Column

二松学舎大附(東東京)編「日本球界の宝・鈴木誠也の母校!近年力を増す二松学舎大附のつながり!」

2017.11.21


左から二松学舎大附時代の鈴木 誠也選手、大江 竜聖選手

 東東京の有力校としての位置を長年保ち続けている二松学舎大附は、近年その実力をさらに強化させ、全国の舞台に登場する機会も増加している。それまでセンバツ4回、神宮大会は2回の出場があったのだが、2014年にようやく夏甲子園に初出場を果たすと、2015年春センバツ、そして3か月前に行われた2017年夏の甲子園と着実に全国での地位を獲得し始めている。今回はこの二松学舎大附にフォーカスし、卒業生のつながりを掘り下げていく。

日本球界の宝・鈴木誠也や、若き鉄腕・大江竜聖らがチーム力を上げる

 二松学舎大附出身といえば、今の世代の野球ファンは、最初に誰を思い浮かべるだろう…。おそらく多くの人が「鈴木 誠也」と答えるだろう。それだけ、彼の知名度はずば抜けている。また、少し昔の世代を知るファンならば、ミスターマリーンズ・初芝 清(現・社会人野球セガサミー監督)だと答える人も増えてくるはずだ。

 その他にも、今オフに残念ながら戦力外通告を受け、現役引退を発表した小杉 陽太投手、読売ジャイアンツ期待の若手左腕、大江 竜聖投手がといったところもこのチームで高校野球をプレーしている。

 鈴木 誠也は二松学舎大附時代、投手として活躍した。最終的には最速148キロをマークする直球を武器に、1年秋からエースとしての役割を掴み取った。2年夏には準決勝に進出するも、関東一に退けられた。(レポート

 2年秋、3年春の東京都大会は、ともに同じ東東京の強豪・帝京に阻まれ敗退。3年夏は準々決勝まで導いたものの、この年優勝の成立学園戦で大乱調になってしまう。最後の夏が終わり、結局鈴木 誠也は春夏通じて甲子園の土を踏むことはなかった。しかし、高校通算43本塁打の長打力と高い走力を買われて、広島カープから2012年ドラフト2位指名を受けたところから、彼の伝説は本番を迎えることになるのだ。

 そして二松学舎大附は2014年夏に、悲願を達成することになる。準々決勝で東亜学園、準決勝では春に退けられた成立学園にリベンジを果たし、迎えた決勝。立ちはだかる帝京を相手に6回終えて3点ビハインドの状況から追いつき、延長10回表についに勝ち越し。当時1年生だった大江 竜聖が10回裏を3人で締め、最高の瞬間を迎えた。

 甲子園では、まず海星戦を序盤のリードによって逃げ切る形で勝利。しかし次戦の沖縄尚学戦は、4回までで5対4の点の取り合いの様相を呈し、9回裏にサヨナラ負けを喫した。

 1年時からリリーフとして活躍した大江、そして正捕手の座を獲得した今村 大輝という存在があり、彼らが中心となってチームは上昇した。2015年には5度目の春センバツにも出場。さらに大江は驚異的な鉄腕ぶりを見せつけ、最後の3年夏は、準々決勝まで4試合連続完投で3失点という活躍を見せチームを導いたものの、準決勝の東亜学園戦で力尽き、夏は1年の甲子園が最後という形になった。

 大江らが卒業し、迎えた2017年。春には日大三に16対1で屈辱のコールド負けを喫してからチーム意識が一新され、夏はエースの市川 睦を中心にした投手陣の踏ん張りで、初戦の多摩大目黒戦こそ4失点だったものの、残る4試合で計2失点。しかも打線は56得点を挙げるという圧巻の優勝を勝ち取った。

 甲子園でもその勢いそのままに、秋田の明桜を14対2で破るのだが、三本松の好投手・佐藤 圭悟の前に屈し、3回戦敗退となった。そしてこの秋のドラフトでは、外野手の永井 敦士が、晴れてドラフト4位で鈴木 誠也と同じカープに入団することになった。今後もさらに、二松学舎大附がプロに優秀な選手を送り出すことを期待したい。

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[page_break:近年の卒業生]

近年の卒業生

 知名度でいえば鈴木 誠也が圧倒的だが、すでにプロに進んだ選手はもちろん、現在大学でプレーしている選手にも有望な選手が多く存在する。例えば、竹原 祐太は東洋大センターのレギュラーとして、先日の明治神宮大会にも出場した。明治大の北本 一樹も、2年生以下の大会「フレッシュトーナメント」で主に「3番・遊撃」を任されるなど、順調に力を示しているようだ。

■2013年以前の卒業生
初芝 清(ロッテ)
小杉 陽太(横浜DeNA)
宮下 直季(足利工大―徳島IS―横浜DeNAブルペン捕手)

■2013年卒
鈴木 誠也(広島東洋カープ)

■2014年卒
大貫 純(桐蔭横浜大)

■2015年卒
大黒 一之(大正大)
秦 匠太朗(専修大)
竹原 祐太(東洋大)

■2016年卒
北本 一樹(明治大)
岸田 康太(日大)

■2017年卒
大江 竜聖(読売ジャイアンツ)
今村 大輝(明治大)
三口 英斗(上武大)

■主な現3年生(2017年時点)
永井 敦士(広島東洋カープ)
市川 睦


注目記事
2017年秋季大会 特設ページ

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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