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八重山商工(沖縄)編「大嶺兄弟の母校!離島初の甲子園勝利チームのつながり!」

2017.10.17


左から大嶺 祐太(千葉ロッテ)大嶺 翔太(千葉ロッテ)

 今年の春季沖縄県大会で最速152キロをマークし、全国的に脚光を浴びたのは、平良 海馬投手。彼の所属する八重山商工は夏の甲子園大会出場とはならなかったものの、彼の右腕によって今年の注目の的となった。今回は、そんな八重山商工のつながりを見ていく。

日本最南端の高校から初づくしの甲子園出場

 八重山商工は、リゾート地としても有名な石垣島にある高校。石垣島で最も南に位置するこの高校は、日本全体で見ても最南端の高校だということになる。そんな八重山商工が、沖縄県離島の高校として初の甲子園出場を達成したのは、2006年の春だ。

 当時チームを率いていたのは伊志嶺 吉盛監督(現・日本文理大附)。石垣島という環境面の不利から、将来有望な選手は興南沖縄水産などの強豪校に流出するという問題と常に戦わなければならず、伊志嶺監督は一時監督を退き、小中高一貫での指導を目論んだ。そしてその時に立ち上げた少年野球チーム「八重山マリンズ」で出会ったのが、後に甲子園出場チームのエースとして君臨することになる大嶺 祐太投手(現・ロッテ)だった。

 2005年秋の九州大会で準優勝を果たし、これに従って春のセンバツ出場が決定。沖縄県の離島チームとして初めての甲子園出場を達成した。迎えた1回戦では大嶺祐の17奪三振の好投で高岡商に勝利。これによって今度は日本の離島チームとして初の甲子園勝利を挙げるも、2回戦で横浜に敗北を喫する。

 そしてこの年、夏の沖縄大会で優勝を果たし、春夏連続の甲子園出場を達成。初戦の千葉経大附に逆転勝利、2回戦の松代にも勝利するという健闘を見せた(3回戦の智辯和歌山戦で敗退)。秋にやってきたドラフト会議で、大嶺祐はソフトバンクとロッテの競合の末、ドラフト1位でロッテに入団することが決定した。

 2007年には弟の大嶺 翔太(現・ロッテ)が八重山商工入り。彼のチーム在籍3年間で、夏の県大会は3年連続で興南に敗れてしまい、甲子園出場は果たせなかった。大嶺翔は投手を務めることもあったが、その際は1学年下の田中 貴也(現・巨人)とバッテリーを組んでいた。ちなみに、田中の3年夏では、県3回戦で宮國 椋丞が所属する糸満に敗れている。

 そして今年脚光を浴びたのが平良 海馬投手(インタビュー)。伊志嶺前監督が立ち上げた中学硬式野球チーム「八重山ポニーズ」出身で、この春には最速152キロの速球を投げ、スカウトの注目の的となる。夏の大会、首里戦には11球団のプロスカウトが沖縄に集結。打線が点を奪えず完封負けとなったものの、8回完投、1失点9奪三振の好投を見せ、変わらぬ実力を示した。平良投手はその後プロ志望届を提出。今月末のドラフト会議で、彼に吉報が届くことを願いたい。

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[page_break:近年の卒業生]

近年の卒業生

 大嶺兄弟が有名どころだが、甲子園で両打席ホームランを放った金城 長靖選手を覚えているだうか。数々の記憶と共に、卒業生のつながりを見ていこう。

■2007年卒
大嶺 祐太(ロッテ)
金城 長靖(沖縄電力)
羽地 達洋(新日鐵住金かずさマジック)

■2007年卒
大嶺 翔太(ロッテ)

■2014年卒
大底 翔(富士大)
加藤 弦(富士大)

■2015年卒
馬場 寿希矢(朝日大)

■2017年卒
黒島 志門日本文理大
仲嵩 勇雅九州共立大
森田 虎之介日本文理大
前粟蔵 知弘
安里 郁哉


注目記事
2017年秋季大会 特設ページ

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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