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早稲田大学編「大学野球の栄華を極めた、2000年代の『WASEDA』のつながり」【後編】

2019.05.16

 いつの時代も、コンスタントにプロ野球選手を輩出している早稲田大学野球部であるが、早稲田大学野球部のすごいところは選手だけに止まらず、優秀な指導者も輩出しているところにある。
 後編では2000年以降に卒業したOBを紹介し、そのつながりを辿っていく。2000年に入るとプロ入りを果たす選手は一気に増加し、今や早稲田大学OBはプロ野球の出身大学ランキングでトップになっている。2000年初頭から順を追って見ていこう。

空前の盛り上がりを見せた2000年代

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MLBにも挑戦した青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)

 2000年代に入ると、プロ野球界を彩るスターの輩出が勢いを増していく。
 2000年に卒業した藤井秀悟氏がヤクルトに入団すると、その2年後に江尻慎太郎氏、東辰弥氏の2選手がプロ入り。

 さらに翌年には、MLBにも挑戦した和田毅がエースとして君臨し、その1学年下には鳥谷敬青木宣親、さらにその1学年下には田中浩康氏がいる充実ぶり。

 他にも、この時代にプロ入りを果たした選手は比嘉寿光氏と由田慎太郎氏の2名がおり、2000年代前半は、まさに一時代を築いたと言っても過言ではない勢いがあった。

 「こんな時代しばらくは来ないだろう」
 誰もがそう思った矢先の2005年、今度は上本博紀松本啓二朗須田幸太細山田武史と、後にプロ入りを果たす4名の選手が揃って入学。
 さらにその2年後には、社会現象にもなった斎藤佑樹大石達也福井優也の「三羽ガラス」が追い打ちをかけるように入学し、早稲田大学の盛り上がりはここで頂点に達する。

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今や東北楽天のレギュラーに定着した茂木栄五郎

 リーグ戦の期間中には、毎週多くの野球ファンが[stadium]神宮球場[/stadium]に足を運び、特に斎藤佑樹らが4年の秋に明治神宮大会で優勝を果たした際には、[stadium]明治神宮球場[/stadium]が満員に埋まるほどの盛り上がりを見せた。

 この大会は、大学野球史に残る出来事と言っても過言ではない。

 その後も早稲田大学は、毎年プロ野球選手を輩出し続けている。
 2014年に卒業の世代は有原航平中村奨吾高梨雄平と3名のプロ野球選手を輩出し、翌年の2015年には重信慎之介茂木栄五郎の2名がドラフト指名にかかる。この5名は、いずれも各球団で戦力として奮闘しており、この辺りの世代もまた、大きなインパクトを持っているのではないだろうか。

 先人たちが選手としても、指導者としても活躍したように、2000年代にプロ入りして活躍した選手たちも、これから指導者としての活躍が期待出来る。
 今後も「WASEDA」のDNAは、色褪せることなく引き継がれていくだろう。

[page_break:2000年以降に卒業した早稲田大学出身のプロ野選手を一挙紹介]

2000年以降に卒業した早稲田大学出身のプロ野選手を一挙紹介

早稲田大学編「大学野球の栄華を極めた、2000年代の『WASEDA』のつながり」【後編】 | 高校野球ドットコム
2018年にドラフト3位で千葉ロッテマリーンズに入団した小島和哉

 ここからは2000年以降に卒業した早稲田大学出身の選手の中で、プロ野球界へと進んだ選手を一挙に紹介していく。ベテランとして円熟味を増している選手から、チームの顔として今まさに脂の乗っている選手まで、多くのOBがプロ野球の世界で活躍していることがわかる。それでは早速見ていこう。

◆1900年代に卒業した早稲田大学出身のプロ入り選手
※年数は卒業年、球団は入団した球団
2000年 鎌田祐哉 ヤクルトスワローズ
2001年 東辰弥 阪神タイガース
2001年 江尻慎太郎 日本ハムファイターズ
2002年 和田毅 福岡ダイエーホークス
2003年 青木宣親 ヤクルトスワローズ
2003年 鳥谷敬 阪神タイガース
2003年 比嘉寿光 広島東洋カープ
2003年 由田慎太郎 オリックス・ブルーウェーブ
2004年 田中浩康 ヤクルトスワローズ
2005年 越智大祐 読売ジャイアンツ
2005年 武内晋一 ヤクルトスワローズ
2006年 大谷智久 千葉ロッテマリーンズ
2006年 宮本賢 北海道日本ハムファイターズ
2006年 山本一徳 北海道日本ハムファイターズ
2008年 上本博紀 阪神タイガース
2008年 細山田武史 横浜ベイスターズ
2008年 松本啓二朗 横浜ベイスターズ
2008年 須田幸太 横浜ベイスターズ
2009年 松下健太 埼玉西武ライオンズ
2010年 大石達也 埼玉西武ライオンズ
2010年 斎藤佑樹 北海道日本ハムファイターズ
2010年 福井優也 広島東洋カープ
2011年 土生祥平 広島東洋カープ
2011年 塚田晃平 広島東洋カープ
2012年 杉山翔大 中日ドラゴンズ
2013年 横山貴明 東北楽天ゴールデンイーグルス
2014年 有原航平 北海道日本ハムファイターズ
2014年 中村奨吾 千葉ロッテマリーンズ
2014年 高梨雄平 東北楽天ゴールデンイーグルス
2015年 重信慎之介 読売ジャイアンツ
2015年 茂木栄五郎 東北楽天ゴールデンイーグルス
2016年 石井一成 北海道日本ハムファイターズ
2017年 大竹耕太郎 福岡ソフトバンクホークス
2018年 小島和哉 千葉ロッテマリーンズ
(以上、34名)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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