で暴れることを期待したい。


注目記事
・松商学園野球部のノートも掲載!「野球ノートに書いた甲子園 3」特設ページ
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[page_break:3位 夏優勝3回の龍谷大平安はいずれ出場回数トップになっていてもおかしくない安定感]

3位 夏優勝3回の龍谷大平安はいずれ出場回数トップになっていてもおかしくない安定感

龍谷大平安のユニフォーム

 第3位は龍谷大平安である。出場回数は33回。平安中として、初めて甲子園に出場したのが1927年。いきなりベスト8入りすると、1928年には準優勝を果たし、1930年にはベスト4、1933年1936年には準優勝と全国トップクラスの実績を残すが、なかなか甲子園優勝にはたどり着かなかった。

 そして1938年に再び決勝まで勝ち進み、県立岐阜商と対戦。試合は9回まで0対0の投手戦となる。9回表、1点を先制されたが、その裏に2点を返し、逆転サヨナラ勝ち。劇的な形で甲子園初優勝を決めた。

 戦後は平安と校名を改め、1951年には決勝まで勝ち進み、熊谷を7対4で破り、校名変更後、初の優勝を決める。1956年には1938年の決勝で戦った県立岐阜商と再び決勝で激突し、2対2の6回裏に1点を勝ち越すと、リードを守りきり、3度目の甲子園優勝を果たした。

 その後も甲子園出場を続けるが、1974年の甲子園出場後は1990年に出場するまで16年間も遠ざかり、その後もなかなか甲子園に出場できない期間が続いた。その平安を立て直したのが現監督の原田 英彦監督である。1993年8月に監督に就任した原田監督は1997年夏に甲子園出場を果たすと、左腕・川口 知哉(元オリックス 女子プロ野球 統括ヘッドコーチ)の活躍で甲子園準優勝を果たし、古豪復活を印象付けた。

 原田監督が就任してからは安定して結果を残すようになり、2014年選抜では就任して初めての優勝を飾った。
現在、59勝30敗、勝率.633と安定した実績を残している。現在も京都府内で圧倒的な実力を誇る龍谷大平安は、近い将来、出場回数トップになっていてもおかしくないだろう。


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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